みなさんは、1年でどのくらい貯蓄できていますか? 毎年貯金の目標額を決めているものの、うまく貯められない方は多いはず! もし、なんらかの方法で楽に貯蓄が倍にできたら最高ですよね。
貯蓄を倍にすると聞いたとき、副業などで収入を増やすやり方を真っ先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実は、貯蓄が得意な人はそんなことをしません。たくさん貯める人達はみな共通して、家計をきちんと管理し、ムダな支出を減らしているのです。
しかもそれはやみくもに節約したり、欲しいものを諦めたりするような苦しいものではありません。シンプルなやりくりを徹底していたり家計を半年ベースで考えていたりと、簡単にできるものばかり習慣にしています。
一体どうすれば、貯蓄が得意になるのでしょうか? 今回は、ファイナンシャルプランナーの大上ミカさんが実際に1,000人以上に取材してわかったお金が貯まる生活習慣を紹介します。以下の7つの、どれかひとつだけでも構いません。簡単なものから始めてみましょう。
貯金上手な人が実践している「貯蓄が2倍になる生活習慣」7選
■1:欲しいものをベースにお金の使い方を決める
貯まる人の共通点は、目的がはっきりしていること。お金の貯め方ではなく、使い方に焦点を置いているのです。その目的を実現するためにどうしたらいいのかを考えて、お金を調節しながら動かしていきます。
お金の使い方を考えるときに貯まる人が使うのが「欲しいものリスト」です。ペンと紙を用意して、欲しいものを書き出してみましょう。書くことで本当に欲しいもの(軸)を認識でき、どうすればそれが叶うか真剣に考えることができます。
次に、その書き出した欲しいもの一つひとつに、なぜ欲しいのかを考えて、その理由を書いていきましょう。「海外旅行に行きたい」なら、「すごくワクワクできるから」などの簡単な理由でかまいません。「なぜ欲しいのか」を掘り下げていくと、欲しいものの奥にある自分の価値観、真の目的が見えてきます。
お金をやみくもに貯めるのではなく、しっかりとした目標(軸)を持つこと。お金を使う意味を考え、優先順位をつけると、家計のブレがなくなりますよ。
■2:衣食住を大切にして、お金に対してポジティブに取り組む
貯められる人の共通点は、挫折があってもへこたれず、やりくりにいつも前向きです。そのゆとりの根本にあるのが、自分の暮らしを大切にしていること。暮らしを疎かにするとだんだん気持ちが貧しくなっていきます。
ポジティブに過ごすためには、衣食住を大切にすることが大切です。「食べることを大切にする」「身だしなみに気を配る」「快適で居心地のいい部屋をつくる」など簡単なものでいいのです。この基本の生活こそが貯まる家計を支える大切な生活習慣。現状の自分の生活に満足していれば、際限のない物欲は湧かなくなります。
お金を貯めたいからと、生活を貧しく削る必要はありません。お金の管理はコントロールする人の感情や意識で左右されるもの。いくらお金が貯まるテクニックを学んでも、自分自身の気持ちや暮らしが乱れていては決して貯蓄は続きませんよ。
■3:グレーゾーンが一切ない家計管理をしている
現状のお金の把握は、お金を管理していく上で大切なプロセス。今の収入や支出を、貯蓄を把握できていないと予算も立てられず、何を削ればいいのかわかりませんよね。
大上さん曰く、「1,000万円貯めた人に、1か月の食費がわからなかった人はひとりもいなかった」とのこと。さらには、家計簿や通帳を見なくても、生活費はもちろん、貯蓄がいくらあるかもスラスラ言える人ばかりだったそう。
・1か月の生活費がいくら必要かわからない
・給料明細は見ていない
・貯金総額がいくらか言えない
・急な出費に対応できず、貯蓄を下ろすことがよくある
・気がついたら財布のお金がなくなっている
・使っていない口座がいくつもある
上記の項目でひとつでも当てはまった人は、貯める準備がまだ整っていない状態です。まずは自分のお金の流れを把握することから始めましょう。
■4:お金のことに集中できる時間と場所を確保している
皆さんは、家計簿や通帳はもちろん、領収書や保険証券などの管理はちゃんとできていますか? 一年に一度整理をするくらいという方が多いのではないでしょうか。でも、それはNG行動です。
例えば、通信費の見直しをする時に現在の明細を探すことから始めると、やる気がそがれてしまいませんか? そうならないためにも、箱でも、ファイルでもかまわないので、「お金のことはここを見れば全部わかる」という専用スペースをつくりましょう。
また、お金の管理を続けるために必要なことは、やる気よりも習慣です。
貯まる人は、お金の管理を掃除や洗濯と同じように、日々のルーチンワークとしてこなしています。まずは1日5分でいいので、お金と向き合う時間をつくってみましょう。
行うのは「お財布からレシートを出して、家計簿やアプリに記録する」「貯蓄額をチェックする」「領収書や明細を整理する」など簡単なもので大丈夫! 一度習慣として身につけてしまえば、楽に続けていくことができますよ。
■5:ただ削るのではなく買う意味を考えて取捨選択している
貯まる人は「払いたくないお金」をとことん削ります。支出を削るというと一見ストレスを抱えそうですが、貯まる人の削り方を実践するとストレスはかかりません。そこには5つのルールがあります。
・何を削るかではなく、何を残すかを決め、優先順位の低い出費からカットする
・食費や日用品費など、必要なラインを見極め、それ以上の部分をカットする
・「なくても済む」「あるものを活用する」視点を持ち、お金を使わずに済む部分を探す
・見栄や世間体で使っているだけの出費はやめる
・自分が無理せずにできる節約法だけを実践する
出費をただ削るのはストレスがたまりますが、必要のない出費を削るのは意外と気持ちがいいもの。何が必要ないかを決めるのは自分です。一つひとつの出費と向き合い、自分が納得できる削り方を見極めましょう。
■6:衣服費と交際費はブレーキルールを決めて、使いすぎを防いでいる
衣服費と交際費は出費の変動の幅が激しいもの。こちらにはルールを決めて使い過ぎを防ぐことが必要です。
洋服は嗜好性が高く、またセールなどの誘惑も多いのでなかなか制御が効きません。必要なものを見極めるのは難しいアイテムですが、ルールを決めると買い過ぎを減らすことができます。
ルールとは、持っている服を把握すること。そのためにはクローゼットにある着ていない服を処分したり、無駄買いや似たような服を買わないためにワードローブの写真を持ち歩くことも効果があります。また、貯まる人はあまりセールを利用しません。高くても長く着られる服を選ぶだけでも無駄買いを減らすことができます。
交際費も同様に、ルールを決めることで節約につながります。飲み会は行きたいものだけにするのが理想ですが、難しい場合は二次会の回数を減らすだけでも効果があります。2回に1回は断るなどのルールを決めることで、その場の雰囲気に流されないブレーキにもなってくれますよ。
■7:食費を安く買って削ろうとせず、使い切りを意識して減らしている
冷蔵庫を見ればその人が貯蓄上手かどうかがわかるほど、貯まる人の冷蔵庫はスカスカと言ってもいいほどスッキリしていることが多く、貯まらない人の冷蔵庫は食材がぎゅうぎゅうに詰まっています。
冷蔵庫に食材がたまってしまうのは、使う量よりも、買う量が多い証拠。使いきれずに食材をダメにしていては、どんなに安く買っても無駄なのです。
貯まる人になるためには、冷蔵庫がカラになってから買いに行くことを習慣づけてみてください。また、買い物する日を週でこの日と決めたり、買い物前に在庫をチェックすることも大切。
日を決めることで買い物の回数を減らすことができ、在庫チェックでは余計なものを買わなくなります。本当に必要なものを見極めてから買い物をすることで食費は大幅に減らすことができますよ。
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貯蓄を倍にするための7つの習慣は、どれもシンプル。お金と向き合うことは人生と向き合うこと。人生を丁寧に過ごすことがお金の貯蓄につながります。とにかく習慣づけることが大切。まずは自分が続けやすいと思うものから取り入れてみてください!
『収入が増えなくても貯蓄が2倍になる方法』著・大上ミカ リベラル社刊
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- WRITING :
- 藤野綾子