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インターネット上で気になっている人が多い「微妙な言葉遣い」とは?

間違った日本語を使っている人を見て、もやっとしてしまうことはありませんか? 明らかな間違いならともかく、「私は間違ってると思うけど、世間的にはどうなんだろう……」と迷ってしまうような言葉遣いもありますよね。SNSや掲示板サイトでは最近、「気になる言葉遣い」というトピックが話題となっており、「この言い方って正解なの?」「この言葉が出る人、一気に頭が悪く見える」などというさまざまな意見が列挙中。今回はその中でから、多くの共感を得ている言い回しを10種類ご紹介します。

■1:「~させていただく」

使いすぎに注意!
使いすぎに注意!

敬語として間違った言葉遣いではないものの、多用しすぎると人をもやっとさせてしまうのが「~させていただきます」。

「たとえば、“病気療養のため欠席させていただきます”って、なぜ相手に断りを入れなきゃならないのか。 病気なら相手からダメだと言われようが休むしかないのに」「テレビで“させていただいてます”を多用しすぎている芸能人が多い気がして気になる」「“お付き合いさせていただいてます”とか、知らんがなって思う」など、へりくだりすぎている印象があまり良くないようです。取引先とのメールなどで、ついつい使いすぎていることはないでしょうか? ていねいなのはいいことですが、あまり「させていただき」すぎても相手をいらっとさせてしまうので注意です。スケジュール変更など相手に許可がいる場合には「させていただく」は正しい使用となりますが、問い合わせなどの対応には「確認させていただく」ではなく、「確認いたします」が適切となります。

■2:「〜してもらっていいですか?」

「~させていただく」と同様、ていねいではあるものの、「なぜかいらっとする」「気になる」と反感を買っているのがこの言葉遣い。「“やめてもらっていいですか”って怒ってる人いますが、本当にイヤなら、“やめてください”、“やめていただけませんか”ではないかと」という意見も。敬語はやりすぎずシンプルに表現するのがいちばんですね。お願いする場合には「~していただけますか?」が自然です。

■3:「~になります」

状態が変化したときのみ使用すべき?
状態が変化したときのみ使用すべき?

コンビニなどのレジ対応でよく聞かれるのがこの言葉。「“お釣り150円になります”、“こちらが話題の商品になります”とか。“~になります”ってのは、状態が変化する場合でしょ」ともっともな意見も。昔から間違った言葉遣いとして挙げられているものの、「つい言ってしまう」という人も少なくないこの言い回し。普通に「~です」と言うのがよさそうです。また、同じくレジ対応やお店の注文確認で使われがちな「~でよろしかったですか?」も否定的な意見が多数。接客業でついこの言い回しをしてしまうという方は意識したほうが良いかもしれません。こちらについては「~でよろしいですか?」、または「よろしいでしょうか?」に言い換えることができます。

■4:「とんでもございません」

こちらも間違った敬語を使っている例が人々をもやっとさせていました。「“とんでもないことでございます”が正解」という意見がある一方で、「でも“とんでもないことでございます”って言わないのでは?」という意見も。確かにそこまでていねいすぎてもこちらが恐縮してしまいそうです。そのため、「“とんでもないです”が使いやすい」という意見がファイナルアンサーでしょうか。

■5:「普通に~」

上から目線な発言だと思われるかも
上から目線な発言だと思われるかも

「“普通においしい”の“普通に”も付ける必要ある?って思う」などの意見も見られました。この「普通に」が誉めているのかなんなのか、なんのために付けているのかと言われると、あまり考えずに使っている人が多いのではないでしょうか。ちょっと上から目線でばかにしているようにも取れるため、あまり気軽に使わないほうが良いかもしれません。「今の若い子たちは“シンプルにうざい”とか“シンプルに”を付けてる」という意見もありましたが、こちらも同様ですね。

■6:「~の方」

こちらもつい使いがちですが周囲の人々をもやっとさせてしまう言い回し。インターネット上に、「“明日処理の方させていただいて”、“先方の方へ”とか、“方へ方へ”言う人」「“会議の方を始めます”とか。いつも心のなかでもやもや」などの意見がありました。ていねいな感じもしますが、よく考えると「~の方ってどの方?」と困惑させやすいです。なくてもまったく問題ない言葉なので、言う癖がついてしまっている人は注意しましょう。

■7:「~してあげて」

物なのに人扱い?
物なのに人扱い?

ほかには、「化粧品を買いに行って“化粧水をつけてあげて”とか“マッサージしてあげて”とか。物に対しても“してあげる”の言い方が気になる〜!」という意見が挙がっていました。同じく、「人以外に“この子”って言い方。コスメ記事でよく見る“この子をお迎えしました”とか」という意見も。これは、美容・料理業界で特に耳にしがちな言い回し。言い回しとしては可愛かったり、愛しさを伝えたいイメージなのだと思うので間違いではないのですが、物を人のように表現する言葉遣いに違和感を覚える人も少なくないようです。

■8:「犯罪を犯す」

意味が重複した言葉を使っていることに「言い間違いが気になる」という人も。「“犯罪を犯す”っていう言い方、“犯罪”が“罪を犯す”なんだから“頭痛が痛い”と同じに感じちゃうんだよね」 「“違和感を感じます”に違和感があります」など、二重の意味になってしまっていることがあります。これも意識なく使っていることもありそうですね。正しくは、「頭痛が痛い」は「頭痛がする」または「頭が痛い」、「違和感を感じます」は「違和感を持つ」または「違和感がある」となります。そんなに多用することはなさそうですが、今回挙げたものだけでも注意してみてください。

■9:「お見えになられました」

表現が過剰?
表現が過剰?

二重敬語にも、もやもやする人多数。「“〇〇さまがお見えになられました”は、“お見えになりました”が正しい」など、ていねいさを追求するあまり過剰な表現になってしまう例が挙げられていました。ほかにも、「おっしゃられる」「拝見させていただく」「伺わせていただく」「役職+様」などもあります。「おっしゃられる」は「おっしゃる」、「拝見させていただく」は「拝見する」、「伺わせていただく」は「お伺いします」が正しい日本語となります。なかには、「お承りいたしました」「お召し上がりになられますか?」と三重敬語になっているパターンも!「お承りいたしました」は「承りました」、「お召し上がりになられますか?」は「召し上がりますか?」と修正できます。敬語は難しいと思われがちですが、ていねいさはありつつもへりくだりすぎない、シンプルな敬語を心がけましょう。

■10:「大丈夫です」

どちらの意味にもとれる曖昧な表現にも注意が必要です。

「大丈夫」の曖昧さに戸惑う人が多く、「職場で部屋から出るか出ないかわからない動きをしていたから“ドア閉めていいですか?”と聞いたら、“大丈夫です”と言われて何に対しての“大丈夫”なのか?ってなった」「友達に“元気?”って聞いたら“大丈夫!”って言われたことある。“大丈夫って何が?”って聞いたら“元気だよ!”って言われてもやもや」などのコメントが寄せられていました。「大丈夫」はOKなときとそうでないとき、どちらにも使えるので、前後に言葉を付け加えてわかるように答えてあげるのが良さそうです。先ほど「ドアを閉めていいですか?」の場合は、「はい、大丈夫です」と一言付け加えてみてください。

ビジネスの場でよく使う敬語を中心に、人をもやっとさせてしまう言葉遣いがたくさんあることがわかりました。掲示板サイトの意見では、「この言葉遣いをしているだけで、頭が悪そうと思ってしまう」など、ひと言で品格を問われてしまうことも。日本語の間違った使い方や、過剰な敬語で相手を不快にさせてしまわないよう、気を付けましょう。

この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
こばやしあさみ