「丸みのある家具や、グレーの生地で空間にやわらかさを出しています」
カリフォルニアの郊外サンタバーバラにあるKikkaさんの別荘は、ビーチを望む小高い丘に建っています。モダンな建物は1960年代、つまりミッドセンチュリーの建築をリノベーションしたもの。ウォールグリーンを楽しむアウトドアダイニングなど、自然と一体化するような空間も多い。
「屋外と屋内の境界線があいまいで開放感たっぷり。そこがとても心地いいんです」とKikkaさん。リノベーションの際は建物のモダンな構造美をシンプルに生かしつつ、元々あった照明なども少し残してインテリアに取り入れました。
「華やかなシャンデリアと中国の骨董というように、東洋と西洋のものを合わせるのが好き。また、建築そのものが直線美を生かしたデザインなので、家具や小物などで丸みを加えたり、グレーなどの中間色を使ったりして、リラックスできる雰囲気を出しています」
竣工は1962年。水平垂直を意識したデザインなど、1910~30年代に隆盛したモダニズム建築の影響も感じられます。庭には曲線デザインのプール。
ガラス張りのメインバスルーム。照明はミッドセンチュリーのデザイン。バスタブはイタリアの「Agape」社製。
ゲストルーム。真っ白なアームチェアは、フィランド建築界の巨匠アルヴァ・アアルトの名作。椅子がデザインされた年(1936)をプリントした特注品。
アウトドアダイニング。正面の壁には多肉植物を植えたウォールグリーン。
食卓の演出は赤がアクセントに。
暖炉のあるマスターベッドルーム。グレーの「ウームチェア」はエーロ・サーリエンの代表作のひとつ。
子供部屋。正面のスライディングドアは黒板仕様になっていて、ふたりの子供たちが自由に落書きできるように。
- TEXT :
- Kikkaさん 投資家・VPL代表
- クレジット :
- 撮影/Yoshihiro Makino(W) コーディネート/武藤 彩 文/輪湖雅江