ある日、自分が好きで着てきた服が、何かの変化で「似合わなくなった」ことに気づく。40代になり、大きな変化があったわけではないけれど、少しずつ体型が変わってきた? これまで着てきたブランドの新作を試着しても、しっくりこない。けれど、どこがどう変わったのか、明確に言葉にしづらかったり、なんとなくだったり。

30代後半から40代の大人の女性が「口にはしづらいけれど、モヤモヤと抱いているコーデの悩み」に対して、明確な指針を示してくれるプロが今、脚光を浴びています。たとえば、ひとつの百貨店内を一緒に回ってくれ、ショップを横断しながら、その人の体格や立場、年齢、雰囲気にふさわしいアイテムを寄り添うように的確に選んでくれる、「パーソナルスタイリスト」という存在です。

髙島屋新宿店4階 エクセラウンジ内でパーソナルスタイリングを手がける、スタイリストの長友妙子さん

「パーソナルスタイリスト」とは?

言葉自体は耳にしたことがあっても、サービスの内容までは分からない…という人も、実際には多いのではないでしょうか。パーソナルスタイリングとは、オシャレのプロがそろぞれの悩みを解消しながら「なりたい自分を表現」するお手伝いをしてくれるサービスのこと。「いつもと違うスタイルに挑戦してみたいと購入したアイテムがあるけれど、スタイリングの仕方がわからず長年クローゼットで眠っている」、「自分に合うサイズ感が分からない」、「仕事が忙しくゆっくり服を見る時間がないので、プロに的確なアイテムを選んでほしい」などなど、着こなしの悩みは十人十色。

今回は、ファッションのスペシャリストである長友妙子さんが体験者の悩みを解決しながらスタイル提案をする、その一連を、Precious.jp編集部が潜入取材してきました。舞台は、忙しく働くキャリア女性が時短で買い物を楽しめるよう、最大30〜40ブランドから選りすぐったアイテムが一堂にそろえられたリュクスなセレクトショップ「エクセラウンジ」のある、髙島屋新宿店。「エクセラウンジ」では、着る人のお悩みを解決しながらコーディネートのテクニックを教えてくれる、「パーソナルスタイリング」のサービスを提供しています。


教えてくれる人
長友妙子さん スタイリスト
雑誌『Precious』をはじめ、数々のファッション誌や女優からの指名が絶えないファッションスタイリスト。約30数年という経験を生かし、著名人だけでなく一般層に向けたパーソナルスタイリングをスタート。それぞれに寄り添った愛あるスタイリングにファンが絶えない、日本有数のカリスマスタイリストのひとり。

今回の参加者
頼住典恵さん
元CA、現在マナー講師。職業柄ワードローブの中が白、紺、黒、ベージュなど、ベーシックなカラーに偏りがちなことについて悩んでいる。「ワンピースにジャケット、という当たり障りのないスタイルばかり選んでしまうので、いつもと違ったコーディネートに挑戦してみたいです」。

「パーソナルスタイリング」の中身を拝見します

今回は、個人へのパーソナルスタイリング歴10年に及ぶスタイリスト、長友妙子さんが手がける「パーソナルスタイリングサービス」の一連の流れに密着。体験者である頼住さんのお悩みを見事解決してゆく行程を、余すところなくご紹介します。

■1:カウンセリング【約30分】

  • カウンセリング時、お客さまの悩みを入念に聞き出す長友さん
  • 事前アンケートを元にカウンセリングを実施

まずは、ほかのお客様とは隔絶されたラウンジ内の場所で、カウンセリングから。サービス受益者に事前に記載いただいたアンケートをもとに、スタイリストが悩みを聞き出します。体験者である頼住さんが「ワンピース中心でマンネリ化しているスタイルを一新したい」と希望したため、今回のお題は「仕事にも使える色・柄に挑戦」することに決定。

■2:服や小物を選ぶ【約90分】

参加者の悩みを解決するアイテムを次々に選んでいく長友さん

続いて、エクセランジ内でコーディネートの軸となる洋服を選びます。このとき、参加者の好きな色味や柄、なりたいイメージなどを、実際にアイテムを目で確認しながら、具体的な方向性を決めていきます。

「こういう発色のいいピンクも好きなのですが、自分ではなかなか選べなくて……」(頼住さん)

「では薄いグレーのパンツと合わせた、シックなスタイルとして取り入れてみましょうか」(長友さん)

参加者が無理なく新しいスタイルを取り入れられるよう、配慮しながらコーディネート用のアイテムをセレクトしていきます。

館内のショップを巡る長友さんと頼住さん

参加者の要望にも応じながら、館内のほかの店舗からもアイテムをセレクトしていきます。ひとつのショップでなく、横断的にスタイリストと回れるというのも、百貨店という場所ならではのサービス。路面店など、ほかでは考えられません。

  • 合わせる小物を選ぶ長友さん
  • アクセサリーは大振りのものを選出
  • エクセラウンジ内には30〜40ブランドから厳選されたアイテムがそろう

最後に、洋服に合わせる小物をピックアップしてアイテム選びは完了です。いつもエレガントなスタイルが多いという頼住さんには、今回、カジュアルダウンするスタイリング提案を考えているという長友さん。「すべてのアイテムがカジュアルに寄りすぎると大人の品格が欠けてしまうので、バッグは上品な印象のレザー素材のものを選んでいます。アクセサリーは存在感のある大振りのもので色付けしようと思っています」。

■3:スタイリングをつくる【3・4合わせて約90分】

  • 長友さんが選りすぐったアイテムたち。
  • アクセサリー類は存在感のあるものをセレクト。

2.で選んだアイテムを並べ、長友さんが目的別にコーディネート。通常7〜8スタイル、アイテム数でいうと20着以上ピックアップすることもあるとか。わかりやすく並べてスタイリングの完成、いよいよ実際に着てみます。ここまでで約1時間。それぞれのオーダーや悩みにもよりますが、セレクトとスタイリングの早さはさすがプロ。「できるだけゆっくりフィッティングの時間が取れるようにしています」という長友さんの気遣いからも、ファンが多いのに頷けます。

■4:参加者がフィッティング【3・4合わせて約90分】

待ちに待ったフィッティングがスタート

長友さんが組み立てたコーディネートを1着ずつ、実際に試着していきます。頼住さん、今回はテーマの異なる4スタイルを試着してみることになりました。

BEFORE(普段の頼住さんのスタイル)

ベーシックなホワイトワンピースで訪れた頼住さん。パンプスを合わせた隙のないエレガントな装いが定番。

ベーシックな色味の服を選びがちという頼住さん。普段はワンピースにパンプスを合わせただけの、シンプルなスタイリングがほとんどだとか。

 

AFTER(長友さんが提案するスタイリング)

<A>初級編:普段着をアップデートする

まずは無理なく挑戦できるスタイルからスタート

まずは、普段のスタイルから極端にかけ離れていないスタイリングを提案したという長友さん。「違和感なく着られる範囲が本人も自信を持てるので、まずは普段着を少しアップデートするイメージでスタイリングしました」。

・コーディネートのポイント

スポーティーなムードを牽引するブラックラインが新鮮

「手持ちのアイテムを使用してコーディネートの幅を広げてあげたい」という長友さんは、誰でも一枚は持っているであろうブラックトップスをモダンにスタイルアップしてくれる、今年らしい短丈のワイドパンツを主役に選出。スポーティーなムードを牽引するブラックのパイピングがモダンに仕上げ、コンサバティブな印象を払拭してくれます。サイドで結ぶウエストベルトは、リボンではなく、あえてシンプルに結ぶことでシックな印象に。「頼住さんも普段から着られているという淡いピンクをベースにすることで、安心して挑戦できるスタイルだと思います」。

・頼住さんの感想

「自分の持っているアイテムをグレードアップできる点がうれしいです。夏らしいコーディネートで、気分も軽やかになります。まるで海外セレブになったような気分です」。

<B>中級編:存在感のある色を1色足す

次に、強い色味を主役にした華やかなスタイルを提案。

次に、頼住さんが「自分では選んだことがない」というビビッドカラーを選出。「普段から着ている系統の色味ならご本人も挑戦しやすいかな、と思い、フューシャピンクにしました。トップスで取り入れると目線も上に行き華やかさもアップするのでオススメです」。

・コーディネートのポイント

普段着慣れたシルク素材を選出。

新しい色にチャレンジするときには「普段着慣れている素材で取り入れるとハードルが低くなる」と、長友さん。今回は頼住さんも愛用されている上質なシルク素材を選びました。バングルは袖のデザインと合わせてこなれて。

ワイドパンツはとろみ素材を選ぶとトレンディな仕上がりに。

「今年らしさを意識するなら、ジャストウエストでトップスをインすること。トップスの色味が強いので、ボトムスにグレーなど落ち着いた色味を合わせることで上品に着こなせますよ」。

・頼住さんの感想

「カクテルパーティーにも堂々と着ていけそうです。気分が一気にアガりました! 色のもつパワーって、すごいですね」。

<C>上級編:大胆な色・柄に挑戦する

大胆な色・柄でネクストステージへ!

頼住さんが、少しずつ新しいスタイルに対応できるようになったところで、トレンドカラーの「ブルー」で遊んだスタイリングを提案した長友さん。「街中でもリゾートでも着られるような、大人のバカンススタイルです。寒色系のグラデーションでまとめると落ち着いた大人にも着こなしやすいですよ」。

・コーディネートのポイント

  • ベストバランスを見つけるのが鉄則。
  • 前だけインするのか今年のルール。
  • 色・柄の好バランスを見つけて。

「全体の色バランスが最重要ポイント」だと長友さん。今回は、ホワイトと色・柄の分量を慎重に調整しながら、頼住さんがいちばん美しく見える好バランスを探りました。「参加者の方にはサイズ直しをお勧めすることもあります。せっかくパーソナルスタイリングを体験されるのですから、いちばん素敵に見えるよう、最善のアドバイスをさせていただいてます」。

・頼住さんの感想

「『こういう大胆なスタイルも似合うんだ』って分かって、正直にうれしいです。サンダルを履くこと自体が初めてなのですが、こんなに履き心地がいいなんて! 欲しくなりました」。

<D>最上級編:デザインや小物で遊ぶ

最後は遊び心を投入した大胆なスタイルに挑戦。

いつもと違ったスタイルに慣れてきたところで、最後に「究極にこなれ感のある『大人のTシャツスタイル』に挑戦していただきました」と長友さん。「どこまで自分が変われるか、をリアルに体験していただくため、小物でアレンジを効かせて遊んでいます」。

・コーディネートのポイント

  •  大人のTシャツ選びはデザインが鍵。
  • ハットは目深にかぶって。
  • パンツは短丈がトレンディ。

「カジュアルな印象のあるTシャツを取り入れるときは、大人の品格を失わないよう、デザイン性の強いアイテムを選ぶことが重要です」。小物を合わせる際にも、カジュアルダウンし過ぎないよう、上質素材を意識すると失敗しにくいとか。くるぶし丈のパンツを選ぶことで、軽やかなムードに。「夏を最大限に満喫できる、大人のリゾートスタイルです」。

・頼住さんの感想

「Tシャツやストロー素材の小物など、すべて初体験なのでとても気分がいいです。今すぐバカンスに行きたい!と思わせるコーディネートです」。

5:購入アイテムを決定して終了【全部で3時間30分】

すべてのコーディネートを試着したところで、購入するアイテムを決定します。購入するアイテムを最大限に楽しめるよう、アレンジ方法など、心置きなく長友さんに質問や相談をしましょう。

今回、長友さんが提案した解決策

お題:仕事にも使える色・柄スタイル
頼住さんらしいエレガントなムードを牽引しつつ、普段着ない色・柄を加えカジュアル要素も入れながら、パンツスタイルにも挑戦するなど、自分の中の新たな一面を発見してもらうこと。

体験者の頼住さんに、実際に欲しい! と思ったスタイリングをひとつ選んでいただいたところ、<B>中級編:存在感のある色を1色足したコーディネートだと即答。「華やかトップスの色味が気に入ったのと、オンオフどちらでも着られそうなコーディネートでしたので、ぜひワードローブに加えたい、と思いました」。

そして、パーソナルスタイリング全体の感想を伺うと、「まさか自分が似合うと思っていないコーディネートに挑戦できたのが面白かったです。これからはいろんなスタイルに挑戦していきたいです」と大満足のご様子。

 

この「パーソナルスタイリング」のサービスで長友さんが大切にしているのは「その人らしさから外れない枠で、新しい自分に出会ってもらうこと」。参加者の普段のスタイルを知るために事前カウンセリングを入念に行い、新しいスタイルに難なく挑戦できるようコーディネートを組みます。そして「スタイリングで提案させていただいた全アイテムを新たに購入するのではなく、手持ちのアイテムに買い足していけるよう、アレンジ方法をアドバイスするのも私の仕事」とも。

参加者の悩みは十人十色。それぞれの悩みに進撃に寄り添う姿勢が支持され、希望者が後を絶たないという長友さんの「パーソナルスタイリング」サービス。スタイリングの幅を広げたい方、自分の新たな表情を見つけてみたい方は、是非、一度利用されてみることをおすすめします。

*記事内のパーソナルスタイリングで使用した商品はすべて参考商品となります。

■パーソナルスタイリングサービスの詳細
基本:3時間30分 ¥50,000、2時間30分 ¥40,000(税抜、商品代は別途)<予約制>
*パーソナルスタイリングは髙島屋新宿店エクセラウンジのみのサービスとなります。

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この記事の執筆者
Precious.jp編集部は、使える実用的なラグジュアリー情報をお届けするデジタル&エディトリアル集団です。ファッション、美容、お出かけ、ライフスタイル、カルチャー、ブランドなどの厳選された情報を、ていねいな解説と上質で美しいビジュアルでお伝えします。
PHOTO :
鈴木 智哉(キリンニジイロ)
EDIT&WRITING :
石原あや乃
DIRECTION :
長友妙子