紳士靴の殿堂、イセタンメンズが、その象徴ともいうべき靴売り場のハイエンドコーナーを、15㎡増の70㎡に拡充。

主にビスポークやパターンオーダーのサンプルが並ぶセミクローズドの空間は、“ジャパン”をテーマにした館全体のコンセプトに合わせて、和紙と金箔を思わせる壁面に囲まれている。

サロンを思わせる空間が生む、靴選びの悦び

充実のパターンオーダーで、珠玉の一足を

手前右のグレイの壁面のコーナーは、既製靴を中心に展開されている。左手奥のウッディな空間には、パターンオーダーやオーダーメイドのサンプルが並ぶ。
手前右のグレイの壁面のコーナーは、既製靴を中心に展開されている。左手奥のウッディな空間には、パターンオーダーやオーダーメイドのサンプルが並ぶ。

最大の目玉は、パターンオーダーの充実だ。「エドワード グリーン」、「ジョージ クレバリー」、「アンソニー クレバリー」、「ジェイエムウエストン」、「ジョン ロブ」、「ステファノ ベーメル」、「エンツォ・ボナフェ」、「コルテ」、「ダーミ」。

ハイエンドと呼ぶにふさわしい、9つのブランドが一堂に会し、常時オーダーに対応する態勢を整えた。もちろん生産はすべてのブランドが、自前のワークショップで行う。

落ち着いた色調のオーダーメイドのサンプルが並ぶ空間は、クラシックな靴店のホスピタリティをベースとしながら、どこか和な趣も感じさせる。靴職人を招いたオーダー会なども随時行われている。
落ち着いた色調のオーダーメイドのサンプルが並ぶ空間は、クラシックな靴店のホスピタリティをベースとしながら、どこか和な趣も感じさせる。靴職人を招いたオーダー会なども随時行われている。

用意されたオーダーサンプルは、1ブランド平均で10スタイル。ずらりと並んだ100近いサンプルは壮観の一言だが、ブランドらしさがあり、かつ目の肥えたユーザーも思わず唸る、というテーマでつくり込まれた一点一点が見どころ満載。

クードゥーやエレファントなど希少なエキゾチックレザーを、惜しげもなく使った「ステファノ ベーメル」、レイジーマン(ダミーレースつきサイドエラスティック)を色数豊富にラインナップした「アンソニー クレバリー」は好例だ。

ワニ革を使ったスニーカーで知られるイタリアの「ダーミ」。カラーサンプルから好みの色を選んでパターンオーダーすることができる。
ワニ革を使ったスニーカーで知られるイタリアの「ダーミ」。カラーサンプルから好みの色を選んでパターンオーダーすることができる。

パターンオーダーのコーナーに続く目玉が、シューケアカウンター。イセタンメンズのスタイリストが常駐するそのカウンターはケアグッズを揃えるのみならず、シューシャインのサービスも行う。同コーナーで購入した靴であれば無料。客が来店の時間が取れない場合は、着払いの宅配にも応じる。

シューケアカウンター。シューシャインのサービスは随時行なっている。また、シューツリーやシューケアグッズも幅広く揃っている。
シューケアカウンター。シューシャインのサービスは随時行なっている。また、シューツリーやシューケアグッズも幅広く揃っている。

ビスポーク(オーダーメイド)や既製靴も、さらに充実を図っている。前者には「ヨウヘイ フクダ」、「大塚製靴」に加え、トランクショーでおなじみだった、銀座を拠点とする靴職人・高野圭太郎のブランド「クレマチス」が常時展開。後者には「ガジアーノ&ガーリング」、「サンクリスピン」が名を連ねた。

常時展開するビスポークとして新たに加わった「クレマチス」のオーダーサンプル。グラマラスなシェイプと、クラシックをベースとしながらも個性的なスタイルが特徴だ。
常時展開するビスポークとして新たに加わった「クレマチス」のオーダーサンプル。グラマラスなシェイプと、クラシックをベースとしながらも個性的なスタイルが特徴だ。
新たに導入された、オーストリアのシューズブランド「サンクリスピン」。ルーマニアの靴職人たちによってつくられる靴は、ハンドワークが多く盛り込まれ、クラフツマンシップが強く感じられる雰囲気だ。
新たに導入された、オーストリアのシューズブランド「サンクリスピン」。ルーマニアの靴職人たちによってつくられる靴は、ハンドワークが多く盛り込まれ、クラフツマンシップが強く感じられる雰囲気だ。

「紳士靴を愛する人々のサロンのような空間に」という意気込みのもと、完成されたこのハイエンドコーナーでは、ドリンクの振る舞いや携帯電話の充電サービスなど、顧客に向けたうれしいサービスも。靴好きなら一度といわず、二度三度と訪れたくなる空間だ。

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PHOTO :
Takao Ohta
WRITING :
Kei Takegawa