外国人の方が多く参加するパーティーや、海外旅行や出張中のときにパーティーへ出席するときに、その国の乾杯マナーを知らないと、おめでたい席なのに恥をかいてしまうことも。

そこで今回は、フォーマルなパーティーにお呼ばれしたときに備えて、日本の正式な乾杯方法はもちろん、国別の乾杯マナーも合わせて、マナーコンサルタントの西出ひろ子さん率いるヒロコマナーグループのマナー講師(大海英美さん他)の方々に教わります。

パーティーの席で役立つ「国別乾杯マナー」

まずは日本の正式な「乾杯マナー」をおさらい!

ホームパーティを楽しむ様子
日本の正式な「乾杯マナー」をおさらい

すでにわきまえているかもしれませんが、海外の乾杯マナーを知る前に、まずは日本の乾杯マナーをおさらいしておきましょう。

日本において、乾杯といえば、2種類あります。

ひとつは、親しみのあるプライベートな宴席などのカジュアルな席での乾杯。「乾杯!」の掛け声とともに、グラスやジョッキをかちあわせます。

もうひとつは、フォーマルな席での乾杯。フォーマルな席では、グラスをかちあわせるのはマナー違反です。

日本のフォーマルな場での正式な乾杯の仕方について、西出さんは次のように話します。

「代表者から『乾杯』の発声の一声が聞こえたら、自分も『乾杯』と口にしながら自分のグラスを自分の目の高さに上げて、上席の方から順に目を合わせます。そして、軽く会釈をしてからひと口飲みます。お酒が飲めなくてもグラスに口をつける仕草をしてから、グラスをテーブルの上に置きます。その後、拍手をします」(西出さん)

これをマスターしたら、いよいよ海外の乾杯マナーを学んでいきましょう。

言語によって異なる乾杯の掛け声

まずは、乾杯の掛け声から確認を。言語圏ごとに、次のような掛け声をするそうです。

●英語「チアーズ!(Cheers!)」「トースト!(Toast!)」

●フランス語「サンテ!(Sante!)」「チンチン!(Cincin!)」

●ドイツ語「プロースト!(Prost!)」「ツムボール(Zum Wohl!/健康のために)」

●中国語「カンペイ!(乾杯!)」

意外と知らない、各国の「乾杯マナー」

カトラリーなどがセッティングされたテーブル
意外と知らない、各国の「乾杯マナー」

それでは、アメリカ、フランス、ドイツ、中国における乾杯マナーをチェックしていきましょう。

■1:アメリカの「乾杯マナー」

「フォーマルなシーンでは必ず着席式です。 乾杯は『誰かから誰かに』行うもので、まずはホストが立ち上がり、主役に対して短いスピーチを行った後、乾杯の掛け声は"Cheers" "to XXXX(主役の名前)”。掛け声を受けてCheersと唱和し、グラスを目の高さくらいに持ち上げます。その後、必ずグラスに口をつけることがマナーです。日本とは異なり、主役とゲストはホストが挨拶している間、座ったままです。また乾杯の際、グラスとグラスを合わせることはありません」

■2:フランスの「乾杯マナー」

「ヨーロッパにおいては、戦乱を含む長い歴史の中で、国境と文化の境目が同一でないという背景があります。このことから、過剰に『これが○○国式』と主張することなく、相手の立場により、臨機応変に対応します」

■3:ドイツの「乾杯マナー」

「諸外国同様に、必ず目を見ることが大事。日本人は、目を合わせることが恥ずかしく、グラスを見がちなので、冷たく感じると言うドイツ人の方もいました。ドイツ式ではしっかり目を見て乾杯するのを意識するとよいでしょう」

■4:中国の「乾杯マナー」

「基本的な流れは、アメリカの場合と同様です。またこれもアメリカと同様ですが、中国では体面をたいへん重んじる文化がありますので、席次等には細心の注意が必要です。中国でフォーマルな席に参加する前には、乾杯だけでなく、そうした細かいマナーを身につけておくとよいでしょう」

いかがでしたでしょうか。海外へ出張や旅で訪れた際だけでなく、日本でも、外国人主催のパーティーに参加することもあるかもしれません。ぜひ基本的なポイントをおさえたおきましょう!

ヒロコマナーグループ
マナーは「互いが幸せになるために存在する」をモットーに、人生が好転する真心マナー®︎とおもてなし礼法®︎を軸に、国内外で活動。テーブルマナーや社交・ソーシャルマナーなどは、イギリスでデュピタントのマナー指導もおこなっているフランスの伯爵から直接指導を受けている。NHK大河ドラマや映画などのマナー監修もおこない、多くの女優や俳優のマナー指導もおこなっている。
http://www.hirokomanner-group.com
この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
石原亜香利