世界中にファンをもつスタイルアイコンのひとりであるジャンヌ・モロー。

2017年7月31日(月)にパリの自宅で死去した、フランスを代表する大女優、ジャンヌ・モロー。いわゆる「媚びない女らしさ」を自然体で表現することのできる「かっこいい」女優のひとりとして、世界中の女性たちに多大な影響を及ぼした彼女の悲報にショックを受けた人も多いのでは。人気スタイリストである押田比呂美さんもそのひとりです。世界的なスタイルアイコンに追悼の意を込めて、ラグジュアリーマガジン『Precious』での特集記事とともに美しき女優人生を振り返ります。

ジャンヌ・モロー
PROFILE
Jeanne Moreau(ジャンヌ・モロー)
1928年1月23日フランス、パリ生まれ。国立高等演劇学校で演技を学び、'48年にデビュー。フランス出身の女優であり歌手。ルイ・マル監督の『死刑台のエレベーター』('58年)で脚光を浴び、映画運動「ヌーベルバーグ」を代表する女優として活躍。『突然炎のごとく』('62年)、『恋人たち』('58年)、『ニキータ』('90年)など、多数の名作に出演、『クロワッサンで朝食を』では至福のシャネルの洋服を着用したことでも話題に。映画界への多大な貢献を評価され、'92年にはヴェネツィア国際映画祭で栄誉金獅子賞、'97年にヨーロッパ映画賞で生涯貢献賞、'00年にはベルリン国際映画祭で金熊名誉賞を受賞した、世界が認める女優のひとり。

本誌企画とともに振り返るスタイルアイコンの生き様

ラグジュアリーマガジン『Precious』では、長年に渡り、さまざまな角度からジャンヌ・モローを紹介してきました。今回は色褪せないスタイルアイコンの着こなしを、本誌特集から抜き出しでご紹介します。

【2008年9月号】スタイリスト押田さんに影響を与えたスタイルアイコンとして登場

  • 『死刑台のエレベーター』のジャンヌのファッションが原点だというスタイリスト、押田比呂美さん。
  • 『Precious 9月号』(小学館、2008年より引用)

2008年9月号では、カリスマスタイリストである押田比呂美さんが理想とする「ベーシック」スタイルの原点として、ジャンヌのスタイルを紹介しました。「シンプルな黒いドレスをパールで艶やかに着こなす彼女を観たとき、女性のかっこよさに開眼しました。彼女をはじめ、その時代の女優たちは、スーツやワンピースなど女性らしさを引き立てる洋服、エレガントなジュエリーや小物で品のよいセクシーさを演出しています」(押田さんコメント、本誌より引用)

【2012年2月号】辛口ワンピースの名手としてランクイン!

『Precious 2月号』(小学館、2012年より引用)

2012年2月号では、「おしゃれのお手本」企画内で、辛口ワンピースの名手として紹介。女らしいのに媚びのない、研ぎ澄まされた大人の美意識を感じさせるワンピーススタイルを、甘い着こなしには気恥ずかしさを感じてためらってしまうプレシャス世代のお手本スタイルとしてクローズアップしました。

【2013年11月号】「女優ブラック」スタイルの代表として登場

『Precious 11月号』(小学館、2013年より引用)

極上の洗練美を物語る艶めきの「ブラックスタイル」を研究する企画にて、大人の女の品格を上げる「女優ブラック」代表するひとりとして、ブラックのファーコートを主役にした迫力あるお散歩スタイルを紹介しました。

【2017年1月号】自然体が美しい小粋なフレンチスタイル代表として選出

  • 無造作なオフスタイルのジャンヌにフォーカス。
  • 『Precious 1月号』(小学館、2017年より引用)

自然体が美しいフレンチ女優から小粋な着こなしテクニックを学ぶ企画内で、いつの時代でも色褪せないスタイルアイコンとして登場。『死刑台のエレベーター』では襟元のデザインがアイコニックなシャネルスーツでモードっぽい映画衣装もさらりと着こなしていましたが、ここではニットコートとブーツ、クロコ素材の「ケリー」という無造作なオフスタイルのジャンヌにフォーカスしました。

『Precious』本誌でもジャンヌ・モローに関する企画を手掛けられたスタイリストのひとりである押田さんは「訃報を聞いて驚きました。私が20代のころから憧れ、影響を受けてきた人。私にとっての美しさの基準でもありました。ただ顔がきれいなだけの女優さんではなく、ファッションセンスがよく個性的なオーラをお持ちのたいへん魅力的な方。お亡くなりになったことは非常に残念ですが、彼女の輝かしい功績は生き続けるはず。心からのご冥福をお祈りいたします。そしてまた彼女の映画作品を見直して、その美しさに浸りたいと思います」とコメント。

多くの人に影響を与え、いつの時代でも愛されるスタイルアイコンであったジャンヌ・モロー。女優魂を感じさせる「スタイル」はきっと、これからも人々の心の中で生き続けることでしょう。

この記事の執筆者
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AFLO
EDIT&WRITING :
石原あや乃