みなさんはおにぎりを食べるとき、海苔はパリパリ派ですか? それとも、海苔はしっとり派ですか? 巻きたての海苔のフレッシュな香りと食感を楽しむのか、ごはんと海苔が一体化した、手作りならではしっとり感を味わうのか。

それぞれに魅力があるので、一概にどちらがベスト!とは選べないですよね。ただ、食感が違うということは味にも影響するということ。おにぎりをおいしくしてくれるのは、一体どちらの巻き方なのでしょうか。今回調査してみたところ、意外な事実がわかったので、お伝えしたいと思います。

おにぎりの海苔はパリパリorしっとり、どちらがおいしいのかを調べてわかった新事実

■ 芸能人ではしっとり派が多数だが、世間ではパリパリ派に熱い支持が集まる!

以前放映された、フジテレビ系『ホンマでっか!?TV』でもこのテーマが取り上げられ、出演の明石家さんまさんや、マツコ・デラックスさん、磯野貴理子さんなどしっとり派が多数という結果になりました。

では実際に世の中ではどちらが多いのか調べてみると、意外な結果が明らかになりました。ニュースサイト『しらべぇ』の調査によると、全国の20代〜60代の男女1,342名のうち55.7%がパリパリ派だということがわかったのです。

とくに近畿地方では63.6%、九州・沖縄地方では67.8%とパリパリ派による圧勝。食べる直前にご飯に海苔を巻くタイプのおにぎりの方が、新鮮さや食感を求める人たちから熱い支持を受けていることが判明しました。

■コンビニのおにぎりはしっとりの方がやや多い、という意外な事実が明らかに

『セブンイレブン』公式ウェブサイトより
『セブンイレブン』公式ウェブサイトより

しかし、コンビニのおにぎりは後で海苔を巻くパリパリタイプのものをイメージしがちですよね。どちらが多く販売されているのか調べてみると、意外な事実が明らかになりました。

なんと、農林水産省が2016年に行った調査によると、海苔を巻くタイプのおにぎり56商品のうち、パリパリの「後巻きタイプ」が27商品。一方、初めから海苔が巻いてある「直巻きタイプ」が29商品と、実はしっとりが多いということがわかったのです!

たった2商品の差ではありますが、ご飯にあらかじめ海苔が巻かれているタイプのおにぎりの方が、コンビニ業界では人気の様子。後巻きは手間がかかるので、小さい子どもやお年寄りはうまく扱いにくいもの。そのため、直巻きの方が流通しているのかもしれません。

■人気料理家がつくるおにぎりの海苔は、パリパリもしっとりもどちらも存在!

つづいて、人気料理家さんたちのおにぎりを検証してみましょう。

まずは、パリパリ派。おにぎりケースもプロデュースしている栗原はるみさんのおにぎりは、食べるときに海苔を巻くスタイル。湿気を防ぐために、海苔をアルミ箔で包んで持参するとよいのだとか。

そして、しっとり派は小林カツ代さん。小林さんのおにぎりのレシピは色々ありますが、一番シンプルなものは、絵で描いたような三角おにぎりの下に小さな海苔が下からちょこんと巻いてあるもの。さすが家庭料理のカリスマ。子どもの頃、お母さんがつくってくれた懐かしさを感じます。

■専門店のおにぎりの海苔はパリパリとしっとりのハイブリッド型だった

それでは最後に、東京のおにぎり人気店の海苔がパリパリかしっとりか見ていきましょう。

以前に本サイトでもおいしいおにぎりの作り方を教えてくれた、大塚にある人気店『ぼんご』は、温かいご飯をその場でおにぎりにし、パリパリの海苔で巻くスタイル。海苔は厚すぎず、薄すぎず、しっとりしても歯切れのよいものを選んでいるそう。これならパリパリ派もしっとり派も、満足できますね。

『ぼんご』公式ウェブサイトより
『ぼんご』公式ウェブサイトより

また、『おひつ膳 田んぼ』もホカホカのご飯をパリパリの海苔で巻くタイプ。ご飯の温かさで徐々に海苔がしっとりしてくる感じを楽しむことができます。

『おひつ膳 田んぼ』公式ウェブサイトより
『おひつ膳 田んぼ』公式ウェブサイトより

そして東京で一番古いおにぎり専門店『おにぎり浅草宿六』の海苔の巻き方は特徴的。片方だけに海苔が巻かれ、もう片方は海苔がそのまま立っているような状態。これにより、しっとり感とパリパリ感どちらも楽しむことができるのだとか。

『おにぎり浅草宿六』公式ウェブサイトより
『おにぎり浅草宿六』公式ウェブサイトより

つまり、人気店ではパリパリとしっとりのよさをあわせ持った、ハイブリッド型おにぎりが存在していたのです! 確かにこれなら、どちらの勢力も大満足できます。おにぎりの海苔の場合、「きのこの山・たけのこの里」のような派閥争いをする必要は、なかったのです。

実際に食べると、パリパリ海苔の後にしっとり海苔が口に入る微妙な食感の違いが楽しくて、いくらでも食べられます。ぜひ家庭でつくる際も、参考にしてみてください。

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WRITING :
平野鞠