有名女優からも絶大な信頼を得るスタイリストの犬走 比佐乃さんから大人の女性へ向けて、ファッションの楽しみ方を教えていただく連載。第21回目では、犬走さんが仕事の相棒として長年愛用しているウォッチコレクションを披露いただきます。その中でも、何十年も愛用している貴重なモデルへの想いや選び方など、詳しくお聞きしました。

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犬走 比佐乃さん
スタイリスト
(いぬばしり ひさの)本誌をはじめ数々の女性誌や女優のスタイリングを手がけ、「マダム犬走」の愛称で多くのファンをもつ。30年以上を誇るキャリアと卓越した審美眼で、セレクト&スタイリングする自身の着こなしも、注目を集める。

なんと40年選手も!敏腕スタイリストがウォッチコレクションを披露

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犬走さんの私物

犬走さんはじっくり吟味して手に入れた腕時計を、長年愛用しているといいます。それは、仕事の相棒として丁寧に付き合っているから。トレンドに左右されず、どんなスタイルにも合わせやすいアイテムという機能面も気にしているからこそ、日常的に使いやすいデザインを選ぶ傾向があるとか。

「スタイリストは基本的には裏方の職業なので…。現場では、自分を飾り立ててアピールするというようりも、見やすさなど実用的な面を気にして選んでいるように思います」(犬走さん)

犬走流!腕時計を選ぶポイントは3つ

犬走さんが選ぶ腕時計の基準はかなり明確です。

1)パンツに合うシンプルでマニッシュなデザインであること
2)文字盤はダイヤルが見やすく、個人的に飽きがこないというサークルかオーバルの形であること
3)主張せずとも、格のあるブランドの長く愛せるモデルを選ぶこと

この指針は若い頃からブレておらず、犬走さんのコレクションは数十年愛用しているものばかり。自然と少数精鋭のコレクションとなるのもうなずけます。そして、デザインが自身の感性や時代に合わなくなってもケースにしまい込むこともないとか!

「デザインに飽きたな思ったら、ベルトや文字盤を替えたりもします。ちょっとアレンジを加えるだけで新鮮な気持ちになれるので、物を長く使う上では大切ですよね」(犬走さん)

こういった視点は、スタイリストとして第一線で活躍し続けていらっしゃる犬走さんならでは。ファッション賢者らしいウォッチへの愛情の注ぎ方も素敵ですね。

犬走さんが長年愛用する3ブランドが判明!溺愛モデルをご紹介

今回は、30年以上愛用されていて特に溺愛しているモデルを中心に、犬走さんお気に入りの3ブランドにフォーカスします。

■1:長年虜になっているのは「カルティエ」の洗練されたフォルム

数あるブランドの中でも、若い頃から憧れていた腕時計がカルティエ。特に楕円形のフェイスが特徴の「ベニュワール」の美しさには、長年虜になっているそう。

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カルティエの3本はシンプルながら、どことなく女性らしさを感じるデザインばかり(犬走さんの私物)

「このなめらかな形が美しいですよね」と話す犬走さんにとっての、ファースト「ベニュワール」は、写真  中央のゴールドのモデル。

「先輩が持っているのが羨ましくて、30年以上前に香港で購入しました。いつの時代でも古くならない洗練されたエレガンスは、今の時代にこそ相応しいデザインのような気がします」(犬走さん)

写真 右の黒いベルトの「ベニュワール」にもこんな思い出が。

「これは映画『昼顔』でカトリーヌ・ドヌーヴがつけていたモデル。時代に合わせて何度もベルトを付け替え、ずっと活躍させています」(犬走さん)

デザインが時代や自分のセンスと合わなくなっても、ベルトなどを付け替えて若返らせるのも犬走さんのテクニック。これはすぐにでも真似したいですね。

写真 左の「サントス オクタゴン」は現在流通していない希少なモデル。これも30年選手とのことで、犬走さんのカルティエ愛の深さが伝わってきます。

■2:フェイスの色を変えて自分好みに育てている「ロレックス」

ロレックスの腕時計も長きに渡って愛用しているモデル。ただし、犬走さんの好みにフィットするよう、こちらもブラッシュアップさせています。

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黒いフェイスにすることでマニッシュなムードも際立ちます(犬走さんの私物)

購入当時はフェイスもベゼルと同じゴールドだったものの、10年ほど前に黒いフェイスに変更しています。

「ベルトは買った当時のままですが、フェイスを黒にするだけで手元が締まって見えますよね。ゴールドと黒の配色もスタイリッシュで気に入っています」(犬走さん)

新しいモデルを手に入れてコレクションを更新していくのは楽しい。でも犬走さんのようにお気に入りを育てる感覚で付き合っていくのは、目の肥えた大人だからこそできるウォッチの楽しみ方と言えるでしょう。

■3:「フランク ミュラー」の生産終了品も古く見えないのは、確かなセンスがあるから

フランク ミュラーといえば、エレガントなトノウ(樽)型のフェイスがアイコンですが、こちらはスポーティな円形フェイス。生産終了した「トランスアメリカ」というモデルで、今も時計好きに根強い人気を誇っています。

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シックなフェイスながら、インデックスの赤いトリミングに遊び心を感じさせます(犬走さんの私物)

こちらも円形のフェイスに、シンプルなデザインと犬走さんの条件に合致しています。それ以外にもこんなお気に入りポイントが。

「フェイスのシックなトリコロールが珍しくて可愛いですよね。お仕事スタイルをじゃますることなく、少し遊び心を効かせたい時にぴったりです」(犬走さん)


人気スタイリストの犬走比佐乃さんから、大人の女性に必要なファッションの選び方を教えていただく連載。第21回目は、犬走さんが長年活躍させているウォッチコレクションをクローズアップしました。

犬走さんが長年愛用されている腕時計はどれも、時代に左右されない芯ある女性に似合うデザインでした。スタイリストならではのアレンジテクニックも、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の執筆者
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PHOTO :
黒石あみ(小学館)
WRITING :
津島千佳
EDIT :
石原あや乃