着るだけでパッと華やぐ艶やかな「花柄」は、手抜き感を見せない装いに仕上がるので、大人女性にとってもデイリーに使いこなしたい柄のひとつです。ただ、インパクトが強い柄でもあるので、気品あるスタイルに仕上げるにはテクニックが必要。では、上品でありつつ、フェミニンが薫るコーディネートの秘訣とは?

今回は、英国王室のヘンリー王子とメーガン妃の結婚式で、「Dolce&Gabbana(ドルチェ&ガッバーナ)」の花柄のドレスに「BVLGARI(ブルガリ)」のジュエリーを合わせたスタイリングで脚光を浴びた、故ダイアナ妃の姪、Lady Kitty Spencer(レディ・キティ・スペンサー)の着こなしから紐解いていきましょう。

現役モデルのセレブに学ぶ!気品ある花柄の着こなしテクニック

■1:全身で祝う、艶やか花束ドレス

特別感が寄り添う多色使いのドレス

先日の結婚式に到着した際のレディ・キティはアート作品をまとったかのようにドラマティックな花束模様の、
ドルチェ&ガッバーナのドレスで、文字通り、舞台に華を添えました。花束で祝意を示すという、何ともエレガントなおしゃれ表現です。

首にぴったりと巻いた、ブルガリのネックレスがスクエアに切り取ったデコルテの透明感を引き出しています。イエローダイヤモンドとホワイトダイヤモンドを連ねたネックレスは、ドレスの色調ともきれいに調和しています。

気品を感じさせる、上品レースのほのかな透け感

こちらは、2017年2月に開催されたミラノ・ファッションウイークでランウェイに登場したときのものです。ドルチェ&ガッバーナのドレスを着て、堂々とモデルを務めました。ゴージャスなゴールドを基調にした、総レースのドレスを見事に着こなしています。

花柄は幼く見えると気にする人もいますが、手仕事感を帯びたレースや刺しゅうで彩った花柄はむしろ淑女のムードを薫らせます。花柄をたくさん盛り込んでいるのに、奇抜に見えないのは、カラートーンを調和させているから。丁寧なハンドクラフトのおかげで、高貴なオーラすら感じられる、レディ・キティならではの装いです。

■2:たっぷりスカートにはコンパクトなトップスを

スタイルにメリハリをつける、タイトなジャケットとたっぷり量感のスカートの好バランス

ハイソサエティーな人たちの間では、オペラ観劇は最高レベルのドレスアップを楽しめる機会とされます。でも、妙にかしこまって見せないアレンジが腕の見せどころ。ロンドンのオペラハウスに現れたレディ・キティは、ドラマティックな大輪のフラワーモチーフをあしらったサーキュラースカートをこの日の主役に選びました。

トップスはシックなコンパクトジャケットで合わせています。エレガントなボタンを配して、全体を優美に華やがせました。ネックレスやブローチ抜きでも、ボタンがアクセサリーの代わりに。オペラのように長い時間、着席が続く場合は、タイトなボトムスよりも、いくらかボリュームのあるスカートのほうがリラックスして過ごせます。

■3:甘めドレスは黒縁取りで引き締めて

ロングトレンドとして注目されている、沈んだ色味の「ダークフラワー」

花柄のガーリー感を抑え込むコツを示してくれたのは、2018年2月のニューヨーク・ファッションウイークに姿を見せたレディ・キティです。Kate Spade New York(ケイト・スペード ニューヨーク)の新作お披露目に参加したレディ・キティは、淡いピンクトーンのワンピースをチョイス。

ピンク系がベースなのに、子供っぽく見えないのは、縁取りを黒で引き締めているおかげです。上品なレースをあちこちにあしらって、花柄の甘さを遠ざけています。バッグや靴も黒でそろえて、大人レディーのムードを演出しています。

■4:ダークフラワーでシックな装いに

くつろいだ雰囲気を寄り添わせる、ワンピースの自然な落ち感

ダークフラワーの装いは、地色を暗めの色にすると、一段と落ち着いた印象にまとまります。2018年2月のNYファッションウィークで、Zimmermann(ジマーマン)のショーに訪れたレディ・キティは黒系のシャツドレスに身を包みました。1枚でさらりと着る、エフォートレスな着こなしです。

ウエストのドローストリングでゆるく締め、余裕を感じさせる着姿に。首元のボタンを開けて、フレンドリーなムードに整えています。気負わずにショーを楽しむ様子がうかがえます。フラワーモチーフの色数が多くないので、全体が静かな風情にまとまっています。花柄のシャツドレスは前を開けて、ジーンズにレイヤードするような着こなしも楽しめます。デイリーにも着回せる、使い勝手のよいアイテムです。

花柄は華やかな雰囲気やフェミニンな印象が備わるので、大人女性が味方につけたいモチーフです。大胆なビッグフラワーで視線を引き込むのも、小花柄で穏やかムードに整えるのも、気分次第で選び分けられます。花びらだけではなく、枝や茎、幹なども写し込んだボタニカル柄は、全体にナチュラル気分をまとえるから、自然体のおしゃれが似合うサマールックに取り入れてみてください。

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃