ゴージャスな印象が強いモチーフの筆頭格は、野性的なヒョウ柄でしょう。グラマラスな雰囲気も宿していますが、最近は着こなしに変化が見られます。

くどさを遠ざけ、むしろエレガンスや気品を漂わせるような着映えに仕上げるのが今の傾向です。持ち味のアニマル感をあえて薄めるようなスタイリングがポイント。女優やファッション業界人といったおしゃれ先端人の着こなしは、さすがのアイディアにあふれています。

重たく見えがちな秋冬の装いにダイナミックさと品格を同居させた、おしゃれプロたちの「新ヒョウ柄ルック」を見ていきましょう。

上品にモダンに昇華した今年の「ヒョウ柄スタイル」5選

■1:柔和ムードを印象付ける「変形のヒョウ柄」【パンツ編】

レオパード柄を着こなすVirginia Smith(バージニア・スミス)氏
つまみ持ちにした小ぶりのクラッチバッグにも、変形のレオパード柄を投入

レオパード柄に見せないアレンジは、優美な着映えに整えてくれます。アメリカ版『VOGUE』誌でファッションディレクターを務めるVirginia Smith(バージニア・スミス)は、花びらのようにも見える「変形したレオパード柄」をワイドパンツにあしらいました。アニマル柄特有のムードがトーンダウンして、柔和な表情が宿っています。

見るからに上質なアウターを前開けではおって、優雅な落ち感を引き出しました。変形タイプのレオパード柄は着こなしの幅も広げてくれます。

■2:派手感を抑える「ベーシックフォルム」【シャツ編】

レオパード柄を着こなすDakota Johnson(ダコタ・ジョンソン)氏
装いにパンチを効かせる、ゴールドのチェーン付きバッグと華やかなスニーカー

ベーシックアイテムに柄を落とし込むことで、レオパード柄の大胆さをトーンダウンさせるテクニックもあります。女優のDakota Johnson(ダコタ・ジョンソン)は、レオパード柄のシャツをシンプルなアンクルパンツにウエストイン。

それだけで存在感のあるレオパード柄を選ぶうえで今年意識したいのは、ミニマルなフォルム。特に「シャツ」は仕事着のイメージがあるので、トーンダウンにうってつけ。派手さを抑えたベーシックなアイテムは、友達との集まりや軽い会食など、着て行けるシーンも多そうです。

■3:主役級コートを「ミニマルコーデ」でクールダウン【コート編】

レオパード柄を着こなすRosie Huntington Whiteley(ロージー・ハンティントン・ホワイトリー)氏
シックに整えるレザーパンツの冷ややかな質感

すっきりした見え具合のアイテムと引き合わせれば、レオパード柄も薄味に見せやすくなります。モデルのRosie Huntington Whiteley(ロージー・ハンティントン・ホワイトリー)は、レオパード柄のチェスターコートをはおっていますが、白無地のタートルネックと黒革のレザーパンツというモノトーン・コーデのおかげで、洗練された着映えに。

このような主役級のコートを迎える場合、全体をミニマルシックにまとめれば、気負わないスタイリングに仕上げられます。

■4:「ソフトな素材感」で優美なシルエットを強調【ワンピース編】

レオパード柄を着こなすKeri Russell(ケリー・ラッセル)氏
レディー感を寄り添わせた、クラッチバッグとストラップパンプスの存在

レオパード柄でまとめた装いでも、やわらかい生地感や揺らめくシルエットを生かせば、優しげに見せることができます。女優のKeri Russell(ケリー・ラッセル)は、レオパード柄のワンピースをさらりとまといました。

ワンピースをチョイスする場合、意識したいのは、優美なシルエットとソフトな素材感。シフォンのような繊細な素材と、ゆったり流れ落ちる風情のフォルムのおかげで、大胆な柄にもかかわらず、穏やかなムードが備わりました。ボウタイをゆるめに垂らしたのも、リラクシングなムードを呼び込む好判断です。

■5:マイルドな表情へと導く「ニット素材」【セットアップ編】

レオパード柄を着こなすGiovanna Battaglia(ジョバンナ・バッタリア)氏
タートルネックのトップスでのどかに、ポインテッドトウの靴で女らしく味付け

風合いの優しいニットも、レオパード柄をソフトに見せてくれる素材です。イタリア人スタイリストのGiovanna Battaglia(ジョバンナ・バッタリア)がまとった、レオパード柄のセットアップは、上質なニット仕立て。しんなりとボディーになじむから、自然とレオパード柄も穏やかな表情に。

タイトスカートとカーディガンのセットアップも、トレンド感の高い組み合わせです。のどかな質感と、全身を彩ったレオバード柄が、適度なずれ感も生んでいます。

進化形のレオパード柄アイテムは、癖が強くないので、自在の着回しに生かせます。ワイルド感を抑えて、エレガンスに寄せるのが、大人女性に向く操り方。素材やシルエットに穏やかでシックなムードを意識すれば、ナチュラル感とインパクトを程よく兼ね備えた装いに仕上げやすくなるでしょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃