ミラノではGUCCI(グッチ)の「ビットローファー」ブームが再来

「『ビットローファー』は、メンズファッションでは今シーズンの裏テーマ的存在として、人気が急上昇しているアイテムのひとつです」と、スタイリストの大西陽一さん。「それも、シャープなシルエットというよりも、先端がラウンドしている、’80年代を思わせるスタイルのものが人気を呼んでいるんです」。そのメンズファッションを受けてか、女性にも「ビットローファーブーム」は浸透しているとも。

今回は、大西さんがミラノで発見したGUCCI(グッチ)のビットローファー愛用者のストリートスナップを見ながら、トレンディな着こなしを読み解いていきましょう。

ビットローファーで「ドレスダウン」が最先端!?

日本のストリートでは、グッチのシューズといえば、引き続きスリッパタイプが人気を博していますが、ミラノのストリートではビットローファー支持率が高いのだとか。「’80年代のリバイバルを感じます」と大西さん。では、実際にその着こなしを見ていきましょう。

■派手めジャケットを洗練させる「引き算」テクニック

タウンよりにドレスダウンさせる熟練のテクニック
タウンよりにドレスダウンさせる熟練のテクニック

インパクトあるジャケットに着られないためには、やっぱりファッション経験値が必要ですよね。「こちらのマダムは、程よいオーバーサイズ感とか、ブラックでコンパクトにまとめたボトムスとか、おしゃれの引き算をマスターした着こなしが素晴らしいんです。ドレスシャツやヒールを選ばず、あえて白Tとローファーでドレスダウンしている。この感覚は、おしゃれを楽しんで着た大人女性だからこそできるテクニックですよね」。

■カジュアルに着崩す最先端の「ベージュ×ブラック」配色

フラさを強調する最先端のシルエット
フラさを強調する最先端のシルエット

こちらの女性は、モード系のトレンド配色として注目されている「ベージュ×ブラック」の着こなしを、あえてカジュアルダウンさせています。「ヒール靴を合わせてエレガントにまとめがちなところをビットローファーで崩す、その感覚が新鮮ですね。ストリート過ぎるスニーカーを選ばずビットで気品を保つ、そのギリギリのバランス感覚も見応えがあります」。

ミラノマダムたちが素敵に見えるのは、世界のトレンドをストレートに取り入れるのではなく、自分たちらしい解釈に落とし込んでいるところにあるのかもしれません。

「ブランド発信ではなく、ストリート発信でトレンドが生まれていく、それこそが、ミラノという街の面白いところです。今年はぜひ、靴箱のなかで眠っているヴィンテージシューズを取り出して、ダサかわいいトレンドを楽しんでみてください!」。

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この記事の執筆者
『メンズプレシャス』創刊時から携わる、ファッションスタイリスト。年2回行われる、メンズファッションの国際展示会・ピッティ ウオモやミラノ コレクションに行くなかで、気づけばストリートスナップの撮影がライフワーク化!? 最近では、男性目線で紐解く「ヨーロッパの素敵なマダム」の着こなし分析に夢中。
PHOTO :
大西陽一
EDIT&WRITING :
石原あや乃