牛乳用調味料であるミルメークは、1967年(昭和42年)ごろに発売され、牛乳が苦手でもミルメークを混ぜると飲めるという子どもが増えたため、愛知県をはじめとして学校給食に広く採用されたもの。そんなミルメークは昨年の2017年で50周年を迎えたといいます。

そして近年は、コラボ商品がぞくぞく開発され、菓子パンやロールケーキ、アイスバー、わらびもちにまで展開しています。

そんな進化を遂げ、いまだに注目され続けているミルメークの魅力について、製造・販売メーカーの大島食品工業の担当者さんに伺いました。

■ミルメーク開発のきっかけ

  • 昭和50年代の旧ミルメークコーヒー10g小袋
  • 現在のミルメーク「学校給食用(40個入)」(一部)

ミルメークとは、牛乳に調味するためのコーヒーやココア、いちご、バナナなど味のある粉末・液体商品のこと。

その開発のきっかけは、学校給食の飲料が脱脂粉乳から牛乳へと変わる過渡期に、足りなくなる栄養をおいしく補えないかという栃木県学校給食会から打診されたことにあったといいます。

試行錯誤の末、カルシウムをインスタントコーヒーに混ぜたところ、カルシウムの独特の風味やビタミン臭が、コーヒーの味で見事にカバーされたのだそうです。これにピンときて、初代ミルメークが誕生します。栃木県学校給食会にも無事採用され、発売後に大ヒットしたといいます。

このミルメーク、給食に出たかどうかは地域差があるようです。また、at home VOXが行った2015年の給食に関するアンケート結果のうち、40代と50代の人のコメントにミルメークが登場していました。40~50代の世代の懐かしのメニューであるようです。

コーヒーの他にも味展開がされています。大島食品工業の担当者さんによると、「ココアパウダーやいちご、メロンの香料を入れ過ぎると濃く、くどくなるので、何度も調整をし、牛乳瓶一本飲んでもおいしい味を目指しました」とのことでした。

ヒットの背景には、たくさんの苦労が隠されていたようです。

■コラボ商品の数々

ミルメークは、平成に入ってから抹茶きなこや胡麻きなこ、バナナ、メロンなどのさまざまな味を発売し、2006年には乳飲料とコラボしたコンビニ限定商品を発売。さらに2010年には食べるミルメークラムネや、敷島製パンとのコラボしたミルメークパンを発売。近年もミルメークコーヒーシュークリーム・エクレア、ミルメークアイスバー、ミルメークわらびもちなど、変わったコラボ商品が続々と登場しています。もはや元祖ミルメークを超えた個性の光る商品の数々に、驚くばかりです。

「ミルメークひとつぶキャンデー」(東海地区発売)238円(税込)
「ミルメークひとつぶキャンデー」(東海地区発売)238円(税込)

●ミルメーク年表

ミルメーク年表
ミルメーク年表

そして、2017年にはミルメーク誕生50周年を迎え、ミルメークをさらに発展させる予定があるのかと担当者さんに尋ねてみました。

「ミルメークは基本的に学校給食で飲む子供向けとしてつくっておりますが、今後は大人向けのミルメークができないかと検討をしております。最新のコラボ商品としては、豊橋のメーカー様とお土産用にミルメークロールケーキ(コーヒー、メロン)をつくりました」

  • (手前)「ミルメークロールケーキ(コーヒー)」(上郷SA限定)1,080円(税込)
  • 「ミルメークロールケーキ(コーヒー)」パッケージ(上郷SA限定)1,080円(税込)

ミルメークロールケーキは、ロールケーキにはさむ生クリームとミルメークを合わせたもの。子どもはもちろん、大人でも懐かしの味を楽しみながらおいしく堪能できそうな商品です。

今後、ますます期待の高まる大人向けのミルメーク。一度ヒットしたものは、形を変えても、惹かれる何かがあるようです。

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Precious.jp編集部 
2018.5.4 更新
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