「普く」「すべからく」…カン違い率の高い知的な日本語。あなたも間違えて使っているかも!?
知的な言い回しをしたつもりが、実は言葉の意味をカン違いしたまま使ってしまった!…そんなことになったら、大変な赤っ恥ですね。今回は、文化庁の調査で、言葉の意味をカン違いしている日本人が、正解と同じくらい存在していた日本語を、まずピックアップします。
知ったかぶりのShame(残念な)女性にならぬよう、Respect(尊敬される)女性でいられるよう、カン違いしやすい知的な言い回しについて、正解をしっかりおさらいいたしましょう。
というわけで、クイズです。
【問題1】
「すべからく」という日本語の、正しい意味は、以下のどちら?
1:「すべて、みな」という意味。
2:「当然、ぜひとも」という意味。
…さて、正解は?
正解は… 2:「当然、ぜひとも」
という意味です。
「すべからく」という日本語は、平成22年度の文化庁『国語に関する世論調査』でも問われ、正解の「当然、せひとも」という答えを選択できた人の割合が41.2%と、なかなか厳しい結果の出た言葉です。
【問題1】のフェイク選択肢でもある「すべて、みな」を選んでしまった人が38.5%もおり、正解率とほぼ横並び。意味をカン違いしている日本人が非常に多い言葉なのです。
「すべからく」という言い回し、会話で聞いたことのある方、使ったことのある方もいらっしゃるでしょう。
正しい使い方は「すべからく~べし」など、「~するべきである」という受け言葉と、セットで用いられることが多く、
・「社会人は地位の上下に関わらず、すべからくコンプライアンスを意識すべきです」
・「学生はすべからく学業を第一に考えるべきでは?」
のように、「当然○○すべきである」「ぜひ○○したいものである」という文脈で使用します。
しかし前出の例文はそのままに、「すべて、みな」という意味で解釈しても、文脈が通ってしまいます。ということは、「すべからく」の意味を「すべて、みな」とカン違いしていた人々は、実際の会話を基に、独学的に「すべからく」という日本語を間違って記憶した…というケースが多いのかもしれません。
つまり「すべからく」は、難しい言い回しながら、会話で耳にする機会の多い日本語、ということになります。
「すべからく」の誤用例として有名なのものに、有名なアニメ作品『新世紀エヴァンゲリオン』の中の「最近の男はすべからく自分のことにしか興味がないのよ」というセリフがあります。
明らかに「すべからく=すべて、みな」とカン違いしたセリフですが、これを言ったのはホワイトカラーの大人の女性キャラクターです。制作陣が「あえて誤用したセリフで、キャラクターの頭でっかちさを強調したのではないか?」という解釈も多いようですが、フィクションならともかく、現実社会で大人の女性が同じ過ちを犯すと、とても恥ずかしいですね。
「すべからく=当然、ぜひとも」という正しい意味、しっかりインプットしておきましょう。
というところで、2問目です。
【問題2】
「すべて、みな」という意味の「普く」という日本語の読み仮名をお答えください。
※即答できない方は、スクロールしてヒントをご覧ください。
1:読み仮名は3文字です。「普く」のほか「遍く」とも表記できます。
2:使用例:「最近の男は普く自分のことにしか興味がないのよ」
さて、正解は?
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:文化庁「国語に関する世論調査」(平成22年)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱