顔の印象を大きく左右するメガネ。おしゃれのアイテムとしてこだわりがあるという人も少なくないはず。一方でメガネを毎日身につけているのに、その適切なお手入れ方法はよくわからない、という人も実は多いのではないでしょうか?

メガネが汚れていると、つい最初にメガネ拭きで拭きたくなりますが、これはNG。レンズの表面に汚れがついた状態で拭く(=こする)と、レンズに細かい傷がついてしまいます。ほかにも、ケースに入れずポケットにしまう…など、いつも何気なくしている扱いが、実はNGなことも。

そこで今回はメガネ、そしてこれからの季節に活躍するサングラスの正しいお手入れ方法を、純国産のアイウエアブランド「999.9(フォーナインズ)」玉川髙島屋S・C店・店長の加々美理恵さんに伺いました。

メガネやサングラスのお手入れ方法を教えていただいたフォーナインズ 玉川髙島屋S・C店・店長の加々美理恵さん
メガネやサングラスのお手入れ方法を教えていただいたフォーナインズ 玉川髙島屋S・C店・店長の加々美理恵さん

自宅でできる、メガネ・サングラスの正しいお手入れ

毎日使うメガネのお手入れは?
毎日使うメガネのお手入れは?

【メガネ・サングラスのお手入れ方法】

■1:少量の中性洗剤を溶かした常温の水の中で洗う
■2:流水で水洗い
■3:ティッシュで水分をオフ
■4:仕上げにメガネ拭きで拭きあげる


今回ご紹介するお手入れ方法は、メガネ・サングラス問わず対応できる方法です。メタルやプラスチックといった一般的なフレーム素材、レンズに共通なのだそう。

※特殊な素材や装飾が使われているフレームや、偏光レンズなどの特殊なレンズの場合は、水を使った手入れが向かないものもあります。購入時にご確認ください。
奥からメタルフレーム、プラスチックフレーム、メタルとプラスチックのミックスフレーム。今回ご紹介するお手入れ方法は、このいずれにも対応できます
奥からメタルフレーム、プラスチックフレーム、メタルとプラスチックのミックスフレーム。今回ご紹介するお手入れ方法は、このいずれにも対応できます

お手入れの手順を確認する前に、まずはメガネの特徴と扱いの注意点を確認しておきましょう。

・お手入れは、使う都度
メガネのレンズ・フレームの鼻あて・耳あては、多くがプラスチック素材。プラスチック素材は汗・皮脂・化粧品・整髪料が付着したままだと、劣化が早まってしまします。メガネやサングラスは、かけ終わった度にお手入れしましょう。毎日かけている場合、1日1度は行うのが好ましいそうです。

・急な温度変化や高温に注意
レンズの表面には光の反射を防止するコーティングが施されています。コーティングは急激な温度変化、特に熱が弱点。サウナや夏場の車内など高温にさらされるとひび割れ、剥がれてしまうので、注意しましょう。

・フレームの歪みに注意!お手入れするパーツを持つ
メガネのフレームはかける人に合わせて調節されています。力を込めてお手入れすると、フレームが歪み、かけにくさや見えにくさの原因になる可能性があります。例えばレンズのお手入れの際は、拭く方のレンズの周辺を持ち、優しく行いましょう。

それでは、お手入れの手順を順番に見ていきましょう。

■1:少量の中性洗剤を溶かした常温の水の中で洗う

洗剤をたらした水の中で、指の腹を使って洗います
洗剤をたらした水の中で、指の腹を使って洗います

まず水を張ったボールや洗面器に中性洗剤を1、2滴たらし、その中で親指と人差し指の腹を使ってレンズやフレームを挟み、優しく洗います。こうすることで、皮脂など脂溶性の汚れを落とすことができます。

洗剤は、食器洗い用の中性洗剤がベスト。ハンドソープやボディソープは別の成分が入っていることもあるので避けましょう。

また、水は必ず常温の水を使用します。お湯やぬるま湯を使うと、前述の通りレンズのコーティングが剥がれる原因になるので注意しましょう。

水を張るものが手元にない場合やレンズ面のみ汚れが気になる場合は、水で汚れを流したあと、指に少量の洗剤をたらし、指の腹でレンズを優しく洗う方法でもいいそうです。

■2:流水で水洗い

流水洗いで洗剤を落とします
流水洗いで洗剤を落とします

続いて、流水でメガネについた洗剤を洗い流します。

もしメガネがそれほど汚れていなければ、ステップ1を飛ばし、この水洗いからスタートしても問題ありません。

■3:ティッシュで水分をオフ

ティッシュで水分をオフ
ティッシュで水分をオフ

水洗いが終わったら、ティッシュでメガネについた水分を拭き取りましょう。吸水性に優れたティッシュできちんと水分を取り除くことで、レンズの水やけを防ぐことができます。

このとき気をつけたいのはフレームをしっかり拭くこと。特にネジのある接合部分には水分を残さないようにしましょう。メーカーにもよりますが、滑りをよくするためにネジの部分に金属パーツが入っていることがあります。その場合、水分が残るとサビの原因となってしまうそう。レンズのみでなく、フレームまで水分を拭き取ってください。

■4:仕上げにメガネ拭きで拭き上げる

仕上げはメガネ拭き
仕上げはメガネ拭き

ステップ1〜3を終えたら、仕上げにメガネ拭きでレンズ・フレームを拭きます。これでお手入れは完了です。

メガネ拭きは定期的に洗濯し、常に清潔な状態に保ちましょう。汚れた状態では、むしろメガネに汚れをつけてしまいます。洗濯は普通の衣類と同じように行ってOK。ただし、洗い上がりに残ってしまうため、柔軟剤の使用は避けてください。

以上、メガネやサングラスのお手入れ方法をご紹介しました。


【まとめ : メガネ・サングラスのお手入れ方法】

■1:少量の中性洗剤を溶かした常温の水につけて洗う
■2:流水で水洗い
■3:ティッシュで水分をオフ
■4:仕上げにメガネ拭きで拭き上げる


今回ご紹介したお手入れ方法は、自宅にあるものでできるお手入れですが、メガネ専用のクリーナーを使用すると、もっと簡単にお手入れできます。メガネに洗浄液をスプレーで吹きかけ、メガネ拭きで拭きとるだけ。皮脂などの脂溶性の汚れには最適です。急いでいるときには重宝しますね。

メガネクリーナーは、急いでいるときや外出先であると便利
メガネクリーナーは、急いでいるときや外出先であると便利

使わないときはケースへ! メガネ・サングラスの持ち運びや保管の注意点

夏に大活躍のサングラスも、ポケットに入れるのはNG
夏に大活躍のサングラスも、ポケットに入れるのはNG

メガネやサングラスを使わないときはケースに入れましょう。こうすることで、思わぬ衝撃からメガネ・サングラスを守ることができます。

テーブルから床に落ちたメガネを気がつかずに踏んでしまったり、サングラスを胸ポケットにそのまま入れてしまったり…。いくらお手入れの際に気をつけても、日常の何気ない扱いで傷つけてしまっては元も子もありません。

「メガネは外したらケースに入れる」を習慣にしてしまうのがおすすめです。

ケースはメガネの形状に合わせて選びましょう。かさばらないようにと小さいケースを選びたくなりがちですが、厚みのあるメガネを小さめのケースに無理に入れると圧迫され、歪んでしまいます。

メガネの形状・サイズにあったメガネケースを選びましょう
メガネの形状・サイズにあったメガネケースを選びましょう

サングラスやメガネを何本も持っている人に便利な、複数のメガネやサングラスを保管できるメガネケースもあります。さっと開いて「今日はどのメガネをかけて出よう?」と考えられると、メガネ選びも楽しくなりそうですね。

メガネケースも種類豊富
メガネケースも種類豊富

3か月に1度はお店でメンテナンスを

お店でのメンテナンスも定期的に
お店でのメンテナンスも定期的に

自宅でのお手入れに加えて、定期的にお店でメンテナンスをしてもらいましょう。

加々美さんいわく、お店でのメンテナンスは3か月に1度の頻度がおすすめなのだそう。フォーナインズの店舗では、メガネをパーツに分解し、超音波洗浄でクリーニングするため、自宅のお手入れでは残ってしまう汚れも落とすことができます。

パーツに分解し、細かな部分までお手入れしてもらえます
パーツに分解し、細かな部分までお手入れしてもらえます

また、メンテナンスの際にはフレームの歪みの調節もしてもらえます。

メガネはどうしても使用しているうちにフレームに歪みが生まれてしまいます。

フレームの歪みは、かけにくさや見えにくさの原因に。「レンズの度数を変えなければ」と言っていた方が、歪みを調整するだけでピントが合い、見えやすくなるということもあるのだそうです。

フレームが歪んだ状態でメガネをかけていると、見えにくくなるのみでなく、見栄えも悪くなってしまいます。適切に調節された状態のメガネやサングラスであれば、印象も身だしなみよく、きれいになります。

加々美さんによると、メガネは2〜3年で買い換える人が多いそう。適切なお手入れを続けるほど、その寿命は長くなります。

お気に入りのメガネを長く使いたい方、今回ご紹介したお手入れ方法をぜひ試してみてください。

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この記事の執筆者
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WRITING :
澤田絵里
EDIT :
廣瀬 翼(東京通信社)