日本の夏を楽しみながら、母娘で優雅に気ままな旅を楽しみたい。そんな大人の旅にぴったりのバッグが、ルイ・ヴィトンの『キーポル・バンドリエール』。
カジュアル感がありながらどこかエレガントなボストンバッグは、格式のある老舗旅館を訪れる旅にも重宝。イニシャルやストライプを入れて、パーソナライズできるのも魅力です。
この夏の旅先に選んだのは、金沢から電車で向かう加賀温泉郷・山代温泉の「あらや滔々庵」。
美食家として名を馳せた芸術家、 北大路魯山人ゆかりの宿として知られ、 魯山人が手がけた画や絵皿が残る、文化の香り漂う宿。
さらに加賀の前田家の藩主が湯治に訪れた際の湯番頭(ゆばんかしら)を務めていたという、この地で800年以上、屋号を「あらや」と変えてからも18代続く由緒ある老舗旅館でもあります。
源泉かけ流しのお湯と美味しい食事が素晴らしいのはもちろんのこと、歴史と文化のある宿ならではの趣と美意識、おもてなしの心が記憶に残る宿。すべての時間が心地よく過ぎていく、至福の夏の休日を満喫して。
江戸時代につくられた山庭の木々に寄り添うように建ち、加賀百万石の雅と文化の香りが漂う宿「あらや滔々庵」。
大正時代、まだ無名だった北大路魯山人は宿の15代当主の配慮で、ここに逗留。近くに窯を構える陶芸家、須田菁華のもとで、九谷焼の手ほどきを受けたのだとか。そんな逸話からも伝わる、おおらかさもまたこの宿の魅力です。
風情のある玄関からロビーへと入ると、魯山人が残した画や器に魅了されます。同時に惹かれるのは、清々しい廊下であること。宿の顔ともいえる前田藩ゆかりの部屋「御陣の間」は今年、半露天風呂とベッドの寝室を併設する和洋室に改装。18代続く老舗旅館は宿の歴史を大切にしながら、新たな魅力を加え続けているのです。
左/しっとりとした風情の玄関を入ると、ロビーには魯山人が描いた看板が。
中/ロビーは琉球畳に。掃除がいき届いたその清々しさに、奥に見える緑の木々に、心が洗われるよう。
右/「御陣の間」に今年増設された、モダンな半露天風呂。源泉かけ流しのお湯を独り占めできるのは、山代随一の湯量を誇る「あらや」ならではの贅沢。
「あらや滔々庵」
住所/石川県加賀市山代温泉18-119
TEL:0761-77-0010
http://www.araya-totoan.com/
山代温泉で800年続く、老舗旅館。客室は全17室で、部屋のタイプは多彩(10部屋が露天、半露天風呂付き)。宮家逗留のために釘を1本も使わずに建てたという築100有余年の木造離れを、当時の趣のままに改装したバー「有栖川山荘」も素敵。加賀野菜を豊富に使った食事も好評。
美しくていねいな手仕事で知られる「九谷焼窯元 須田菁華」(TEL.0761-76-0008)へ。4代目が活躍する今も、登り窯で焼くなど初代からの手法を守ってつくられる器は、その柄の美しさとともに優しさの漂う手触りも魅力。
撮影/熊澤 透 動画編集/成田 凌(MERY) スタイリスト/chizu 構成/川村有布子、古里典子(Precious) WEB制作/安念美和子、麻生彩佳(イクシアネクスト)
※掲載した商品の価格はすべて税抜です。