映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の老映写技師役、アルフレードで名をはせた俳優、フィリップ・ノワレ。日本ではその洒脱さはあまり知られていなかったが、本国フランスではその粋な着こなしで、だれもが絶賛する存在だったという。

シンプルな着こなしを洒脱に見せる巻き物の魔術師フィリップ・ノワレ

成熟した大人の余裕があふれだす!華やかなスカーフ使い

フィリップ・ノワレの着こなしには絶対に巻き物があった。大判のスカーフを誇示するかのように、ボリューミーに巻く姿はエレガンスそのもの!写真のジャケパン姿はもちろん、ニットやブルゾン姿にも、常にカラフルなスカーフを巻いていた。靴へのこだわりも相当なもので、この写真では趣味のよいジョッパーブーツを合わせている。写真:Newscom/アフロ
フィリップ・ノワレの着こなしには絶対に巻き物があった。大判のスカーフを誇示するかのように、ボリューミーに巻く姿はエレガンスそのもの!写真のジャケパン姿はもちろん、ニットやブルゾン姿にも、常にカラフルなスカーフを巻いていた。靴へのこだわりも相当なもので、この写真では趣味のよいジョッパーブーツを合わせている。写真:Newscom/アフロ

愛犬家で非常に穏やかな性格だったという彼は、着こなしに関してもそんなパーソナリティを反映した、肩ひじ張らないスタイルが多かった。スーツならベージュ系やソラーロ。シャープな都市型とは正反対の、どこか郊外を思わせるカジュアルな装いが彼の好みであった。

見るだけで、思わず温かい気持ちにさせるスタイル。そんなノワレのファッションのなかでも、真骨頂といえるのが〝巻き物〞だ。いわゆるスカーフやストールの類だが、彼はこれをドレッシーなスーツ姿だけではなく、実にカジュアルに使いこなすのである。ニットやブルゾンといったラフなスタイルを、巻き物ひとつでエレガントな着こなしへと昇華させるその手腕は、まさにスカーフの魔術師!

そしてビビッドな原色のスカーフも、ノワレにとっては白麻チーフのごとき日常的な存在だ。フワリと無造作に巻いてコーディネートの主役にしてしまう。シャツの内側や上着の上から、ときに繊細に、ときに大胆に……。

そんなノワレのスカーフ使いを見習って、私たちも特別なシーンだけではなく、いつもの着こなしにこそぜひ、スカーフを取り入れたい。たとえばネイビージャケットとチノパンだけで洒脱な装いをつくりだすのは至難のわざだが、大判スカーフさえ巻けば一転、素晴しく洒脱なコーディネートになるのだから。

そう、定番スタイルに今季らしく変化をつけたいという方は、まずはフィリップ・ノワレのスカーフ使いをマスターしていただきたいのである。

Profile
Philippe Noiret
1931~2006年。フランス北部リール出身。とぼけたお人よし役で頭角を現し、100本を超える映画に出演、フランスを代表する俳優に。代表作は『ニュー・シネマ・パラダイス』『イル・ポスティーノ』など。

※2011年秋号取材時の情報です。※価格は税込みです。

この記事の執筆者
名品の魅力を伝える「モノ語りマガジン」を手がける編集者集団です。メンズ・ラグジュアリーのモノ・コト・知識情報、服装のHow toや選ぶべきクルマ、味わうべき美食などの情報を提供します。
Faceboook へのリンク
Twitter へのリンク