今、伊勢丹新宿店で最も売れているタオル、それが「カルメンタオル 0.005」です。三越伊勢丹のプライベートブランド PRODUCT PROJECTより、2017年8月に発売したこのタオル。なんと伊勢丹新宿店では2か月で1,000枚が売れ、ライフスタイル雑貨の主力商品のひとつとなっています。

「カルメンタオル 0.005」ウォッシュタオル¥1,080、フェイスタオル¥1,944、バスタオル¥4,320(税込)

その「カルメンタオル 0.005」の特徴は、とにかくよく水を吸い、しかも乾くのが早い。さらに、洗っても毛羽落ちが少なく、ふわふわ感が長く続くこと。そんな都合がいいことって、あるんでしょうか?

今回お話を伺った、この「カルメンタオル 0.005」の開発を担当した、株式会社三越伊勢丹バイヤーの青木健二さん

今治タオルと比べて40倍、毛羽落ちしない

「『カルメンタオル 0.005』という名前の『0.005』は、第三者機関で計測した『カルメンタオル 0.005』を30回洗濯したときの毛羽落ち率が0.005%であること示しています。例えば今治タオルは、毛羽落ち率の基準が0.2%に定められています。つまり、それより40倍も毛羽落ちしにくいということになります」と青木さん。

30回洗って0.005%ということは、衣類と一緒に洗濯しても、毛羽がつきにくいということ。これはとってもうれしいですね。

洗濯を重ねるとボリュームが増す!

しかも驚くのが「カルメンタオル 0.005」は洗ったあとのほうがボリュームが増すということ。実際に10回洗ったものと、新品のものを並べて写真を撮ったのがこちら。

左が洗ったもの、右が新品のもの

青木さんの説明によると「高機能糸カルメン」という2重構造の糸を使っているため、空気を含む構造になっています。そのため洗うたびにかさが増します。また、この糸は繊維の表面積が大きいため、吸水性の良さにもつながっています。毛羽落ちしにくいだけでなく、洗うほどやわらかく、ふわふわにボリュームアップするタオルなんて、画期的です!

羊毛紡績の技術を綿に生かした糸「高機能糸カルメン」の開発

にわかに信じがたいほどメリットだらけの「カルメンタオル 0.005」。この、ほかのタオルと一線を画した特徴を生み出している「高機能糸カルメン」とは、いったいどんな糸なのでしょうか?

「株式会社 I.S.Tというメーカーの日興テキスタイル事業部というところで開発された新しい糸です。このメーカーは、もともと羊毛、つまりウールの紡績を行っていたんですが、その羊毛の紡績技術を、綿に応用するという斬新な発想で開発されたのがこの『高機能糸カルメン』です。」(青木さん)

株式会社 I.S.T はOA機器やプリンターのパーツ、不燃材などを中心に、さまざまな分野で世の中になかった新素材を開発・製造・販売し、事業展開している研究開発型の会社です。もともとBtoBのものづくりをしていましたが、新たにBtoC向けの商品を開発するチャレンジとして、新しく開発した「高機能糸カルメン」を使って、三越伊勢丹と新たな開発をしよう、というところからのスタートだったんだそう。

「肌着なども考えたのですが、タオルからスタートしたのは理由があります。いろいろなタオルが販売されていますが、綿そのものではタオルの機能にあまり差がつかない。大きな差となるのは、その紡績の方法によるんです。しかしタオル用の糸を生産しているところは限られており、既存の綿タオルは、各メーカーが織り方やデザインで差別化をしているような状況なんですね。なので機能の差がつけにくいんです。でも、この紡績方法から全く違う『高機能糸カルメン』を使えば、機能において大きな差別化が図れるのではないか、と思いました」と青木さん。

吸水性、速乾性に優れ、ふわふわなのに毛羽落ちしない。そんな理想的な機能を持つタオルは、今までにない方法でつくられた糸の開発から、生まれたものだったのです。

百貨店の強みを生かしたものづくり

素晴らしい機能を持つタオルの開発をするにあたり、青木さんは商品としての見せ方にもこだわりました。前はインテリアの担当をしていた青木さん。タオルが、部屋の中でどう置かれるかということを考えて色をセレクト。

インテリアのおしゃれなアクセントになるカラー展開

白、ベージュ、ブラウンなど定番カラーに加え、タオルでありがちな淡い黄色や水色、黄緑などは選ばず、ブルーグレーやビビッドピンクなど、インテリア映えするカラーをチョイス。

「¥5,000以内で、ボリュームのあるギフトを選びたいというニーズを視野に入れて、今までのタオルとは違う見せ方にこだわりました。一般的にタオルはたたんで、ディスプレイされることが多いなか、カルメンタオル0.005は、くるくる巻いてオリジナルのメッセージ入りのグログランリボンで結んでいます。タオルの色と、リボンの色の組み合わせにもこだわりました。こうして、インテリアの一部のように見せることで、タオルコーナーで目立つのはもちろんですが、ギフトとしてどのフロアにあっても違和感がない。お客さまのご要望や買い方を観察しながら、商品開発できるのも、百貨店の強みだと思います。」(青木さん)

もらった人がうれしくなるメッセージ入りリボン。おしゃれなグログランにこだわった

このリボンにプリントされたメッセージは「Your happiness is my pleasure.(あなたの幸せが私の幸せ)」。黒いリボンを巻いた白の「カルメンタオル 0.005」は、返礼ギフトにも好評なんだとか。

百貨店のものづくりのこれから

開発者のチャレンジ精神による新しい機能を持った商品の開発、店頭でまず手に取ってもらうための仕掛けには妥協しない。そして実際に使ってみてその機能性の高さを実感したら、お客さんは必ずリピートしてくれる。

その目論見通り「カルメンタオル 0.005」をヒットさせている青木さんは、自社製品をつくるにあたり、「埋没しないもの、ひとことで説明できる(わかりやすい)もの」というふたつの点にこだわっています。

「これからの時代、メリットやベネフィットがない商品は淘汰されていくと思っています。どの商品にも、店頭でお客さまにひと言で伝えられる合理的なメッセージがあるかを常に考えています。そのためには、商品の機能性・デザイン性・店頭での見せ方・伝え方には徹底してこだわります」と青木さん。

売り場を知っているからこそできる、消費者が欲しいものづくり。百貨店が流通の場だけではなく、消費者の生活シーンのマーケティングの場として生かされた成功例が、この「カルメンタオル 0.005」だったのです。

プレゼントされた人が、自分用に買いにくることも多いという「カルメンタオル 0.005」。自分のためにはもちろん、万人に喜ばれるギフトアイテムとしても、チェックしておいて損はありませんよ。

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EDIT&WRITING :
安念美和子