都市部でメルセデス・ベンツ「Cクラス」を見かける機会はとても多い。あまりに多すぎて敬遠する方も少なくないだろう。だが、そんな人気モデルならではの悩みを解消する方法はある。豊富な輸入車所有経験をもつライターの林 公美子氏が解説する。

顔も中身も大幅改良!

新型「Cクラス」のお披露目は、東京の新橋演舞場で行われた。歌舞伎俳優の尾上右近氏による、躍動感あふれる獅子の精の気振りに合わせた最新モデルは、伝統を継承しながら革新を続ける日本の古典芸能にも重なるものであった。フロントマスクはバンパー開口部の形状が変わったほか、表情も機能も異なるLEDのヘッドライトを装備。
ステアリングは「Sクラス」と同じデザインのものとなり、手を離すことなく各種操作が行える仕様。センターディスプレイも大型化。

「Cクラス」の源流である「190」シリーズが日本でも大ヒットしていた時代を、私は知らない。ずっと年上(とさせてください!)のお姉さま方は、「190」を「小ベンツ」と揶揄してようだけれど、その作りの良さはのちの「Cクラス」も含めて、世界最高レベルだったことは知っている。一応、2代目のステーションワゴンを所有していたこともあるし。

 シートはコシがあって長い時間座っていても疲れ知らずだし、乗り心地もしっかり感高め。高速道路ではそれがビシッと決まった安定性となり、それでいて一般道ではうっかり住宅街の細い道に入っても、大きめのハンドルを回せば苦もなく曲がってくれる(曲がるときに前輪が少し傾くように設計されているんですね)。そして前後のドアの開閉はずっしりと手応えがあり、いやありすぎてドアノブを掴んだときに何度爪を割ったことか…。

 ともあれ、重厚で品格のあるプレミアムサルーン、「Sクラス」をそのまま小さくしたような「Cクラス」は、価格以上のバリューを誰もが体感できる日常サイズの逸品として、代を重ねるごとに磨きをかけてきた。そして2018年7月に国内発表された改良最新型は、新しいマスクと経済性にも配慮した新型エンジンを幅広いモデルにラインアップし、もはや完全な新作!? と思えるほど大きく手が入っている(あくまでも今回はマイナーチェンジです。念のため)。

内外装の選択肢が増えた!

カラーコーディネートを楽しむなら、断然コンバーチブル!
オーディオも車内環境の重要な要素。「Cクラス」では、ブルメスターのサラウンドサウンドシステム(13個のスピーカーと9チャンネルのアンプからなる)が選べる。

 ただ、クルマも自己表現のツールのひとつと捉えた場合、人気があるほど他人と被る率も高まる。特にメルセデス・ベンツをはじめとするドイツ車の日本法人は、最も確実に売れる白やシルバーの外装色を大量に仕入れる傾向が強いので(内装も黒が多し!)、自分とまったく同じ仕様のクルマに遭遇することもしばしば。装いへのこだわりが強い男性にとって、「モノがいいのはわかるけど、手を出すのはちょっと…」という存在でもあったはず。

 でも、もうそんな悩みは無用! 今回の改良型を機にボディカラーが2色追加され、全11色(カブリオレとクーペは全10色)から選べるようになったのだ。上品さを奏でる本革シートのカラバリ(クーペ、カブリオレ、C200から上位グレードのセダン、ステーションワゴンに対応)も増えたほか、パネル部分もオープンポアフィニッシュ(木目を生かした工法)のウォールナットやアンスラサイトオークが用意されている。特にカブリオレは従来型時代から3色展開しているソフトトップルーフと合わせることで、本格的なパターンオーダーの気分が味わえるのだ。

 例えば、グレージュっぽい新外装色「モハージシルバー」に「グランベリーレッド」の渋赤シートという艶っぽいコーディネートはどうだろうか。あるいはレザーシートの新色「サドルブラウン」は、濃紺の外装色「カバンサイトブルー」に合わせれば、イタリアっぽい、アズーロ・エ・マローネを演出できる(ボディカラー、本革シートはいずれも有償オプション)。もちろん、こうしたこだわりを発揮するほど納期は長くなるけれど、スーツや靴のオーダーを考えたら、工業製品で数ヶ月(おおよその目安)は、むしろ早いほう。それに紳士なら、かかる時間を楽しむ術もきっとご存知では?

【メルセデス・ベンツ Cクラス】
セダン ¥4,157,408〜
ステーションワゴン ¥4,379,630〜
クーペ ¥5,222,223〜
カブリオレ ¥5,694,445 
【メルセデスAMG Cクラス】
C43  ¥8,703,704 〜
C63 ¥11,212,963 〜

問い合わせ先

この記事の執筆者
女性ファッション誌、ビューティ誌を中心に執筆活動を行ったのち、しばしの休眠を経て現場復帰。女性誌時代にクルマ記事を手掛けたこともあり、またプライベートではライフステージの変化に合わせて様々な輸入車を乗り継いできた経験を生かし、「紳士のクルマ」について筆を振るう。
TAGS: