「最近なんだか痩せにくい体になってきた」と悩んでいませんか? 年齢と共に代謝が下がっていくため、うっかり体重が増えるとなかなか落とせなくなりやすいもの。ただ、それで中年太り体型になるのは避けたいですよね。

実はキャリア女性が本気で痩せたいと思っているときは、深い呼吸で全身の代謝を高めるベーシックケアが一番! 今回、アンチエイジングデザイナーの村木宏衣さんから、忙しい日々の中でも手軽にできるボディーラインのダイエットケアを教えていただきました。

ダイエットは、効率よく脂肪を燃やせる体づくりが不可欠。ただ、ハードなトレーニングはなかなか続けにくいもの。そのため、まずは簡単な代謝アップのケアを習慣化することがお薦めなのです。

毎日少しずつ代謝を高めることができれば、ボディーラインは楽に取り戻すことができます。しかもこのケアは自分の手だけでできるため、辛い思いは一切ありません。硬直した筋肉や脂肪をダイレクトに狙って、一生モノの痩せ体質を手に入れましょう!

プロ直伝の「深い呼吸で全身の代謝を高めるダイエットケア3選」

まずは、どのようにケアをすればいいのかを説明します。村木さん曰く、胸や肋骨周りの緊張をほぐして痩せやすい体をつくる、お腹のセルライトを分解・排出して下腹のたるみを撃退する、骨盤と背骨をつなぐ筋肉をほぐしてウエストのくびれを手に入れる、の3つをやるべきだそうです。

■1:痩せやすい体をつくる

代謝アップには呼吸が大切。胸や肋骨周りの緊張をほぐし、呼吸を深くすることで全身の代謝アップが期待できます。さらに、滞ったリンパを押し流す効果も。

■2:下腹のたるみを撃退する

お腹の蓄積されたセルライトを「揺らしもみ」で分解・排出。皮下脂肪や老廃物の代謝も促し、お腹周りをスッキリとさせます。

■3:ウエストのくびれを手に入れる

骨盤と背骨をつなぐ筋肉をほぐし、左右差などゆがみを調整。骨盤の動きを引き出し、ウエストのくびれを取り戻します。

手だけで簡単にできる「ボディーラインのダイエットケア」3選

ここから、具体的なアプローチを写真付きでお伝えします。ぜひこの写真を見ながら、手を動かしてみてください。

■1:痩せやすい体をつくる

ひとつめのダイエットケアは、胸や肋骨周りの緊張をマッサージでほぐすもの。呼吸を深くしながら行うことで、全身の代謝アップが期待できます。

(1)肋骨の間を指先でほぐす

肋骨の間を指先でほぐす
肋骨の間を指先でほぐす

胸の中心にある肋骨のきわに、反対側の手の人さし指と中指2本をそろえて垂直に立て、「うにうに」と揺らすように5往復してほぐしていきます。

さらに位置を少しずつずらして、鎖骨の下までまんべんなくほぐしていきましょう。片側が終われば、同様に反対側も行ってください。

(2)鎖骨下をこぶしでほぐす

鎖骨下をこぶしでほぐす
鎖骨下をこぶしでほぐす

鎖骨の下に反対側の手のこぶしを当て、左右に2cmほどスライドさせながら、骨まで圧をかけるようにほぐしていきましょう。位置をずらしながら片側3か所、反対側も同様に行ってください。

こぶしは軽く握り、第一関節から第二関節間にある平らな面を使うことがポイント。

(3)肋骨の脇をさする

肋骨の脇をさする
肋骨の脇をさする

両手で肋骨をギュッとはさみ、前へしごくようにリズミカルに3回さすります。おへそ・みぞおち・胸の高さと、下から上へ位置をずらしながら行い、これを3セット繰り返しましょう。

(4)深い呼吸で横隔膜を動かす

深い呼吸で横隔膜を動かす
深い呼吸で横隔膜を動かす

口から大きく息を吐き、肋骨をはさむように手で両脇を押さえてキープします。

続いて、この体勢のまま、鼻から大きく吸い、両手が横に広がるように横隔膜が動くのを意識してください。両脇を手で押さえた体勢をキープしたまま、深い呼吸を5回繰り返しましょう。

「ダイエットが目的なら、深い呼吸で全身の代謝を改善することが不可欠。胸周りの筋肉をほぐすことで周辺のリンパを押し流すポンプ機能も高まります」(村木さん)

アプローチするのはココ!
アプローチするのはココ!

こちらのケアは順番が大事とのこと。まずは「肋間筋」と「大胸筋」のマッサージで胸の緊張をほぐし、続いて肋骨周りと、肺の底で上下する筋肉「横隔膜」をマッサージ。毎日行うことで、代謝がアップして痩せやすい体質を手に入れることができますよ。

■2:下腹のたるみを撃退する

ふたつめは、お腹の蓄積されたセルライトを脚を揺らす力を使う「揺らしもみ」で分解・排出していきます。老廃物の代謝も促し、お腹周りをスッキリさせましょう。

脂肪の気になる部分をつかんで、脚を揺らす力を使ってもみほぐす

脂肪の気になる部分をつかんで、脚を揺らす力を使ってもみほぐす
脂肪の気になる部分をつかんで、脚を揺らす力を使ってもみほぐす

まずは、あお向けになって脚をぴったりと閉じ、両ひざを立てます。

次に両手の指先で、おへその脇で脂肪が気になる部分をつまみ、息を吐きながら、両ひざを左右にユラユラと小刻みに揺らしていきます。つまみ方は、親指と4本指ではさむように、脂肪をできるだけ深くつまむことを意識しましょう。

親指と4本指ではさむように、脂肪をできるだけ深くつまむ。時計回りで7か所に分けて。
親指と4本指ではさむように、脂肪をできるだけ深くつまむ。時計回りで7か所に分けて。

手の位置をおへその周りを中心にずらしながら揺らす動作を繰り返し、もみほぐしていきましょう。おへそ周りは時計回りに7か所に分けて、揺らす回数は左右に1往復を10セット行ってください。

「お腹のセルライトをほぐして分解・排出するケアのポイントは足を左右に揺らしながらお腹をマッサージする『揺らしもみ』。気になる部分を深くつまみ、脚を揺らしてもみ出すことでたまった皮下脂肪や老廃物の代謝を促進します。お腹周りが驚くほどスッキリしますよ」(村木さん)

アプローチするのはココ!
アプローチするのはココ!

お腹にはリンパが集中しており、こちらのケアでは、リンパの滞りも改善してくれるそう。さらに、腸の働きを良くする効果も期待できるので、内側からもスッキリできそうですね。

■3:ウエストのくびれを手に入れる

最後は、筋肉をしっかりとらえながら動かし、筋肉の弾力を取り戻すダイエットケア。骨盤と背骨をつなぐ筋肉をほぐし、ウエストのくびれを取り戻します。

脚をパタパタ倒しながら、腰の筋肉を深くとらえてほぐす

脚をパタパタ倒しながら、腰の筋肉を深くとらえてほぐす
脚をパタパタ倒しながら、腰の筋肉を深くとらえてほぐす

下腹のたるみを撃退するケアと同じように、あお向けになって両脚をぴったりと閉じ、両ひざを立てます。

さらに両手を腰のくびれに当て、親指が当たるところ「腰方形筋」の部分をしっかり押さえながら、両ひざをパタパタ倒して左右に10往復します。次に親指を1cm上にずらし、動作を繰り返しましょう。

両手を腰のくびれに当てると、 親指の当たるところが腰方形筋。ここと、親指を1cm上にずらしたところの2か所をほぐす。
両手を腰のくびれに当てると、 親指の当たるところが腰方形筋。ここと、親指を1cm上にずらしたところの2か所をほぐす。

「骨盤と背骨(腰椎)をつなぎ、体を横に倒すときに働く『腰方形筋』がかたく縮んでしまうと、骨盤がスムーズに動かず、ウエストが太くなる原因になります。筋肉をほぐしながらしっかりとケアしていきましょう」(村木さん)

アプローチするのはココ!
アプローチするのはココ!

筋肉をしっかりとらえながら動かすことで筋肉の弾力を取り戻すことができるそう。さらに骨盤の左右差が調整され、ウエストに自然なカーブが生まれますよ。

加齢とともに丸くなっていくボディーラインは、ケアすることでどんどんシェイプアップしていきます。どのケアも道具を一切使わずに手だけで簡単に行うことができ、毎日続けることで効果を発揮していくもの。ぜひ今日から習慣づけてみてください。

『一生老化せず今すぐ若返る 整筋・顔体大全』には、顔のケアのほかに体のケアや、姿勢やダイエット方法も載っています。どのケアも毎日取り入れることが大切。将来今以上の体型変化に悩まされないために、ぜひ今すぐ始めてみてください。

村木宏衣さん
アンチエイジングデザイナー
(むらき ひろい)大手エステティックサロン、整体院、美容医療クリニックでの勤務を経て、国内外のセレブから絶大な支持を集めるエステティシャンに。現在は小顔、リフトアップ、ボディーメイキングなど、女性の悩みに対して、独自の「村木式」美容メゾットを確立。著書に『顔筋整骨セルフビューティ』(主婦と生活社)がある。
公式サイト

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
WRITING :
藤野綾子