パルミジャーノ、モッツァレラ、マルスカルポーネにカマンベール……。チーズといえば、イタリアやフランスなどヨーロッパのイメージが強いかと思います。ですが近年、状況は一変! 日本のチーズが注目され、評価もうなぎのぼりだというのです。

教えてくれたのは、これまで食べたチーズは500種類以上、超難関の「チーズプロフェッショナル」の資格を持ち、豊富な知識で飲食店のチーズレシピも考案しているという芸人のチーズボーイさん。

「ヨーロッパの職人さんも『日本のチーズがおいしい』と言うほど国産チーズのレベルが上がった一番の理由は、SNS。フェイスブックやインスタグラムなどで、ヨーロッパの職人さんにコンタクトが取りやすくなり、日本の職人さんが海外へ修行に行きやすくなることでチーズのレベルが上がる、という技術向上のサイクルができたんです」(チーズボーイさん)

このエピソードが紹介されたのは、TBS系列のバラエティ番組『林先生の初耳学』。これには、番組で“賢人”を務める林修先生もびっくり! 国産チーズがおいしくなった理由がわかったところで、チーズボーイさんが番組内で紹介してくれた、2020年特に注目すべき3つの国産チーズについても、本記事でご紹介します。

オンライン注文もOK!2020年流行間違いナシの「国産チーズ」3選

■1:無添加だからこそのおいしさ「森のチーズ」/チーズ工房 那須の森

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「森のチーズ」100g ¥780(税込)

栃木県にある「チーズ工房 那須の森」の代表・落合一彦さんは、元農林水産省の研究職員という異色の経歴を持つお方。定年後さまざまな海外産のチーズを食べながら、独自にチーズの研究を続け、添加物を使わず安心・安全かつおいしいチーズをつくり上げました。

ひとつめのこだわりは、日本には少数しかいないブラウンスイス牛の牛乳を使用すること。乳成分が濃く、コクのある風味でチーズづくりに適しているのだそうです。

ふたつめのこだわりは、添加物を使わないこと。発酵が難しいチーズづくりでは、発酵調整剤などを使って製品の均一化を図るそうですが、こちらでは温度・湿度・カビの繁殖具合のベストなバランスを図り、10年以上かけて完全無添加にたどり着いたのだとか。

なかでも人気なのが「森のチーズ」。最低4か月熟成したセミハードタイプのナチュラルチーズで、無添加だからこそ生まれるミルク本来の甘みやコクが引き立ちます。昨年のワールド・チーズ・アワード2019では、見事金賞を受賞しました。

チーズボーイさんおすすめの食べ方は、チーズフォンデュ。加熱することでミルクのコクがより一層強く感じられるそうです。とろけたチーズが口いっぱいに広がるように、好きな具材にたっぷり絡ませていただきたいですね。

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■2:キャラメルのような後味に驚く!「ブルーチーズ」/アトリエ・ド・フロマージュ

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「ブルーチーズ」100g ¥1,400(税抜)

長野県東御市に本店を構える「アトリエ・ド・フロマージュ」は、1982年創業の老舗チーズ工房。「日本のブルゴーニュ」と言われるほどフランスに似た風土を持つこの地は、発酵食品をつくるのに最適。創業者夫妻が培ってきた確かな技術と、近隣で搾られる良質な生乳でさまざまなチーズがつくられています。

そのなかでもチーズボーイさんイチ押しは「ブルーチーズ」。ブルーチーズといえば、見た目・味・香りすべてにおいてインパクトが強いため、苦手な方も多いかもしれません。ところが、アトリエ・ド・フロマージュのものは苦手な方でも食べられるというのです。

秘密は製造方法。一般的には、空気に触れることで青カビを熟成させてつくりますが、カビが育ち切る前にアルミ箔を巻いて成長を抑制することで、クセのない味わいができるのだそう。チーズ内部の青カビの周囲が白くなってくる頃からが食べ頃なのだとか。

番組で試食した出演者たちは「臭みがない」「後味はキャラメルのよう」と絶賛していましたよ。

おすすめの食べ方はピザで、キャラメルのような風味を堪能するために、あえてブルーチーズだけをのせて焼くのがポイントなのだとか。キャラメルのようなチーズとはいったいどんな味か、食べて確かめてみる価値がありそうですね!

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■3:「自然」と「和」が調和した唯一無二のチーズ「フロマージュ・ド・みらさか」/三良坂フロマージュ

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「フロマージュ・ド・みらさか」¥1,050~(税抜)※店舗ごとに値段は異なります。

広島県にある「三良坂フロマージュ」最大の特徴は、山で家畜を自然放牧する「山地酪農」というスタイルをとっていること。オーナーの松原正典さんは山のことを知るために2年間林業に従事し、その後チーズづくりを学ぶためにフランスへ。帰国後お店をオープンし、それから3年後にようやく貯金と地元の方の協力で山を購入することができたそうです。

そんな三良坂フロマージュで目指すのは、フランスとイタリアで学んだ伝統製法に日本人独特のエッセンスを加えたチーズづくり。番組で紹介された「フロマージュ・ド・みらさか」は、柏の葉でくるまれています。最初はほんのり酸味がありますが、熟成が進んでいくと少しずつ酸味が抜け、濃厚なチーズへと変化しするそう。

「完全にご主人のオリジナルの製法で、柏の葉で水分を保ちクリーミーな食感になる」とチーズボーイさん。受賞歴を多数持ち、国際線ファーストクラスの機内食でも提供されたというこちらのチーズは、ベーコンの包み焼きにするのがおいしいそうです。

チーズをベーコンでくるんでオーブンで焼くと、ベーコンの中で香りが凝縮しトロッとした食感と爽やかな香りが広がります。そのお味に、「チーズの頂点です!」と出演者のSexy Zone中島健人さんも興奮気味でした。

季節によって牛たちが食べる草の種類が違うため、ミルクの性質も変わり、チーズの味もその時々で変わるのだとか。自然の恵みに想いを馳せながら堪能したいものです。

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現在、新型コロナウイルス感染症の影響で、全国的に外出の自粛が求められています。友人と外食はできないかもしれませんが、おいしいものを自宅に取り寄せて心ゆくまで堪能することはできます。今、求められるのは発想をプラスに変える力かもしれません。

週末はちょっぴり明るいうちから、ワインと国産チーズで贅沢なおうち時間を過ごしてみませんか?

この記事の執筆者
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WRITING :
篠原亜由美
EDIT :
小林麻美