ポイントは3つ! これさえ押さえておけばミュージカルが100倍楽しくなる!

世界一有名な特撮映画キング・コング

現代のようなCG技術がない時代、巨大なゴリラが街を暴れまわる姿に当時の観客たちは驚かされた。動きはチープであるが特撮の歴史はこの作品から始まったと言えるだろう。写真:Getty Images

【ポイント1】観劇予定の方は予備知識を仕入れないことをオススメ

 予想以上の「驚き」が、この舞台の最大の魅力。なので、もうすでに公式アカウントも含め複数の動画すらネットに上がっている現状だが、とにかく予備知識なしにご覧になるのがいちばん。多少知っていても驚くことは間違いないが、知らないに越したことはない。

 チケットを予約したら、観劇の時まで、ひたすら『キング・コング』情報はシャットアウトして過ごしましょう。このページも、これ以上読まないこと。

【ポイント2】1933年のオリジナル映画は一度は観ておいた方がいい

『キング・コング』のミュージカルが作られてブロードウェイにやって来るという情報を聞いた時に、まず思ったのが、こいつはリアルな話になって来た、ということ。なぜなら、1933年の最初の映画版の、ニューヨークに連れてこられたキング・コングが劇場の舞台で鎖につながれている姿が、強く記憶に残っていたからだ。

 そのイメージを軸に、話の流れは基本、最初の映画に沿っている。なので、映画版を知っていると、あそこをこう表現するか! という驚きが加わって楽しさが増す。1933年版映画は、ぜひとも事前に観ておきたい。

【ポイント3】操作の基本が人力だとわかってからが見もの

 これはネタバレだが、キング・コングは案外早く姿を現す。そして、コングの細かい操作は基本人力であることがわかってくる。周辺に黒子が何人もいて、ロープを使って動かしているのだ。

 それがわかってからが、また面白い。その黒子自身の躍動的な動きが、振付のあるダンスのように見えてくるからだ。終盤の彼らの活躍ぶりには拍手も起こる。

 途中からは、コングを操る黒子にも注目を。

 事前に明かせるのはこのぐらいか。

  • よく見ると歯がking kongの綴りになっている。ニューヨークの「キング・コング」の劇場前にて/筆者撮影 よく見ると歯がking kongの綴りになっている。ニューヨークの「キング・コング」の劇場前にて/筆者撮影
  • モノクロのシルエットでもキング・コングだとわかる、ビルボード/筆者撮影 モノクロのシルエットでもキング・コングだとわかる、ビルボード/筆者撮影

 ミュージカルとしての評価は、また別だが、舞台作品として、まず観て損はない。加えて言えば、懐に余裕があるなら前の方の席でどうぞ。驚き倍増です。

 上演日時および劇場は、Playbill(http://www.playbill.com/production/king-kong-broadway-theatre-2018-2019)でご覧ください。

 作品の公式サイトはこちら(https://kingkongbroadway.com/#subscribe)。ただし、事前情報多数ありなので、観劇予定の方はアクセス無用で。

この記事の執筆者
ブロードウェイの劇場通いを始めて30年超。たまにウェスト・エンドへも。国内では宝塚歌劇、歌舞伎、文楽を楽しむ。 ミュージカル・ブログ「Misoppa's Band Wagon」(https://misoppa.wordpress.com/)公開中。 ERIS 音楽は一生かけて楽しもう(http://erismedia.jp/) で連載中。
公式サイト:ミュージカル・ブログ「Misoppa's Band Wagon」