ゴーヤチャンプルー、沖縄そば、ラフテーなど沖縄料理にはたくさんのおいしい料理がありますよね。飲食店はもちろん、ときに自宅のメニューとして登場することも。

そんな沖縄料理には、知られざるトリビアがあったのをご存知でしたか? 知らなくてもいいけれど、知っていると沖縄料理がぐんとおいしくなったり、存分に楽しめたりする、そんな沖縄料理の食べ方トリビアをご紹介します。

定番の沖縄料理の食べ方トリビア4つ

まずは沖縄の定番料理の食べ方にまつわるトリビアから!

■1:ゴーヤチャンプルーはゴーヤをおいしくする食べ方だった!

ゴーヤチャンプルーはゴーヤをおいしくする食べ方だった!
ゴーヤチャンプルーはゴーヤをおいしくする食べ方だった!

ゴーヤチャンプルーとは、農林水産省の公式ページの解説によると「豆腐といろいろな食材を炒めた料理」のことだそう。「チャンプルー」とは沖縄の方言で「ごちゃまぜ」という意味。ゴーヤといえば苦みが特徴ですが、野菜ソムリエ中沢るみさんの『野菜の新常識 体にいい食べ方はどっち!?』(扶桑社)によれば、ゴーヤチャンプルーのようにゴーヤを卵や油などと一緒に炒めると、苦みがコーティングされて和らぐのだそう。ゴーヤチャンプルーの多くは卵が使われているため、まさにゴーヤをおいしく食べるための、理にかなった料理法だと指摘されています。ゴーヤチャンプルーは、ゴーヤの苦みがちょっと苦手な方にぴったりの食べ方といえそうです。

ゴーヤ
ゴーヤ

■2:沖縄そば(ソーキそば)の食べ方マナーは?汁は飲み干すべき?

沖縄そば(ソーキそば)の食べ方マナーは?汁は飲み干すべき?
沖縄そば(ソーキそば)の食べ方マナーは?汁は飲み干すべき?

続いては沖縄そば。沖縄を拠点にマナーコンサルタントとして活躍中の新田純子さんによると、沖縄そばにも食べ方マナーがあるそうです。そばの汁は飲み干すべきかどうかも気になります。

「沖縄料理店では、テーブルにそば用の小瓶に入った調味料が用意されていることが多いです。これは、『コーレーグース』という名の、唐辛子を泡盛につけた辛味付けの液体調味料です。お好みでおそばにかけていただきますが、これを大量にかけてしまうと、泡盛の薫りが周囲のお客様にまで漂ってしまいます。特にお昼に沖縄そば店を選んだ場合は、仕事に戻る周囲の方々や食事をしている相手に対しても気を配り、楽しく沖縄そばを召し上がっていただきたいと思います。

沖縄そばの汁は、鰹と豚からとった、あっさりしたスープが主流です。最後まで味わって飲み干しても良いですし、汁を残してもマナーに反することはありません」

コーレーグース
コーレーグースの一例

■3:ラフテーは豚のどの部位?

ラフテーは豚のどの部位?
ラフテーは豚のどの部位?

続いては、ラフテー。豚の角煮に似ていて、とても人気のメニューでもあります。そもそもどの部位なのでしょう? 豚肉系の食べ方マナーも新田さんに教えていただきましょう。

ラフテーは豚バラ肉のブロック
ラフテーは豚バラ肉のブロック

「沖縄豚肉料理には、テビチ、ラフテー、チマグー、ソーキなどがあります。方言の料理名からこんがらがってしまいますが、これらの一番の大きな違いは、使われるお肉の場所、部位の違い。テビチはすねの部分、ラフテーは豚バラ肉ブロック、チマグーは足の甲、ソーキはリブ、つまりあばら部分です。それぞれの味わいがありますので、ぜひ一度すべてのメニューを試してみてください。

骨つき豚肉は、手で骨部分を持って片手、または両手で食べます。おしぼりを余分にいただくのもよいでしょう。あらかじめ、自分で携帯用のウェットティッシュを準備しておくのもおすすめです」

テビチ
テビチ

■4:海ぶどうのプチプチ感を長持ちさせるには?

海ぶどうのトリビア
海ぶどうのトリビア

プチプチとした食感が人気の海藻、海ぶどう。お刺身と一緒に、サラダに添えるなどのほか、海ぶどう丼なども沖縄では人気です。新田さんによると、この海ぶどうをお土産に持ち帰るときのちょっとしたトリビアがあるそうです。

「近年は、パック詰めされた海ぶどうを本土へお土産として購入する方も多いです。お土産として、お世話になっている方にお渡しする場合、新鮮な状態でおいしく召し上がっていただきたいもの。早めにお渡しすることが何より一番ですが、保管する場合は、冷蔵庫には入れず、常温で保管することをおすすめします。海ぶどうならではの、あのプチプチ食感が長持ちします」

沖縄の大衆食堂は驚きの連続?知られざるさらなるトリビア2つ

沖縄の大衆食堂のトリビア
沖縄の大衆食堂のトリビア

続いては、沖縄の大衆食堂のトリビア! 新田さんはふたつのビックリを挙げてくれました。

■5:沖縄の大衆食堂はセルフサービスが多い!

「地元の方が昔から利用している沖縄の大衆食堂。最近は、観光客の方々の姿もよくみられます。安くて、ボリューム満点、栄養バランスも良し! 野菜や豆腐が多く使われているメニューも充実し、大変人気です。赤と黄色の沖縄独特のお箸『ウメーシ箸』を置いている大衆食堂も多くあります。

この大衆食堂ですが、入店し、席で座って待っていても、オーダーを取りに誰も来ないですし、お水やお茶も出てきません。実は、ほとんどが食券販売機で券を買い、店員さんに出してオーダーをする仕組みなのです。お水、麦茶、アイスティーもセルフサービスがほとんど。これは覚えておきましょう。また、なぜか沖縄の食堂にはアイスティーのセルフサービスがある店が多いのも不思議なものです」

■6:沖縄の「ちゃんぽん」は麺類ではない?

沖縄ちゃんぽん
沖縄のちゃんぽんの一例

「大衆食堂では、沖縄のちゃんぽんを出しているお店が多いです。ちゃんぽんと聞くと『長崎ちゃんぽん』のように、汁物や麺を想像しますが、出された沖縄のちゃんぽんにびっくりされる方や『私、これは頼んでないわ!』とおっしゃる方を実際に見たことがあります。

沖縄のちゃんぽんとは、実は麺ではなく丼もの。店によってはチャーハンそっくりな料理です。 野菜やお肉入りのチャンプルーを卵でとじ、それらをごはんの上に乗せたものが、沖縄のちゃんぽんなのです」

沖縄の料理は奥が深く、不思議なものが多いですね。また大衆食堂でのトリビアはぜひ現地で実際に確認したいところです。その土地の風習にのっとり、楽しくおいしく沖縄料理を味わいましょう!

新田純子さん
沖縄マナーコンサルタント、ヒロコマナーグループ ウイズ 沖縄エリア長、FAST MANNER(ファストマナー)沖縄 代表
(にった じゅんこ)沖縄県生まれ。那覇市在住。中学、高校時代を東京で過ごしたのちアメリカに渡りcollegeを卒業。帰国後、講師業として活躍する中、マナーの重要性に気づき、マナーコンサルタント 西出ひろ子の真心マナー®︎に感銘を受け、直接指導を受けたのち師事。現在、沖縄を拠点に、沖縄の良さやマナーに『真心マナー®︎』を融合させ、観光客や地元企業・学生たちに役立つマナーを発信中。沖縄料理や沖縄ならではのファッションのマナーをはじめ、インバウンド対応のおもてなし・接客マナーや、英会話、ビジネスマナーや各種テーブルマナー・食べ方のマナー講師・マナーコンサルタントとして世界に向けて活躍中。

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この記事の執筆者
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WRITING :
石原亜香利