色重視のデザインが「カボションカット」を広く世界へ

斬新なデザインを生かす、大胆なカラーコンビネーションとボリューム感。それこそが、イタリアの名門ジュエラー「ブルガリ」の最たる魅力といえます。

ブルガリがその揺るぎないスタイルを確立したのは、1950年代から’60年代にかけてのことでした。当時、パリではイヴ・サンローランやピエール・カルダンによる前衛的なファッションが登場。ブルガリはそんな時流を捉え、斬新なクリエイションで宝飾界の常識を、瞬く間に覆してしまったのです。その革新性は、宝石のセレクトに最も色濃く表れていました。

’50年代、独自の色彩美を表現しようとしたブルガリは、まずカラーサファイアをその素材に選びます。当時のジュエリーはダイヤモンドのほか、3大貴石と呼ばれるルビー、エメラルド、サファイアでほぼ構成されていました。ブルガリも当初はその慣習に従ったものの、’60年代に入ると、さまざまな宝石に着目。アメシスト、トルマリン、ターコイズなどを積極的に用いるようになりました。そんな従来の価値観にこだわらないジュエリーは、世界にセンセーションを巻き起こします。

そもそも「貴石、半貴石」という呼称も区別も、宝石学にはありません。エメラルドの横にトルマリンやアメシストがあって何がいけないのでしょう? ブルガリは、そんな疑問を無邪気に一蹴してしまったのです。

そして、その色彩美の完成に大きな役割を果たしたのが「カボションカット」でした。それは表面にファセット(カット・研磨された面)をつけず、ドーム状に研磨しただけのカットで、一般的に半透明から不透明の宝石に施されます。光の反射は表面だけですが、そのぶん色が生かせるため、ブルガリは’30年代からこのカボションカットを取り入れてきました。

今日、「宝石の魔術師」と讃えられるブルガリ。どんな宝石もその手にかかると、まるで魔法にかけられたように魅力を増していく…。それを可能にしているのは、宝石への深い理解と愛にほかならないのです。


宝石の魅力を知り尽くした、ブルガリスタイルの真骨頂。ネックレス「ワイルドポップ」

ネックレス「ワイルドポップ」[素材:エメラルド 計106.63ct・トルマリン 計117.19ct・アメシスト 計12.91ct・ダイヤモンド 計19.08ct・ピンクゴールド]予定価格¥192,370,000(ブルガリ ジャパン)
ネックレス「ワイルドポップ」[素材:エメラルド 計106.63ct・トルマリン 計117.19ct・アメシスト 計12.91ct・ダイヤモンド 計19.08ct・ピンクゴールド]予定価格¥192,370,000(ブルガリ ジャパン)

原石の形を生かして研磨されたエメラルドとピンクトルマリンが連なる、極めてブルガリらしいネックレス。

エメラルドは深みのある緑色が特徴的なアフリカ・ザンビア産で、原石に丸みを帯びたものが多く、それがデザインに生かされています。ピンクトルマリンとの対比が目にも鮮やか。カボションカットのアメシストが、鮮烈なカラーコンビネーションにさらなる彩りをもたらします。

また、このデザインにおいて、ダイヤモンドはカラーストーンに光を添えるための完全な脇役に。ハイジュエリーの真価は宝石の価値だけにあるのではないことを、ブルガリは教えてくれるのです。

  • Close UPネックレスのクラスプ部分にも大粒のピンクトルマリンがセットされ、鮮やかな光彩を放ちます。見えないところにこそ贅を尽くすのが、ハイジュエリーの流儀。また、それは身につける女性だけが知る楽しみでもあるのです。
  • Lookジュエリーはそれをまとう女性の体にフィットし、ともに動くことで光を反射して、その魅力を増していきます。だから、しなやかさもハイジュエリーに欠かせない条件のひとつ。熟練の職人の手によるこのネックレスのつくりも、驚くほどしなやかです。

絵画のような色彩をまとった、ブルガリ伝統の花モチーフのイヤリング&リング

イヤリング[素材:トルマリン 計8.51ct・アメシスト 計3.50ct・ペリドット 計4.34ct・ダイヤモンド 計1.67ct・ピンクゴールド]予定価格¥7,850,000・リング[素材:ルベライト&トルマリン 計16.29ct・アメシスト 7.19ct・ペリドット 9.26ct・ダイヤモンド 計1.43ct・ピンクゴールド]予定価格¥10,470,000(ブルガリ ジャパン)
イヤリング[素材:トルマリン 計8.51ct・アメシスト 計3.50ct・ペリドット 計4.34ct・ダイヤモンド 計1.67ct・ピンクゴールド]予定価格¥7,850,000・リング[素材:ルベライト&トルマリン 計16.29ct・アメシスト 7.19ct・ペリドット 9.26ct・ダイヤモンド 計1.43ct・ピンクゴールド]予定価格¥10,470,000(ブルガリ ジャパン)

ひと目でブルガリとわかる、鮮麗な色彩とグラフィカルなフラワーモチーフ。

カボションカットのカラーストーンは、一般的な価値よりも、すべて色のコンビネーションにこだわったうえでのセレクト。選ばれたのは、ピンクの濃淡のトルマリンとそれに調和する赤みの強いアメシスト、そしてアクセントに加えられたイエローグリーンのペリドットです。

宝石のインクルージョン(内包物)までもが、絵画のような美しさを演出しています。


まさに「石畳」を彷彿させる、原石を生かしたブレスレット

ブレスレット[素材:アメシスト 計223.45ct・ペリドット 計180.53ct・ガーネット 計21.11ct・ダイヤモンド 計5.03ct・イエローゴールド]予定価格¥27,480,000(ブルガリ ジャパン)
ブレスレット[素材:アメシスト 計223.45ct・ペリドット 計180.53ct・ガーネット 計21.11ct・ダイヤモンド 計5.03ct・イエローゴールド]予定価格¥27,480,000(ブルガリ ジャパン)

ローマと南イタリアを結ぶ古代ローマ時代につくられた「アッピア街道」。その美しい石畳にインスピレーションを得てデザインされたブレスレットです。アメシストとペリドットは、原石の形を可能なかぎり生かして研磨されています。

その大胆なデザインもさることながら、注目すべきは石留めの高度な技術です。フォルムが異なる石すべてに対して金属枠をつくり、最適な位置で爪留めしていく技術は、まさに世界随一。果実のようなマンダリンガーネットとダイヤモンドが、街道に降り注ぐ太陽の光を思わせます。

  • Backside素晴らしいジュエリーは裏側も素晴らしい! 宝石の形に合わせた枠が美しく並ぶブレスレットの裏側。また、宝石はカボションカットでありながら、裏面も完璧に研磨されています。これは、石の重量より美しさにこだわるトップジュエラーならではの仕事です。

【High Jewelry Column】独自の「色彩マジック」は、この女性から生まれる!

ブルガリ・ファミリーしか手がけてこなかった宝石の買い付けを担当し、それを壮麗なジュエリーへと昇華させるルチア・シルヴェストリ。類いまれな宝石を求めて世界を飛び回る彼女は、「どんなジュエリーになるか思い描けるときだけ宝石を買い付ける」と言います。まさに知識とクリエイティビティを要する仕事をこなすルチアは、独創的な宝石のコンビネーションをこれまでにも数多く生み出してきました。そして、この先もそれを進化させる重責を担っているのです。

ルチア・シルヴェストリ
ブルガリジュエリー・クリエイティブ&ジェム・バイイング エグゼクティブディレクター
宝石に魅せられ、18歳でブルガリのジェモロジー・センターに入社。知識と経験を積み、2013年、現職に就任。

※掲載した商品の価格は税抜です。

問い合わせ先

PHOTO :
小野祐次
EDIT&WRITING :
福田詞子(英国宝石学協会 FGA)