『シャネル・ネクサス・ホール』にて注目のキューバ人アーティストによる国内初の個展『WHERE OCEANS MEET』開催
芸術をこよなく愛し、芸術家たちを支援しつづけたことでも知られるガブリエル シャネル。その精神を受け継ぎ、東京・銀座のシャネル銀座ビルディングに2004年12月に設けられた『シャネル・ネクサス・ホール』では、コンサートや展覧会など、注目のアーティストによるさまざまな企画展が開催されています。
2023年3月1日(水)からは、新進気鋭のキューバ人アーティスト・マベル ポブレットさんによる個展が開催されます。展示作品とともに詳しくご紹介します。
(〈Homeland〉シリーズ)を展示している。彼女の作品は、タンパ美術館やフォンタナルス=シスネロス美術財団(CIFO)、ラテンアメリカ美術館(MOLA)、およびクライスラー美術館等に収蔵されているほか、最近ではパブリックアート作品《Genesis》が米国ノースカロライナ州のスティーブンタンガー舞台芸術センターに落成した。
“水” と “海” をテーマにした展覧会『WHERE OCEANS MEET』
『WHERE OCEANS MEET』と題された今回の個展のテーマが “水” と “海” 。キューバ出身の彼女にとって、“水” はキューバと日本の共通点であり、 “海” と共存する島国ならではの文化的独自性をも表しています。
これらの作品について、以下のように解説されています。
【海は私たちを隔てると同時に、結びつけ、より親密にしてくれる要素でもあります。文化的・政治的な
事情によって個々の体験は異なりますが、島に生きる人々が旅をするとき、彼らを運ぶのが海であることに
変わりはありません。例えば、現代のキューバ社会において移民はごく身近にある現象であり、マベル ポブ
レットの作品でも重要な位置を占めています。この現象と、時には救い、また時には災いをもたらす海の
本質的な役割について、彼女は良し悪しを判断することなく、観察し、語り、問いかけるのです】
展覧会では、マベル ポブレットさんのこれまでの作品のなかから、代表作となる〈My Autumn〉〈Homeland〉〈Travel Diary〉シリーズから本展のために新たに制作された作品に加え、ビデオインスタレーション《SUBLIMATION》(〈Buoyancy〉シリーズ )も展示されます。
今回は特別に、本展覧会にラインナップされる作品のなかからいくつかをご紹介します。
〈My Autumn〉シリーズ
〈My Autumn〉シリーズは、存在の儚さという概念と、それでも成長し続ける人間の、ある意味では無限の道について考察を行っています。
ピラミッド型の折り紙で構成された作品は、天に届こうとしているかのように上へと向かう構造により、 無限という概念を強調し、時に螺旋のように見える人生を連作にすることで再現しています。
〈Homeland〉シリーズ
〈Homeland〉シリーズは、“移民” というテーマを個人的な視点からではなく、集合的な現象として捉え、自らの起源や祖国に対して抱く移民たちの思慕の念だけでなく、国家意識や政治的思考についても考察しています。
「シャネル・ネクサス・ホール」にて、2023年3月1日(水)から開催される、新進気鋭のキューバ人アーティスト・マベル ポブレットさんによる個展は、いずれも見る者を魅了するアートばかり。
今度の休日は、銀座まで足をのばし、現代アートシーンで活躍する新進気鋭の若手アーティストの感性に触れてみてはいかがでしょうか。
『WHERE OCEANS MEET』マベル ポブレット展
会期:2023年3月1日(水)〜 4月2日(日)
会場:シャネル・ネクサス・ホール(東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F)
開館時間:11:00~19:00 (最終入場18:30)
会期中無休・入場無料・予約不要
問い合わせ先
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- PHOTO :
- All photos courtesy of Alejandro Gonzales