昭和天皇が愛用した眼鏡である。あまたある御用達のなかでも、最も権威ある名品と言えよう。「村田眼鏡舗」の前身は、江戸時代以前より京都御所に出入りを許された御用鏡師だった。宮内省御用達が確立するはるか前から、皇室とは浅からぬ縁で結ばれていた歴史がある。

日本の眼鏡のパイオニアである「村田眼鏡舗」

明治の文豪や政界の重鎮たちのキャラクターをもつくったオーダーメイドの丸眼鏡

●1615年創業●宮内庁御用達/日本の眼鏡業界の先駆者的存在の「村田眼鏡舗」の代表作、『一山穴明先縄(いちやまあなあきさきなわ)』と名づけられた丸眼鏡。今ではつくれる職人もごくわずかに限られているため、完全オーダーメイド制。ちなみに、「一山」とは、鼻当てのない眼鏡のこと。「穴明」とは、レンズに穴を開けてつくるところから使われている専門用語。そして、「先縄」とは、耳にかけるツルの部分が、縄状に編まれていることに由来。※参考商品
●1615年創業●宮内庁御用達/日本の眼鏡業界の先駆者的存在の「村田眼鏡舗」の代表作、『一山穴明先縄(いちやまあなあきさきなわ)』と名づけられた丸眼鏡。今ではつくれる職人もごくわずかに限られているため、完全オーダーメイド制。ちなみに、「一山」とは、鼻当てのない眼鏡のこと。「穴明」とは、レンズに穴を開けてつくるところから使われている専門用語。そして、「先縄」とは、耳にかけるツルの部分が、縄状に編まれていることに由来。※参考商品

時は過ぎて江戸末期。西洋から日本に伝わった舶来品のひとつに眼鏡があった。そのレンズ研磨に端を発する、眼鏡製作の工房としての道を、御用鏡師だった「村田眼鏡舗」の先達が歩んだのも宜なることだった。

眼鏡は元来、ファッション性よりも、医療器具としての側面がクローズアップされるべきものだ。レンズの精度とかけ心地を追求する技術において、往時の御用鏡師としての技量が、大いに発揮されたことは想像に難くない。

一山フレームというシンプルにして質実剛健なオリジナルのデザインは、数百年に及ぶ皇室との繫がりが生み出した、究極の機能美と言えるだろう。

BRAND STORY

細心の心配りと最高の技術で日本の眼鏡の歴史を築く江戸時代以前から、京都御所や将軍家の御用鏡師して重用された後、明治5年に11代目長兵衛が、日本で最初の眼鏡専門店を日本橋室町に開業。シックな雰囲気の店内で、じっくりとオーダーメイドの贅沢を堪能したい。
細心の心配りと最高の技術で日本の眼鏡の歴史を築く江戸時代以前から、京都御所や将軍家の御用鏡師して重用された後、明治5年に11代目長兵衛が、日本で最初の眼鏡専門店を日本橋室町に開業。シックな雰囲気の店内で、じっくりとオーダーメイドの贅沢を堪能したい。

※2011年春号取材時の情報です。※価格は税込みです。

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
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