デザイナー中村三加子さんが語る、「服への思い、エレガントであるということ」

15年前、雑誌『Precious』創刊と時を同じくして誕生したブランド、ミカコ ナカムラ。海外の一流ブランドはもちろん、さまざまなおしゃれを経験してきた大人の女性たちがこれから選ぶべき服、大切に着ていきたい服としてご紹介し、共に歩んできました。

その15年の軌跡を振り返る展示が2019年6月13日から19日まで予定されている今、改めてデザイナーの中村三加子さんにお話を伺うことができました。

「消費される服はもういらない。15年前、そんな思いで始めました」と中村三加子さん
中村三加子さん
デザイナー
(なかむら みかこ)山岳画家の中村清太郎を祖父にもち、東京で生まれる。数々のブランドの企画、コンサルティングを経て、2004年、オートクチュール、セミオーダーを中心にしたMIKAKO NAKAMURAを、2008年にはカジュアルラインM・filを発表。2012年、南青山にサロンをオープン。

愛され続ける名品たちの奥に息づく心意気に迫ります

表参道にある「MIKAKO NAKAMURA南青山サロン」は、奥がオーダーメイドを中心とするコーナーに。
うっとりする手触りのファー素材も、季節を問わずオーダー可能。
極上の生地サンプル。シーズンカラーを含む豊富な色バリエーションがそろいます。

15年前、時代はファストファッションが急成長を見せ始めていた。そんななか、時代を超える名品とエレガンスを求めていた『Precious』が、理想とするものをミカコ ナカムラはもっていた。

「使い捨ての流行の服ではなく、着物のように大切に、長く着られる服をつくりたいと思っていました」

中村三加子さんがそう語るように、上質な素材とシンプルなデザイン、それでいて大人を華やかに見せてくれる、そんな思いを映したカシミヤのコートを中心とする服は、現在も12型のパーマネントコレクションとして愛され続けている。

「最初にカシミヤで始めたのは、高級だからではなく、原毛の時点から自分の目で責任をもって選べるからでした。天然素材は化繊と違って呼吸をしているので、お客様と共に生きてほしいのです」

そして、定番も時代に沿って少しずつ進化して、最近ではより軽やかな素材を求めてシルクもメイン素材のひとつになった。特にシルクウールは3シーズン着られて、発色がよく、艶やかで肌映りもいい。

「日本人はDANの中にシルクの文化があると思っています。私自身は、江戸前の寿司屋の料理人のような存在でありたい。最高の素材を最高の形で調理して、シンプルに提供したいのです」

「服がエレガントなのではなく、エレガントな人に選ばれる服でありたい」

人気ナンバー1のコート「ルナ」。軽やかなシルクウールには上品で美しい光沢感が。
「 デザインしないことが私のデザイン」と語る中村三加子さん。考え抜かれたミニマルなデザインだから、飽きることなく、長く愛せる一着に。
シックで落ち着いたインテリアに、中村さんのセンスが光ります。

15年を経て、進化したものは多いが、その根底にある服づくりへの思い、エレガントな女性像は変わらない。

「幸い、お客様にほんとうに素敵な女性が多く、私のほうが教わることが多いのです。センスがいいだけでなく、知的で教養もある女性たち。エレガントであるべきは服ではなく、こうしたその人自身。そんなエレガントな女性に選ばれる服をつくっていきたいと思います」


銀座「和光」で記念イベント開催!

銀座「和光」にて、15年にわたるアーカイブと2019年秋冬コレクションが、ミュージアム形式で展示されます。

『ミカコ ナカムラ 美のミュージアム』15年の軌跡

  • 開催催場所/和光本館6F「和光ホール」
  • 開催期間/2019年6月13日(木)~19日(水)
  • 営業時間/10:30~19:00(初日と最終日は17:00まで)
  • TEL:03-6427-2435
  • 住所/東京都中央区銀座4-5-11 和光本館6F「和光ホール」

 

<出典>
Precious7月号 「おしゃれの運命を決める!『小物使い』のすべて」
【内容紹介】「小物使い」のすべて/頼りになるのは「涼感ブラック」/「品格ウォッチ」最新ガイド2019/読む「美白道」/ワンポイント「ヘアカラー」で若返り/日本美術の聖地「京都」
2019年6月7日発売 ¥940(税込)
PHOTO :
篠原宏明
HAIR MAKE :
福沢京子
EDIT&WRITING :
藤田由美、古里典子(Precious)