2019年Precious11月号の「好きなコーディネート」1位~10位を発表します
ラグジュアリー・ファッション誌『Precious(プレシャス)』11月号をお読みいただいた読者へのアンケート調査(ネットアンケート・郵便はがき)で、「好きなコーディネート」に選ばれたスタイリングを、その理由と着こなしのコツを交え、ランキング形式でご紹介します。
今回は10スタイルのうち、5スタイルが上下が黒同士、グレー同士など「ワントーン」な色調でまとめているコーディネートで占められました。ふつうに上下同じ色で着てしまうと、のっぺり感や制服感が出てしまいますが、合わせるアウターの質感や、ブーツやバッグなどの艶感のあるレザー小物の存在で、奥行きのある着こなしに見せることができます。レザーストラップがのっぺりさせないアクセサリー効果を発揮するためか、ショルダーバッグ率が高いのも特徴。
また、ロングブーツの復活により、ひざ下丈・ミディ丈のスカートに合わせる「ロング&ロング」の足元バランスも好まれている様子。
それではさっそく、9位から順を追って1位まで見ていきましょう(※)。このなかに、あなたが真似してみたいコーディネートはありますか?
【9位】トレンチコートとワンピースで凛とした美しい女性に
「かっこよくてシンプル」「トレンチコートなのに華やか」「マッキントッシュのトレンチコートのシルエットが美しすぎます!」など、凛とした美しい雰囲気に評価が寄せられたコーディネート。シンプルエレガントな黒のロングワンピースの傍で、歩くたびにレオパード柄が覗く、しなやかな色気が人気を集めた様子。レースアップサンダルやホーザーリーの艶感も、美しさに拍車をかけています。
【9位】特別なオーラが漂うエルメスのブーツをデニムにINし、コートとグローブで端正に
「バッグとブーツの組み合わせがいい」「ベーシックでマネしやすそう」「エルメスのレザーのよさがいかんなく発揮されていて、美しい」との声が寄せられた、エルメス特集の1シーン。
カジュアルさのなかにも、気品が漂う美しいフォルムから、エルメスの真骨頂ともいわれる「乗馬ブーツ」。今季は、カーフレザーの本体に加え、マットラッカーのバックルも、ラバーソールもブラックというモデルが登場。シックで軽やかなブーツは、大人のオンからオフまで幅広く活躍するアイテムです。
【6位】長めトレンチコート&ロングスカート&ロングブーツで優美に
「色合わせが素敵」「コートとスカートのバランスが上手」「コートとブーツのバランスがいい」「知的で上品」という声が寄せられた、長めのトレンチコート&長めスカートに、ロングブーツを合わせたロング&リーンなコーディネート。
ロング丈コートのベストパートナーは、ミディ丈のタイトめなスカートと、黒のロングブーツ。コートのボリューム感に負けず、バランスよく安定感のある着こなしに仕上がるのです。さらに、黒のロングブーツのなかでも、エレガントなヒールタイプを選ぶことで、スタイルアップと同時に、コートスタイルに上品な女らしさが生まれます。ヴァレクストラの極シンプルなホワイトのバッグも、抜け感をつくるのに大切な要素。
【6位】ムートンジャケットとオフ白のタートルネック&パンツでスッキリ見せたワントーンコーデ
「色合わせが好き」「すっきりしている」「優しくて品のある女性に見られそう」「上品なのにアクティブ感があって、楽しそう」と、色合わせと動きやすさに評価が集まっていたのがこのスタイリング。
オフ白~グレージュでまとめた好感度の高いカジュアルは、全体をピンクがかったニュアンス色でそろえることが成功のポイント。まずはインナーのタートルとパンツをピンクがかったオフ白でつなげて縦を強調。そこに一段濃い、ピンクみの強いグレージュ系のムートンジャケットをプラス。そで口に配したファーの色が、インのニットやパンツとリンクしているから、全体のまとまり感が生まれます。
【6位】ニットスカート×ロングブーツでしなやかな&女らしいコーデ
読者から寄せられた声の代表は「上品でまとまり感がある」「リラックスしているのにリッチに見える」「真似できそう」。
グレーのタートルネックニットとミディ丈のスカートのセットアップに、端正な黒のスエードブーツを合わせ、優しげなメリハリをつくったスタイリング。タイトスカートとロングブーツが、すっきりとしたラインを実現しています。
グレート相性のいいソリッドなシルバーのジュエリーたちを手元に添えているのもポイント。辛口な輝きが、シャープな印象を与えます。
【4位】白で統一した上下に、なじませベージュのカーディガンでリッチに
「色選びが好みです」「スニーカーなのにゴージャス!」「カジュアルでも品がいいカジュアルになっているのがいい」など、高級感とカジュアル感が上手に融合しているコーディネートが4位に選出。
極薄で透け感のあるトップスとマットなパンツを、黄みがかったクリーミーホワイトで統一した「ワントーン」に、 黄みが強いベージュのカーディガンをプラス。モヘア混の起毛素材がリッチ な表情を与えて。
優しい淡色でなじませた 「上品ワントーン」は、エレガントな装いでも、カジュアルな装いでもうまくいく、大人にとってなくてはならないカラーリングだということがわかります。
「今までもプラチナやクリーミーなど、同色で濃淡差をつけた着こなしを提案してきましたが、実は淡い色ほど色をそろえるのが難しい」と語るのは、このコーディネートを手がけたスタイリスト大西真理子さん。「たとえば、ベージュでも青みの強いものから、黄みの強いものまでいろいろあるでしょ。その微差を無視しては成り立ちません!」。
確かに、ミラノマダムのスナップでも、違和感なく流れるような一体感は必要不可欠。色調を吟味すれば、より上品なワントーンを実現することができます。
【4位】ふんわりとエアリーなスカートを、ビターなブーツで引き締める
「スタイルが良く見える」「スカートとブーツのバランスが絶妙」「スカートの質感が素敵」「カジュアルなニットにセンシュアルなスカートという組み合わせがいい」という声が読者から寄せられたスタイリング、こちらも同率4位。
約10mにも及ぶ生地を用い、4層に重ねたやわらかなチュールスカートと、光沢のあるバイカーブーツのレザーが奏でるコンビネーションが見事。定番のざっくりタートルニット+ロングスカートというフェミニンなスタイルに、メリハリを出すことに成功しています。
TASAKIのデザイン性のあるジュエリーも、のっぺりさせず立体的に見せる一助に。
【2位】コンパクトな上半身に、フェミニンなAラインスカートの黄金バランス
「華やかなのにシック」「スカーフの取り入れ方が絶妙に上手」「黒のワントーン、真似してみたくなった!シックで素敵」と絶賛の声が相次いだのが、難しい黒のワントーンを洗練させて見せているスカートスタイル。
ひじ下までの長いリブ、セットインスリーブの端正なシルエットを繊細なカシミア糸で表現したタートルニットを、ボトムインしてウエストマーク。首元のスカーフは小さめにあしらう、シルバーのチェーンや金具がポイントとなる黒のバッグやブーツを合わせる、太ベルトで立体感を出しつつ足長に見せるなど、小物使いの絶妙さが高い支持に繋がりました。
【2位】美脚効果の高いロングブーツでタイトスカートのバランスアップを
「すっきり見えてエレガント」「女性らしくてかっこいい」「アイテムの組み合わせのバランスが整っている」とこちらも同率2位の評価を得たスタイリングです。
トレンドの「ミディ丈スカート」と、ブーム再燃中の「黒のロングブーツ」の相性の良さを証明しているコーディネートです。ブーティやパンプスを合わせると、脚のラインが分断されてしまいますが、ロングブーツでスカートからのぞく脚をすっぽりと覆ってしまうことで、バランスよく決まるのです。これによって、女らしくもハンサムという、絶妙な印象をかなえることができるコーディネートになっています。
【1位】タートルニット×ミディ丈のスカート×ロングブーツ×ショルダーバッグという黄金方程式
「シンプルで真似しやすい」「色合わせが素敵。特にニットの色が素敵」「白のボトムなら何でも合いそう」といった声が寄せられ、最も人気を集めたスタイリングがこちら。
ロングコートやミディスカートなど、ともすれば重心が下がりがちな難しい丈のアイテムを、すっきりバランスよく着こなすために必要不可欠な「ロングブーツ」を主役にした装いです。
ロングブーツの着こなしを成功へと導く第一条件は、端正なフォルム&シックカラーを選ぶこと。これによって、コートやスカートのベストパートナーとなり、長く愛用することがきます。
こちらのスタイリングは、ミディ丈のAラインスカートに、人気再燃中の端正なフォルム&ナチュラルな艶が美しい乗馬ブーツを合わせた装い。こっくりとしたコニャック色が、秋のトラッドスタイルに奥行きをもたらしています。
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以上、ファッション誌「Precious(プレシャス)」2019年11月号の読者アンケート調査で、好きなコーディネートに選ばれたスタイリングを10スタイル、お見せしました。甘めカラーのアウターを着るときはパンツスタイル、濃いめ・辛口カラーのアウターやトップスを着るときはスカートスタイルと、フェミニンとマニッシュのバランスを上手に取り入れているスタイリングが多く見られましたね。
また、全体的に重ねる洋服がふえるぶん、ジュエリーは大きめのものを複数つけるほうが、コーディネートに立体感が生まれる様子。バッグの金具とのカラーリングを合わせることも大切だとわかりました。
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現在発売中のPrecious12月号では、年末年始の華やかなシーンで活用できるワンピースと、その着こなしを大特集。グレーとベージュの中間色「グレージュ」の甘さと辛さがMIXしたスタイリング特集も掲載、これに合わせてセルジオ ロッシとコラボした「ディープグレージュタイツ」が1冊に1枚、特別付録として付いてきます。
冬の着こなしの参考集と、実際の冬の着こなしに活かせる現物との2つの組み合わせ、ぜひお手にとっていただき、ご活用いただければ幸いです。