プラダが本格的にメンズ・コレクションを開始したのは、1995年秋冬。このスーツは、「プラダ ウォモ」がデビューしてから3年後の脂が乗ったモデルで、当時、 私がイタリア・ミラノに在住していたとき、モンテナポレオーネ通りのプラダショップで手に入れた。鮮烈なミニマルスタイルで、まさしくプラダが世界中で大ブレイクしていたころだ。

プラダの意外な超絶的ナポリ仕立て

渋く色気があるネイビーストライプ

伝統的なナポリの仕立てを採用していることにイタリアのトップブランドの底力を感じる

ショップに並んだスーツのなかから、真っ先に触発されたのは、 クラシックなスタイルの細身のデザイン。やや起毛されたウール素材のネイビーストライプは、クラシックなスーツにぴったりと合っていた。

ちょうど、ナポリからミラノに移り住んで間もないころだったため、肩周りのつくりやパンツのポケットにナポリ有数のサルトリアを彷彿させる、超絶な仕事にやられてしまったのだ。

絶妙な全体のバランス

随所にナポリ伝統のディテールが満載。今見るとパンツはすそ幅21㎝とほんの少し太めだが、当時はそれでも細く感じられ、モードブランドならではのバランス感に、ファッションプロたちはうなった

クラシックの真髄をついた生地は、男服のツボをしっかりと押さえている。

名品DATA
1998 - 99の プラダの秋冬コレクションで発表された一着は、モードブランドの既成概念を覆す、このクラシックさ……。伝統的なナポリ仕立てのスーツに小ぶりの襟のストレッチシャツを合わせたプラダ流のスタイリングが、当時のセンスにこだわる男たちに衝撃を与えたのは、記憶に新しい。●ファッション編集者・矢部克已氏私物

※2011年夏号取材時の情報です。

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名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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