顔に近いスカーフやストールは、自然と視界に入りやすいアイテムだから、装いのムードメーカーになってくれます。とりわけ、型通りに見えがちなお仕事スタイルの雰囲気を変えるのに絶好のツール。ビジネスシーンの女性リーダーや、高貴な立場の女性たちは、掛け巻き物をイメージづくりに役立てています。

特に上手とされる、Christine Lagarde(クリスティーヌ・ラガルド)IMF専務理事の操り方をお手本に、オフィスルックに生かすテクニックを探ってみましょう。

スカーフ使いの名手!クリスティーヌ・ラガルドさんに学ぶ巻物のアレンジテクニック9

■1:顔周りに立体感とエレガンスを与える「服とスカーフ」の色合わせ技

ジャケットとスカーフの色を合わせたコーディネートのクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
品格を漂わせる、ジャケットとスカーフの色を合わせるテクニック
巧みなスカーフ使いのクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
イヤリングとブローチを添えて、リュクス感をプラス

まずは首にキュッとタイトに巻く、基本的なまとい方です。ラガルドさんが巧みなのは、ジャケットの色をスカーフにも取り込む形で、スカーフに同系色をあしらっているところ。スカーフとジャケットの色なじみがよくなり、全体にシックな印象が生まれます。全体を同系色にまとめてしまわないで、スカーフの色に雰囲気の異なるカラーも加えて、立体感を出しているのも見習いたい目配りです。

■2:ブラウスのように多彩な表現力を発揮する「結び方アレンジ」

植物柄のスカーフをつけたクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
シンプルジャケットコーデに華を添えた「植物柄スカーフと大ぶりイヤリング」
色あざやかなスカーフを身につけたクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
小顔効果のある「ゆるい結び目」でつくる適度なボリューム感で、フェイス周りをシャープに
巧みなスカーフ使いのクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
表情まで豊かに見せられる、スカーフのインパクト

スカーフをまるでブラウスのような感覚で操るテクニックも、ラガルドさんは使いこなしています。首に掛けたスカーフを結ばないで下に流せば、、エレガントなブラウスを着ているかのように、ジャケット襟の内側に迎え入れました。

このようなアレンジを試す場合は、白が基調の、上品プリントのスカーフを選ぶのがポイント。白が顔周りも明るく見せてくれる効果も期待大です。

結ばないで下に流せば、縦落ち感が出ます。優美な風情を加えたいときは、軽くひと結びして、端はたっぷり遊ばせて。襟元に視線を引き込みたいなら、チョーカーのように首にくるくる巻いて立体感を出しましょう。ふくらみができる分、首が細く映ります。

■3:1日に1枚のストールを巧みにアレンジ!キャラクターを演じ分けるテクニック

ストールをアレンジするクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
落ち着きをもたらす特大サイズのモチーフ

1枚のストールを使って、同じ1日のうちに、別アレンジで表情を変えてみせるテクニックは圧巻の大技です。IMF・世界銀行の年次総会という、最高にかしこまった舞台で、ラガルドさんはオータムカラーのスカーフをチョイス。大物と並んだ席では、前で結んで上からパールネックレスをオン。 

ストールをアレンジするクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
たっぷり胸元に配したストールは、まるで服を着ているかのような存在感

別の方と意見交換した際は、ショール(肩掛け)のような感じでふわっと巻いて、穏やかなムードを演出しました。掛け巻き物でキャラクターを演じ分けるテクニックです。 

ストールを肩がけするクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
ストールの肩掛けは横や斜めからの見栄えもドラマティック

中国での国際会議に臨んだラガルドさんは、ブルーのストールを多彩に使い分けました。中国トップの習近平・国家主席と並んでの握手ショットでは、スカーフを長い布として使い、片側の肩にだけ掛けて、長く垂らすアレンジを披露。ダークスーツにエレガンスを薫らせています。どこかアジア的な雰囲気を醸し出しつつ、縦長イメージも引き出せる、さすがの操り方です。

ブルーのストールを身につけたクリスティーヌ・ラガルドIMF専務理事
ストールの隙間からネックレスをのぞかせるのも、気品をまとう小技

同じ会議の席でも、IMFトップとして発言する際には、二つに折って、真ん中を正面側に、まるで服の襟のような格好で垂らし、残りは背中側で遊ばせるという、これもダイナミックな使い方を見せました。肩から胸に掛けて、きれいに柄が見えて、品格も感じさせる装いに仕上がっています。

スカーフ、ストールは、重たく沈んで見えがちな秋冬コーデに、目をひく色や柄で助けになってくれる存在です。無難にまとまりがちなお仕事ルックにも、フェミニンや優美さを添えやすいから、扱い方のバリエーションを広げて損はありません。

今度の秋冬はスカーフの柄やスカーフそのものを取り入れた服も相次いで登場しており、スカーフがトレンドテーマとしても脚光を浴びているので、この機会にお仕事ルックにも生かしてみてはいかがでしょう。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃