おしゃれ親子の代名詞的存在として世界中から注目されているのが、フランス・サン=モール=デ=フォッセ生まれの女優・歌手のVanessa Paradis(ヴァネッサ・パラディ)と、その娘でモデルのLily-Rose Melody Depp(リリー=ローズ・デップ)のふたりです。

お互いに影響し合っているのでしょうか、着こなしに似通ったところがあるものの、微妙にアレンジが異なっています。世代の違うふたりのスタイリングは、それぞれのジェネレーションの着こなしとしても、親子のリンクコーデとしても参考にできそうです。

今回ご紹介する5アイテムそれぞれの着こなしパターンを通して、コーディネートのポイントをキャッチしてみてください。

世界中が注目!有名親子のリンクコーデがおしゃれすぎると話題

■1:親子だからこそ叶えられる「色」を巧みに操るリンクコーデ

ヴァネッサ・パラディとリリー=ローズ・デップの着こなし
カラートーンを合わせて、親子らしい見え具合を演出

まとう色の種類をそろえると、ペアの親しさを印象づけられます。ヴァネッサとリリーはまるで示し合わせたように、グレーとブラックを基調にした、ベーシックカラーでまとめました。ペアルックにならないようトップスとボトムスの色を入れ替えて、絶妙にずらしながらスタイルに動きを出す、考え抜かれた親子コーデです。

ヴァネッサは、エレガントなノーカラージャケットを肩掛けに、パンツ裾はブーツインしてラフなムードにまとめています。一方、リリーはスポーティーなブルゾンにジョガーパンツをセット。どちらも適度にアクティブ感を盛り込んだ、見事なテイストミックスに整えています。

■2:「オーバーサイズアウター×スリムボトムス」の黄金比でスタイルアップ

  • 着ぶくれを防ぎ細感を引き出すアウターの「肩掛け」テクニック
  • ボリュームアウターとのコントラストで引き締め効果を発揮する「黒タートルネック」

ビッグトレンドになっている、ジャストサイズよりもひと回り大きい「オーバーサイズ」のアウターは、華奢感を引き出すのが上手な着方になります。おしゃれ親子のふたりも取り入れているもよう。

ヴァネッサは、キルティング加工を施した黒のブルゾン風アウターを肩から掛けて大人っぽく。それに対して、リリーは白のボリューミーなダウンジャケットで愛らしい装いにまとめました。どちらも黒のスキニーパンツで腰から下を引き締めて、メリハリあるスタイルを強調しています。

オーバーサイズのアウターでビッグシルエットを描き出して、ボトムスはスキニーで細感を印象づけるという「スタイルアップの鉄則」をしっかり守った合わせ方です。

■3:スエードジャケットで体現する最先端の「ヴィンテージトレンド」

  • タフなブーツでマニッシュなこなれムードを演出
  • 白スニーカーでフレッシュ感をプラス

ヴィンテージ感を装いに取り入れるのは、今の大きな流れになっています。ファッションリーダーのふたりも、早速披露してくれました。

ヴァネッサは古着風のスエード素材のジャケットをシャツの上からはおり、メンズライクな雰囲気をまといました。ボトムスにはブラックデニムを合わせて全体をシックなトーンでまとめることで、経験値の高さをさりげなくアピール。いい具合に力の抜けた、大人の実力を感じさせるコーディネートといえます。

リリーも、母同様に古着風のスエード素材のジャケットにトライ。ブルーデニムに白スニーカーをセットして、若々しく軽快な印象を強めました。レトロなチェーンバッグやスカーフなど、ほんのりエレガンスを薫らす小物選びで、装いをアップグレードさせています。

■4:十人十色の着こなしを楽しめる「ジーンズマジック」

  • ベストを組み込んで凜々しい着映えに仕上げました
  • ヒール付きブーツを選び、足元をシャープに見せています

ジーンズを普段着風に見せないスタイリングは、セレブリティーが好むアレンジテクニックです。ふたりも、それぞれのスタイルに合ったコーディネートを楽しんでいるようです。

ヴァネッサは燕尾服(えんびふく)のようなロング丈コートで、ラフなムードのジーンズ姿をドレッシーに格上げ。エレガントになりすぎないよう、コートの前を開けて、さりげなくウォッシュドデニムをのぞかせる気遣いはさすがです。さらに女性らしさを薫らせるネックレスを重ねて、バランスを整えています。

一方、リリーは「デニム・オン・デニム」のコーデでアクティブなムードに。デニムジャケットは少し色落ちさせたタイプを、ジーンズは濃いインディゴカラーのものを選ぶなど、意識的にカラートーンを変えることで、腰から下が引き締まって見える効果があります。上級者ならではの着こなしテクニックで、母と並ぶセンスを放ちました。

■5:着膨れ知らずの「ブラックルック」を切り札に!

  • 縦落ち感を印象づけるボリュームネックレス
  • シャネルのイエロー系バッグがアッパー感をアピール

上下を黒で統一する「ブラックコーデ」は、シャープな印象に仕上げたいときの切り札的チョイスといえるでしょう。かさばりがちな冬にうれしい、着ぶくれとは無縁の「クール&シック」な装いは、今すぐマスターすべきスタイルのひとつです。もちろん、ファッションプロのふたりも注目しています。

ヴァネッサは、落ち感のあるブラックカラーのアウターをメインに選出。ショートブーツにパンツ裾をインして、スレンダー感を引き出しています。目を引く胸元のボリュームネックレスもスタイルアップにひと役買っています。

リリーは、トレンドが続くスポーティーな「アスレジャー」風のスタイリングで。襟元から流した白のドローストリングスがブラックカラーをいっそう引き立てて、モノトーンルックに軽快なムードを添えました。

今回は、世界中が注目するファッションリーダー親子、ヴァネッサ・パラディとリリー=ローズ・デップの、「どこか似たスタイル」にフォーカスしました。さすがのコーデ術を見せてくれたふたりですが、同じようなアイテムを選んでも、それぞれのムードやジェネレーションに合ったアレンジ術で、似ているようで似ていない、独自のスタイルを確立していることがわかりました。

共通しているのは、どのアイテムを軸に据える場合でも、全体を同じムードにそろえすぎないで、適度にムードをずらすのがふたりのうまさ。新トレンドをさりげなく取り入れるのも、盗みたいテクニックです。

着こなしにキャッチー感がプラスされるので、重たく映りがちな冬ルックが華やいで見えます。自分らしさを忘れないふたりの着こなしを参考に、自分好みのマイスタイルを掘り下げてみては。

関連記事

この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃