「鉄面皮」ってなんと読む?「てつめんかわ」ではないですよ!

明日、11月12日は『皮膚の日』です。「1、2、3…」を「ひい、ふう、みい…」と数えることがありますので、11(いい)12(ひふ)の語呂合わせで、日本臨床皮膚科医会が制定しました。目的として、皮膚の健康と皮膚疾患についての正しい知識の普及と、皮膚科の専門医療に対する理解を深める、ということが掲げられております。乾燥する季節に入りますので、皮膚トラブルが心配な方は、ぜひ専門医にご相談くださいね。

ということで、本日は「肌」をキーワードにした日本語クイズをお送りします。

【問題1】「鉄面皮」ってなんと読む?

「鉄面皮」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「恥知らずで厚かましいこと。また、その人やそのさま」をいう言葉です。

<使用例>

「あの人の起こしたトラブルのせいで周囲が奔走している間に、本人が遊び歩いていたなんて…相当な鉄面皮ね」

かな5文字です。
かな5文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 鉄面皮(てつめんぴ) です。

「鉄でできている面(つら)の皮」という意味です。
「鉄でできている面(つら)の皮」という意味です。

古来「恥知らずで図々しいこと」を「面(つら)の皮が厚い」「厚顔」とたとえますね。「鉄面皮(てつめんぴ)」は、「面の皮が厚いどころか、鉄でできているかと思うほどだ」ということですから、「最上級に厚顔無恥」というニュアンスの熟語です。今でもしばしば使われる熟語ですので、正解できなかった方は、これを機に覚えてくださいね。

では、二問目にまいりましょう。

【問題2】「伝法肌」ってなんと読む?

「伝法肌」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント: 「威勢のよいのを好む気性」という意味で、特に女性に対して使われることの多い表現です。

<使用例>

「あちらお店のおかみさんは、老舗を切り盛りしている人らしく、伝法肌で、とてもきっぷのいい方よ」

かな6文字です。
かな6文字です。

さて、正解は?

※画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 伝法肌(でんぽうはだ) です。

「でんほう」ではなく「でんぽう」と読むのには由来がございます。解説をお読みください。

「伝法肌(でんぽうはだ)」の類語には「勇み肌」「鉄火肌(てっかはだ)」などがございます。「勇み」や「鉄火」は、威勢のよい気質のイメージに直結しますが、「伝法(でんぽう)」はそのままでは意味がわかりにくいですね。これには由来となっている説がございます。

その昔、東京・浅草の、浅草寺伝法院(せんそうじでんぽういん)の寺男が、寺の威光をかさに着て、境内の見世物小屋や飲食店で無法なふるまいをした…というものです。そこから「粗暴で威勢の強いこと」を「伝法(でんぽう)」と比喩する言い回しができ、のちに「威勢のよいこと」という意味に転じた、といわれております。浅草寺は由緒正しい、人々から敬愛されるお寺ですので、ポジティブな意味合いだけが残ったのかもしれませんね。

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本日は、11月12日『皮膚の日』にちなんで、

・鉄面皮(てつめんぴ)

・伝法肌(でんぽうはだ)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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ILLUSTRATION :
小出 真朱