年齢とともに目尻もまぶたもズルズルと下がり、印象が弱くなる目。ただ、目元を強く見せたいからとむやみにアイメイクを濃くするだけでは、きつくて怖い顔になるだけ。今求められているのは、遠目でも至近距離から見られても古くさい厚化粧に映らず、頑張りすぎない、しなやかな美しさと知的な存在感。それをメイクで実現するには、上まぶただけのアイメイクでは足りません。

実は、自然に目元を若返らせるためには下まぶたのメイクが必要なのです。ただ、下まぶたは手つかずのまま放置してきた部分だという人が多いのではないでしょうか? なぜそこにメイクをするのか、いきなり言われてもピンとこないものですよね。まずは、年齢とともに目力がなくなっていくメカニズムと一緒に、その必要性から確認していきましょう。

■下まぶたメイクをすることで「間延びゾーン」が縮まり、黄金比が取り戻せる

デザインの黄金比のように、メイクにも美人に見える黄金比というものがあります。実は、プロがメイクをするとどんな人もまるで魔法のように若く美しく変身するのは、この「黄金比」になっているからなのです。

縦のバランスは、生え際から目の真ん中(瞳の中央)までの長さと、目の真ん中(瞳の中央)から口角までの長さが同じであること。横のバランスは、目の横幅と右の目頭と左の目頭との距離が同じであること

この黄金比、目元には縦のバランスと横のバランスのふたつが存在します。縦のバランスは、生え際から目の真ん中(瞳の中央)までの長さと、目の真ん中(瞳の中央)から口角までの長さが同じであること。そして横のバランスは、目の横幅と右の目頭と左の目頭との距離が同じであること。これが美人顔の黄金比といわれています。

下まつげ、下まぶたをふっくらふさふさに

ところが年をとるとたるみによって目尻が下がり、まぶたがゆるみ、皮膚が被って目そのものが小さくなっていきます。顔の間延びによって美人の黄金比からどんどんかけ離れていき、恐怖の老け顔になってしまうというわけなのです。そのため、目を縦に横に大きく見せるメイクを取り入れなくてはいけません。その効果が高いのが、今回ご紹介する下まぶたメイクというわけです。

下まぶたメイクは実に簡単。ポイントは大きく、(1)アイシャドウで涙堂をふっくら強調する、(2)ブラウンのアイラインで目尻を引き上げて横幅を強調する、(3)マスカラでまつげを引き出して縦幅を広げる、の3つ。この美人の黄金比に修正できれば、多少のシワやシミがあっても気にならないほど若返り効果は絶大。一瞬で変われるのですから、やってみる価値ありです。

■1:不幸顔に見せるクマ・くすみをオレンジ系コンシーラーで消す

下まぶたメイクは、始める前に仕込みが必要です。目元に、青グマ、たるみの影、紫外線による茶ぐすみなどがあると、澱んだ印象を与え、生活感のある疲れ顔に見せてしまいがち。しかし、スキンケアでなんとかするには時間がかかります。そこで活用すべきはコンシーラー。ファンデーションではカバーしきれなかった目の下の暗みを飛ばす粉体を多く含み、薄塗りのまま、加齢トラブルをカバーしてくれるものを選択しましょう。下まぶたメイクで、実はこれが最も重要なポイントです。

まずは形状ですが、筆ペンやチップタイプのゆるめテクスチャーがベスト。色は、蔓延する小ジワも目立たせないオレンジ系のベージュを選択しましょう。クマやくすみを消したいから…と自分の肌色よりも白いベージュのコンシーラーを使うと、目の下だけ白く浮き上がり膨張してしまうため、目が小さく見えることが多いのです。

さらに白く明るいタイプは、地の肌の青グマが透けて、グレーに濁ることもあるので注意が必要。消去法で考えると、青グマの補色となる、オレンジを含んだ肌なじみのいいベージュが適任なのです。薄塗りで青グマもくすみも、たるみの影も消せる万能タイプですし、アバウトに塗っても失敗しません。ゆるめのオレンジ系コンシーラーを、以下のように下まぶたに使用してください。

(1)クマ、くすみが目立つ部分にオレンジ系コンシーラーをのせる

オレンジ系コンシーラーをのせる

下まぶたの際にたまらないように、際から5mmくらい離れたところから、縦に線を描くように塗布すること。

(2)こするのではなく、軽くたたきながらなじませる

たたきながらなじませる

こすると下のファンデーションまでヨレてムラになってしまうので、薬指で軽くたたくようになじませるのが正解です。

(3)ムラになったコンシーラーを優しく押さえる

コンシーラーを優しくおさえる

スポンジで押さえるようにすると、ムラが消えるし、余分な油分を吸収できて、よりフィット感が高まります。

■2:たるみで間延びした顔が引き締まる「下まぶたメイク」の7ステップ

コンシーラーを使った仕込みが終わったら、いよいよ色をのせていきます。使用するアイテムは「パールオレンジ」か「パールモーヴピンク」のアイシャドウと、ブラウンのアイライナーと黒マスカラ。このたった3アイテムだけ。

ただし、のせる範囲には注意が必要です。最大のポイントはアイシャドウをのせる範囲。涙堂の幅=下まつげの生え際から約5mmの幅で、目頭から目尻までのせていきます。このとき、アイシャドウチップの先端だけに軽くトントンとしながら、アイシャドウをとって、それをそのまま下まぶたの際に当てて、中央→目尻→中央→目頭の順にチップを動かすと、勝手に5mm幅に色がのります。

そして、ブラウンのアイラインを入れる範囲も重要。目頭から目尻まできっちり引いてしまうときつくなるし、上まぶたのラインと合わさって目を囲むことになり、かえって目が小さく見えてしまいます。

正解は黒目の内側の位置から目尻の5mm手前まで。これはプロがやっている隠しワザで、目頭側と目尻側に入れないことで、抜け感が出てきつく見えないのに、たるみ目尻を引き上げる効果が絶大。

下まぶたメイクは、のせる範囲さえ間違わなければ絶対に失敗しないので、上まぶたのグラデーションづくりよりもはるかに簡単。少しの手間で加齢目元を劇的に大きくし、たるみ顔を引き締めてくれます。その手順は以下の通りです。

(1)チップの先端だけに色をとる

アイシャドウはチップの先端に少量!

チップにとる量が、下まぶたメイクの最も大事なポイント。アイシャドウをとるときはチップの先端に少量だけをとること。これをそのまま塗布するだけで、最適な幅である涙堂の幅=5mm幅にのせることができます。チップの先端にアイシャドウを軽くトントンとつける程度で十分。つけすぎると悪目立ちする失敗のもとです。

(2)チップの先端だけを当てて、力を入れずなでるように塗る

下まぶたの目尻側まで5mm幅でのせます

起点は中央からで、初めに下まぶたの目尻側まで5mm幅でのせます。目尻や目頭から塗り始めると、アイシャドウがたまりやすいので中央から始めるのが鉄則。チップはベタッと寝かせず、先端だけが当たるようにして滑らせます。

(3)中央→目尻→中央→目頭の順にチップを動かす

こするのはNG、軽いタッチで滑らすように

目頭まできたら、また目尻にチップを動かし、これを2~3回往復するとムラが消えて、肌になじんでより自然に見えます。こすらないように、軽いタッチで滑らすように行うこと。使用するチップは付属のものでもOK。スティックの場合は、芯先を垂直に当てて5mm幅になるように塗布。つきすぎたら指かチップでなじませましょう。

(4)チップの幅=5mm幅にのせる

涙袋をふっくらと見せましょう

これだけでも自然と目の縦幅が広がります。下まぶたメイクは難しい、厚化粧になりそうと思っている人も、この方法なら失敗なし。涙堂=涙袋をふっくらと見せるオレンジやモーヴピンクなら、作為的にならずに自然だし、女らしい華やかさも生まれ、開運効果がアップ!

(5)黒目を大きく見せるブラウンのアイラインをひく

ペンシルはラインが太くならないよう、先端を使う

まず中央の黒目の幅(約1cm)から小刻みに、ペンシルを左右に動かしながら描く。このときペンシルは寝かさずに垂直に立て、ラインが太くならないように先端を使うこと。きつさが出ないように、なるべく細いラインに仕上げましょう。

(6)目尻側は5mmあける

目尻まできっちり描くのはNG

次に目尻側5mm手前までラインを描く。たるみ目尻がキュッと引き上がり、若々しい印象に。目尻まできっちり描くとラインが強調されすぎてきつくなるうえ、目が小さく見えることも。抜け感をつくるだけで、ナチュラル感が生まれます。

(7)寝ている下まつげを「下方向に方向づける」ように塗布する

 

下まつげのマスカラの塗り方は2ステップ。まずは中央、目頭、目尻と3つのパートに分けて塗布したら、次にブラシを縦に持ち、目尻側に寝てしまっている毛を起こすようにしながら塗布して、隠れている毛を引き出す作業をしましょう。つけすぎないように、余分な液をしごいてから。下まつげの根元側を押して、毛を下向きに方向づけるように塗布してください。

塗布する範囲を間違わなければ失敗しません。この簡単ステップで、目の大きさが変わり、美人の黄金比に近づきます。目元の若々しさを取り戻したいなら、さっそく今日から取り入れてみましょう。

PHOTO :
鈴木 宏(人物)、戸田嘉昭・池田 敦(パイルドライバー/静物)
HAIR MAKE :
尾花ケイコ
MODEL :
真樹麗子(Precious専属)
EDIT :
荒川千佳子、五十嵐享子(Precious)
RECONSTRUCT :
藤岡あかね