コクトーの有名な言葉に「生き方の基準は、正しいか正しくないかではなく、美しいか否か」というものがある。これこそまさに彼のファッション観。常にジャケットのそでをまくり上げ、タキシードにカジュアルコートを合わせるなど、既成概念にとらわれない装いが彼のスタイルの魅力である。そして、高級なアイテムを軽やかに着流す腕は達人級!

正統と異端のせめぎ合い。その姿勢は着くずしにおいても発揮!

クラシック小物でコクトーのアンニュイさを表現

写真:Shutterstock/アフロ

天賦の才で世間を驚かせ続けた元祖マルチクリエイター、ジャン・コクトー。服選び自体はベーシックなものの、その着くずし方はかなり独特。ジャケットのそでは常にまくり上げ、タイを絞めても正統派とは違う軽快さを感じさせるのが彼独特のスタイルだ。上着代わりにはおったカーディガンも、ボタンを留めずにラフに着こなしている。

その着こなしを現代に実践する場合、要点は「軽さ」。ニットならカシミア、タイなら芯地を省いたものなど、フワリと身につけられるものがよい。もちろん、無造作なそでまくりは必須だ! そう、正統をラフに着くずした装いこそ、コクトー流なのだ。

Profile
Jean Cocteau
1889~1963年。パリ郊外生まれ。詩人であると同時に小説や映画なども手がけ、その多才ぶりから「千の顔を持つ男」と言われた。ランバンやアルニスなどの服を愛用する着道楽でもあった。

※2011年秋号取材時の情報です。

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PHOTO :
小池紀行(パイルドライバー/静物)
STYLIST :
梶谷早織
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