シンプル&エレガンスのその先へ「クワイエット・ラグジュアリー」考
『Precious』は2004年の創刊時から変わらず、ファッションやライフスタイルの核となる「ラグジュアリーとは何か」を問い続け、ものの表層的な面だけでなく、その価値や本質を伝える誌面づくりを目指してきました。
今、モード界を席巻中のトレンド「クワイエット・ラグジュアリー」とは、実は『Precious』が提唱してきたスタイルとも重なるムーブメント。今、現象として浮上してきた “静かなる(あるいは控えめな)ラグジュアリー” とは何か。『Precious』らしい視点で、その魅力をひもときます。
今回は、スタイリスト/ジュエリー・コンシェルジュの伊藤美佐季さんに、「クワイエット・ラグジュアリー」なスタイルで向き合うジュエリーとの関係性について、お話しをうかがいました。
1920年代から1990年代にかけて「ヴァン クリーフ&アーペル」が制作した作品を、メゾン自ら収集した一点もので構成される『ヘリテージ コレクション』。1964年製のこのブレスレットは、ホワイトゴールドとイエローゴールドを緻密に編み込んで量感を出したデザインに、グラマラスな気品が香る。時を超えて受け継いだジュエリーで、自分だけの物語を紡いでいく。
「クワイエット・ラグジュアリー」なスタイルで向き合うジュエリーとの関係性
クワイエット=控えめという言葉だけでジュエリーのつけ方をイメージするなら、思い浮かぶのは、ダイヤモンドやパールのピアスをさりげなくひと粒、そんなシンプルシックなスタイルです。それはそれで王道の美しさがありますが、「今、求められている『クワイエット・ラグジュアリー』なスタイルに寄り添うのは、その人自身を語ってくれるようなジュエリーではないでしょうか」と、スタイリストとして、ファッションとジュエリーで個性を表現する楽しみを提案し続けてきた伊藤美佐季さんは語ります。
「私なら、好きなヴィンテージジュエリーを大胆につけたり、パールのイヤリングをあえて3つ重ねづけしてみたりして、シンプルな服の上に個性を描いていきます。“好き” が詰まったものは、自分らしさの核となって、スタイルの骨組みとなります」。
また、「クワイエット・ラグジュアリー」な着こなしの真価を引き出せるのは、「スタイルを自分に引き寄せられる、おしゃれの経験を積んだマチュアな女性だけ」とも。培われてきた美意識から自分が長く愛せるものを熟知し、選び取ることのできる自信が不可欠なのです。
※掲載商品の価格は、すべて税込みです。
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- PHOTO :
- 東 京祐
- STYLIST :
- 伊藤美佐季
- HAIR MAKE :
- ヘア/SHINGO SHIBATA(eight peace)、メイク/ANNA(S-14)
- MODEL :
- 田沢美亜
- EDIT :
- 下村菜月、遠藤智子(Precious)