ミシュラン1ツ星に輝くフランス人シェフが惚れ込む宇都宮の酒蔵

近年、欧米で飛躍的な躍進を遂げている日本酒市場。特にフランスでは、一過性のトレンドを超え、食中酒としての人気が定着しつつあるといいます。多くのシェフがSAKEに大きな関心を抱く現地のフードシーン。南仏・アルルで9年連続ミシュラン1ツ星を獲得するレストラン「ラ・サシャニェット」のシェフ、アルマン・アルナル氏もSAKEに魅せられたシェフのひとり。

日本酒のなかでも、彼が惚れ込み、常に自身のレストランにオンリストしているのが「惣誉(そうほまれ)」。ベジタブルシェフを自称し、野菜を主役にした料理を得意とするアルナル氏をして「野菜とマリアージュする酒」と言わしめる日本酒をつくり出す、栃木・宇都宮の老舗酒蔵です。

フランスで初めて野菜だけのコース料理を生み出したフレンチの巨匠、アラン・デュカス氏のもとで6年間学び、2006年に「ラ・サシャニェット」のシェフに就任したアルマン・アルナル氏。2009年にミシュラン1ツ星を獲得し、現在(2018年)まで維持し続けています。
フランスで初めて野菜だけのコース料理を生み出したフレンチの巨匠、アラン・デュカス氏のもとで6年間学び、2006年に「ラ・サシャニェット」のシェフに就任したアルマン・アルナル氏。2009年にミシュラン1ツ星を獲得し、現在(2018年)まで維持し続けています。

明治5年(1872年)に創業した惣誉酒造。日々の晩酌から特別な席や贈り物まで、さまざまなシーンに寄り添う日本酒をそろえ、地元の人々に愛され続けています。

ほとんどが栃木県内で消費される一方、パリ屈指の名門ホテル「オテル・ドゥ・クリヨン」にオンリストされるなど、ヨーロッパをはじめアメリカや香港など海外でも高い評価を獲得。全国新酒鑑評会で15年連続入賞、うち金賞を8年連続で受賞と、国内でも確固たる地位を築く注目の存在です(※2018年現在)。

1872年に滋賀県から栃木県に移って以来、「地の酒に生きる」をモットーに、地酒造りに情熱を注ぐ惣誉酒造。蔵では自家精米から出荷まで一貫したものづくりが行われています。写真は2015年に新装した石蔵のゲストルームに陳列されている瓶たち。
1872年に滋賀県から栃木県に移って以来、「地の酒に生きる」をモットーに、地酒造りに情熱を注ぐ惣誉酒造。蔵では自家精米から出荷まで一貫したものづくりが行われています。写真は2015年に新装した石蔵のゲストルームに陳列されている瓶たち。

野菜がいきるフレンチと、味わい深い日本酒のマリアージュ

「深みのある香りと、きりっと立った酸味が自分の料理によく合う」と「惣誉」の酒を絶賛するアルマン氏。自身も愛飲していることから、彼が料理を監修する恵比寿のフレンチレストラン「メゾン プルミエール」で期間限定のペアリングディナーを開催することが決定しました。

ペアリングディナーの料理から、アミューズに続いて登場する前菜「甘エビのマリネとコンソメのジュレ カリフラワークリーム」。飲むほどに口のなかに米の味わいが広がる「特別純米酒 辛口」が、エビの甘みやコンソメの旨みにマッチします。
ペアリングディナーの料理から、アミューズに続いて登場する前菜「甘エビのマリネとコンソメのジュレ カリフラワークリーム」。飲むほどに口のなかに米の味わいが広がる「特別純米酒 辛口」が、エビの甘みやコンソメの旨みにマッチします。

師事したアラン・デュカス氏と同様、とことん野菜にこだわるアルナル氏。「ラ・サシャニェット」では自家菜園で200種類以上の野菜を栽培。毎朝畑へ出向き、吟味した野菜でその日の料理を創り出します。また、肉や魚介類についても地産地消を体現しているのが特徴。「レストランはローカルとハーモニーを奏でる場所」がアルナル氏の持論です。

近郊から仕入れた野菜を生かし、ヌーヴェル・プロヴァンス(アルマン氏が提唱する新しいプロヴァンス料理)を東京で表現しようとする「メゾン プルミエール」。野菜へのこだわりや地域性の重視など、アルナル氏の信念が隅々まで息づくレストランといえます。今回のペアリングディナーで提供するのは、「惣誉」が情熱を捧げる生酛づくり(江戸時代から続く伝統的な製法)をいかした味わい深い日本酒3種類と、全6皿の料理。

ペアリングディナーの料理から、メインの「ブレス産鳩のラケ スイスチャードのピューレとザクロ」。合わせるのは、生酛による深みと吟醸造りによるエレガンスを併せもつ「生酛仕込 純米大吟醸」。日本酒の芳醇な香りと余韻がコースをフィナーレへと誘います。
ペアリングディナーの料理から、メインの「ブレス産鳩のラケ スイスチャードのピューレとザクロ」。合わせるのは、生酛による深みと吟醸造りによるエレガンスを併せもつ「生酛仕込 純米大吟醸」。日本酒の芳醇な香りと余韻がコースをフィナーレへと誘います。

『酒米の王』山田錦を使い、「生酛ルネサンス」を掲げて、伝統的な製法に現代的な要素を加えて磨きをかける「惣誉」。丁寧に育てられた地元の野菜を使い、その味を最大限に引き出すためにフレンチの技法を生かす「メゾン プルミエール」。2019年1月末までの期間限定ペアリングディナーは、根底に共通点をもつ両者の個性が響き合う貴重なイベントといえます。SAKEでフレンチの新たな魅力を、また、フレンチで新たなSAKEの魅力が発見できる絶好の機会をお見逃しなく。

<ペアリングディナー提供メニュー>

料理 全6皿 ¥10,000(税抜)
・アミューズ
・甘エビのマリネとコンソメのジュレ カリフラワーのクリーム           
・大根のマリネとカネロニ 天然キノコのピクルス
・ホタテのグリル アンディーブのブレゼ 人参のピューレ
・ブレス産鳩のラケ スイスチャードのピューレとザクロ
・早生みかんとホワイトショコラのバシュラン

「惣誉」ペアリング 日本酒3杯 ¥3,000(税抜)
・特別純米酒 辛口
・ひやおろし 生酛 特別純米酒
・生酛仕込 純米大吟醸

フランス語で家を表す「メゾン」を店名に冠した「メゾン プルミエール」。モダンでありながら、ゲストが自分の家のようにゆったりと寛げる空間が特徴です。内装を手がけたのはパリを拠点に活動する気鋭のインテリアデザイナー、シャーロット・ビルゲン。曲線と優しい色使いに、洗練と温かみがやどります。
フランス語で家を表す「メゾン」を店名に冠した「メゾン プルミエール」。モダンでありながら、ゲストが自分の家のようにゆったりと寛げる空間が特徴です。内装を手がけたのはパリを拠点に活動する気鋭のインテリアデザイナー、シャーロット・ビルゲン。曲線と優しい色使いに、洗練と温かみがやどります。

【ペアリングディナー詳細】

 メゾン プルミエール with 惣誉 ペアリングディナー概要
期間/2018年12月4日(火)〜2019年1月31日(月)
時間/18:00〜21:30(LO) ※提供はディナータイムのみ
会場/メゾン プルミエール
価格/¥13,000(料理 全6品¥10,000、惣誉ペアリング3杯¥3,000/料理のみの注文も可能)
※価格は税抜きです。

問い合わせ先

  • メゾン プルミエール 
  • 営業時間/12:00〜13:30(LO/ランチ)、14:00〜16:30(LO/ティータイム)、18:00〜20:00(LO/ディナー)
  • 定休日/月曜
  • TEL:03-5724-4122
  • 住所/東京都目黒区中目黒1-1-29

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
EDIT&WRITING :
門前直子