新しい柄を心待ちにしているファンも多い、HERMÈS(エルメス)のスカーフ。1937年に誕生して以来、2,500点以上にのぼるデザインが発表されてきました。今季は、その歴史のなかにあってもひときわユニークな「セルフィー」をモチーフにした新作が登場!
コミカルな作風で知られるイラストレーター、ジョナサン・バートンがソーシャル・ネットワークの世界をユーモアたっぷりに描き出しました。スカーフとしてはもちろん、観賞用としても楽しめるアート性の高い逸品をご紹介します。
エルメスならではの、大人の遊び心に脱帽!「セルフィー」を描いたカレが話題
「セルフィー」を描いた話題のスカーフは、使いやすい形(正方形)とサイズ(90×90㎝)でエルメスのスカーフのなかでも人気が高い「カレ 90」の新作。デザインを担当したのは、今回でカレを手がけるのが2度目となるイギリス人イラストレーター、ジョナサン・バートン。タイトルは、その名も「エルメス・ストーリー」。インスタグラムのストーリーにちなんだと思われる、ソーシャルネットワーク時代を象徴するようなタイトルです。
雪山の頂上で「セルフィー」!?現代社会をユーモラスに表現
ソーシャルネットワークの世界では、より多くの「いいね!」や共感を得ようと、ときに極端な行動をとったり、オーバーなポーズを取ったりしてしまうことも。ジョナサン・バートンがユーモアを込めて、かつ鋭く描き出したのは、そんな現代社会の一面。
「カレ 90〈エルメス・ストーリー〉」では、雪山の頂上で木馬に乗った女性とその仲間たちがアクロバットさながらにポーズを取っています。誰かがよろめいたら全体のバランスも台無し! そんな不安定な足もとも何のその、自撮り棒を持った女性をはじめ、みんなが思いっきりドレスアップをしているところが何とも的確に今の時代を表しています。
亀とペリカンがハットを被っておめかし
動物たちのおめかしっぷりにもぜひご注目を!亀とペリカンがハットを被っています。おすましした表情も「セルフィー」仕様ですよね。全8色展開の「カレ 90 〈エルメス・ストーリー〉」には、春夏コレクションらしい、軽やかな色使いが揃っているのも特徴。淡いピンクやブルーといったパステルカラーを多用しており、写真の黒ベースのタイプも、効果的に使われた明るくカラフルな色が目を引きます。
「セルフィー」は大成功!ストーリー性のあるデザイン
「カレ 90〈エルメス・ストーリー〉」にはその名の通り、デザインにストーリー性が込められています。スカーフの左上には(蝶ネクタイを結んだキリンもキュート!)、スマートフォンの周りに「いいね!」を表すハートがたくさん描かれています。
つまり、危険なロケーションで投稿に臨んだ女性と動物たちの「セルフィー」は大成功! 繊細な筆致と豊かな色彩表現、さらには現代社会をユーモアたっぷりに描き出す感性を備えた傑作といえるでしょう。
長い歴史をもつエルメスのカレには、大きく分けて2タイプの絵柄が存在します。馬具などブランドに息づくオーセンティックな世界観を表す絵柄と、アメコミ調やポップなデザインなどユーモアあふれる絵柄。言うまでもなく、今回の「カレ 90〈エルメス・ストーリー〉」は後者。
ルロタージュ仕上げ(手作業で施された縁かがり)など職人技がいきる上質なシルクスカーフに、ウイットのきいた絵柄をあしらう……。この大人の遊び心こそ、エルメスの真骨頂といえます。使いやすい形とサイズの「カレ 90」は、首に巻いたり、ベルトにしたり、ヘアバンドにしたりとさまざまなアレンジが可能。「カレ 90〈エルメス・ストーリー〉」は、ファッション小物として活用するのはもちろん、眺めるのも楽しい、アート性の高い逸品です。
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- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- 大原敏政(aosora)
- WRITING :
- 門前直子