毎年5月の第1月曜日は、いつもは静かなニューヨーク・ミュージアムマイルがお祭り騒ぎになるビッグなパーティーの日。今年も豪華絢爛なセレブたちの装いが話題の、メトロポリタン美術館コスチューム・インスティテュートによるガラが開催されました。

テーマは「キャンプ(Camp)」。とはいっても、アウトドアファッションではありません。1964年のスーザン・ソンタグのエッセイ『「キャンプ」についてのノート(Notes on ‘Camp’)』にちなみ、「皮肉」「ユーモア」「パロディ」「模倣」「技巧」「芝居がかったもの」「誇張」といった要素をファッションでどう表現するか、がお題となっています。

なんとも文学的で定義しにくいのですが、大袈裟で独自の世界観をもったファッションを、「目立つが勝ち」とばかりにセレブたちがレッドカーペット(正確にはピンクカーペット)で競いました。

開いた口がふさがらない!度胆を抜くセレブのレッドカーペットルック6選

■1:【レディー・ガガ】メリー・ポピンズから下着姿に。どんどん脱いで4変化

平野ノラからインスパイアされたかのよう!?
平野ノラからインスパイアされたかのよう!?

ボディーコンシャスなドレスに巨大な携帯電話を持ち、まるでバブリールックのような装いです。

今回のガラで、ハリー・スタイルズ、アレッサンドロ・ミケーレ、セリーナ・ウィリアムズと共にホストをつとめたレディー・ガガ。サービス精神旺盛な4変化で会場を沸かせました。

傘を持った男性陣に囲まれ、長くたっぷりとしたトレーンと袖が印象的なブランドン・マックスウェルのドレスとティファニーのジュエリーで登場
傘を持った男性陣に囲まれ、長くたっぷりとしたトレーンと袖が印象的なブランドン・マックスウェルのドレスとティファニーのジュエリーで登場
ヒップラインのふくらみと手に持った傘が文明開化のような雰囲気のセカンドルック
ヒップラインのふくらみと手に持った傘が文明開化のような雰囲気のセカンドルック
最終的には下着姿に
最終的には下着姿に

彼女にしては保守的な、肌を出さないドレスで登場。意外、と思いきや期待を裏切らない、次々と時代をさかのぼるような変化で魅せてくれました。

ファイナルルックはまさにガガそのもの。プラチナブロンドのボブに厚底シューズ、下着ルックとデビュー当時を彷彿とさせる、彼女のアイコンが詰まったスタイルです。

■2:【ケイティ・ペリー】輝く炎とクリスタルが眩しいシャンデリアドレス

キャンドルがゆらゆらとまたたき、豪華なクリスタルを温かみのある光で輝かせます
キャンドルがゆらゆらとまたたき、豪華なクリスタルを温かみのある光で輝かせます

シャンデリアのようなドレス、ではなく、文字通り本物のシャンデリア。

歌手のケイティ・ペリーはモスキーノのドレスで登場しました。7,000個ものスワロフスキーのクリスタルを使用。ヘッドアクセサリーもドレスも相当な重さのようで、終始フラフラとしながらも、ふたりのスタッフに手を引かれてレッドカーペットを歩く姿にはプロ根性を感じました。

『美女と野獣』に登場するキャラクターのようでもあり、ファンタジックな雰囲気は彼女のポップなイメージを際立たせています。

■3:【ジジ・ハディッド】シルバーのまつ毛とスペーシーな衣装でまるで別人

マイケル・コースによるキャットスーツはウォータープルーフなのだそう
マイケル・コースによるキャットスーツはウォータープルーフなのだそう

可愛くてセクシーないつもの彼女からは想像がつかない、別人級なシルバーとゴールドの装いで登場。

スーパーモデルのジジ・ハディッドは、かなり厚底なヒールと水泳帽のようなキャップ、そしてまるで宇宙からやってきた地球外生命体のようなコスチュームで圧倒的な存在感を放っていました。

歌手のシエールや、ピアニストのリベラーチェにインスパイアされたという彼女のルック。デザイナーであるマイケル・コースと遊び心たっぷりにスペシャルな一夜を楽しんでいる様子が伝わってきます。

■4:【エズラ・ミラー】話題騒然の7つ目メイク

どれが本物の目なのか戸惑います
どれが本物の目なのか戸惑います

今年のMETガラで最も注目を浴びたと言っても過言ではありません。

俳優のエズラ・ミラーはバーバリーのスーツに、ラインストーンのコルセット、手にはマスク、そして誰もがあっと驚く7つの目を描いたメイクでレッドカーペットに登場。

エズラが想像する奇妙なアイディアを伝えると、デザイナーのリカルド・ティッシが2分で描き上げたというルックは、不気味に今回のテーマである独自の世界観を表現しています。

■5:【ジャレッド・レト】今回のテーマならでは!の小物使い

生首はグッチの2018秋冬コレクションにも登場
生首はグッチの2018秋冬コレクションにも登場

2019年のイベント全体のスポンサーとなったグッチ。フローレンス・ウェルチをはじめ、クリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレによる独特なデザインに負けない個性をもつセレブたちがグッチを着用して登場しました。

なかでも強烈だったのが、真っ赤なロングドレスに、本人そっくりの生首を抱えてレッドカーペットにあらわれた、俳優のジャレッド・レト。

アクセサリーと呼ぶべきなのか、気味の悪い小物使いは、今年のテーマを独特に解釈しインパクト大、です。

■6:【ゼンデイヤ】魔法で青く光るシンデレラのドレス

クラッチはカボチャの馬車
クラッチはカボチャの馬車

驚く仕掛けで会場を魅了したのが、ゼンデイヤが着用したトミー・ヒルフィガーによるドレスです。

魔法使いが魔法の杖を振ると、グレーだったドレスが足元からブルーに
魔法使いが魔法の杖を振ると、グレーだったドレスが足元からブルーに

今回はスノーホワイトの継母風など、ディズニーの世界観にインスパイアされた装いが多かった印象ですが、抜きんでてドリーミーで、華やかにイベントを盛り上げていました。

メットの階段にガラスの靴を片方置いていくという、心憎い演出も会場を釘付けに。

例年以上にお祭り気分で盛り上がったMETガラ2019。寄付金は16億円以上を集め、本来の目的も十分に果たしたようです。普段は美しいセレブ達が、リスクを恐れず自我を忘れたようにファッションの世界に没頭しているレッドカーペットは、強烈なプロ意識を感じました。

5月9日にスタートした展示には、ビヨークがアカデミー賞で着用したあの白鳥ドレスも登場。ガラ以上にこちらも大きな話題を呼びそうです。

参考資料

THE MET
WHO WHAT WEAR

この記事の執筆者
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PHOTO :
AFLO
WRITING :
神田朝子