エレガントな装いを印象づける色の筆頭格が「黒」。落ち着きや品格をまとううえでも役立つブラックスタイルですが、無難で平凡な見え具合にもなりがち。見慣れた黒から新鮮な印象を引き出すには、配色やシルエット、柄などの面でおしゃれの知恵が必要になってきそう。

世界のおしゃれ上手たちが披露してくれた、「技あり」のブラックコーディネートは黒の操り方を磨き上げるうえで貴重なアイディアを提供してくれます。

いつもと違う「黒」の着こなし正解例とは?おしゃれプロの格上げスタイル5選

■1:ユニセックス感が漂う「オーバーサイズアウター」

オーバーサイズの黒アウターを取り入れたコーディネートの女性
黒、白、グレーぐらいの配色にとどめることで、全体が静かなムードに

「黒」にはかしこまったイメージがあるので、ジャストサイズできちんと着ると、堅苦しい雰囲気に見えてしまうことも。むしろ、おしゃれ着アウターに黒を取り入れるのなら、少し大きめの「オーバーサイズ」を使って、ゆとりや穏やかさを醸し出すのがコツです。

ゆったりサイズのアウターは、装い全体に落ち着きをもたらしてくれます。キャスケットとワイドパンツで、ボーイズエッセンスをプラス。全体がダークトーンで沈んでしまわないよう、タートルネックとクラッチに白を迎えて、コントラストを際立たせました。

■2:世界のテクニシャンが注目する「アウター2枚重ね」

黒のロング丈アウターを取り入れたコーディネートの女性
白トップスと黒パンツのコントラストを巧みに操った上級技

「黒」をロング丈のアウターで取り入れる場合は、全身が重たく見える点に注意が必要です。

欧米ファッショニスタの間で近頃、愛用者が増えている「アウターの2枚重ね」は、黒系ロングアウターの重たさもやわらげてくれます。こちらの女性がコートの内側に着込んだのは、黒と白のミックスモチーフをあしらったジャケット。コートとの丈違いも動きを添えました。アウターの2枚重ねは日本でもじわじわ浸透してきそうな気配です。

■3:「質感とボリューム」でスポーティーにシフト

異なる質感を加えた「つややかなチェーンバッグ」のセレクトも上級者ならではのテクニック
異なる質感を加えた「つややかなチェーンバッグ」のセレクトも上級者ならではのテクニック

フォルムや素材感で変化を出すと、「黒」主体のコーデも鮮度が上がります。

ロング丈コートの前を開けて着た右の女性は、ブラックカラーのアイテムが多いのに、スポーティーに落とし込まれている正解例のひとつ。コートの軽やかな素材感と程よいボリュームが、重たさを遠ざけています。白いトップスに乗せた、ふわふわのネックウエアも、ソフトな見え具合に一役買っています。足元も白のスリッポンでアスレジャー風に整えて旬スタイルにアップデート。

■4:ドラマティックな装いを完成させる「大胆モチーフ」

ドット柄のコートを着た女性
アートなセンスを感じさせるブーツ選びもさすが

「黒」をベースにしながらも、アイキャッチーな柄を生かせばダークに見えにくくなります。

こちらは、面積の広いロングコート全体にあしらわれたアートなドット柄が粋なアクセントに。装い全体に弾むようなリズムが生まれました。白やグレーを使ったモチーフなら黒と相性が良いので、大きめの柄サイズでもうるさく見えにくくなります。ブラックコーデに新鮮さを加えるうえで、大胆モチーフの投入は効果的です。

■5:極上のグラマラスへと導く「ファー&レザーの異素材ミックス」

ブラックファーのコートを着た女性
アニマルモチーフを足元に迎えて、黒との対比を強調

冬らしい素材で、「黒」を艶めかせるのなら、やはり特別感の高いファーが向いています。リッチな光沢を帯びたブラックファーのコートは申し分のないグラマラス感を漂わせました。

内側にはパンチ穴を開けたレザーウェアを着て、質感の違いを際立たせています。首に巻いたストールもシルキーな風合いで、複数の素材感が深みを与えたスタイリングが完成。

ひと口に「黒」と言っても、実は色味や素材で見え方が異なります。さらに、シルエットや柄にもバリエーションを出せば、ブラックコーデのレパートリーが広がるはず。着て行くシーンに応じて、ブラックスタイルのイメージを切り替えて、もっといろいろな黒の着こなしを試してみませんか。

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この記事の執筆者
多彩なメディアでランウェイリポートやトレンド情報、着こなし解説などを発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かした解説が好評。自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い。著書に『おしゃれの近道』『もっとおしゃれの近道』(学研パブリッシング)がある。
PHOTO :
AFLO
WRITING :
宮田理江
EDIT :
石原あや乃