「おしゃれの沼」住人の沼落ちエピソードは、まだまだあります!

『Precious』の誌面づくりを影で支えるスタッフたちのおしゃれ心を掴んで離さない、私的【沼】アイテムを調査! ふだん表に出ない、それぞれのファッション観に迫ります。

ファッション・エディターYの場合:「こだわりの条件を満たす小ぶりバッグを見つけると、もう買わずにはいられない。昨シーズンは、10個以上に!」

バッグ_2

私が勝手に本の「新書サイズ」と呼んでいるバッグに、ここ数年ドはまり中です。なぜって、働く女性の相棒バッグと確信したから。ポイントは、横長財布や350mlのペットボトルがストレスなく収まるサイズ感。ストラップも程よく長さがあり、流行のボリュームトップスの形も崩しません。

「ザ ロウ」や「ヴァレクストラ」…、「同じもの持っていない?」と周囲に言われても、お財布の紐は緩みっぱなし。

スタイリストHの場合:「シャツ偏愛歴は、20年以上に…理想のシャツを求めて、パリまで誂えに行ったことも」

シャツ_1

せっかくだから…と、シャツ好きの聖地「シャルベ」のパリ本店を訪れたのは数十年前のこと。店内に積み上げられた美しい生地から誂えてもらった一枚は、評判どおりの仕上がり。形はいたってベーシックですが、着ていると今も必ずほめられます。

もう「シャルベ」以外のシャツには戻れないかもと心配したけれど、最高峰を知ることで、より【シャツ沼】の深みにはまって。私にとっては嬉しい誤算でした!

フリーライターMの場合:「流行のドレスよりも高級ストッキングに投資。今ではひと目で、編み方や色、厚みまでも見極められるまでに…」

Preciousの「ホーザリー特集」を担当した際、名品に巡り合うために…と、百貨店のストッキング売り場に通い、すみずみまではき比べては、編み、厚み、微細な色の違いを自己投資で徹底的に研究。今では、デニール数から、ブランドごとの微妙な色名まで、しっかり把握するまでに。

周囲からはうんちくがすぎて面倒くさがられるけど、大人の女性ほど投資する価値のあるアイテム。消耗品とは呼ばせません。

ファッション・エディターNの場合:「遠目からも認知されるくらい、気づくとほぼ365日、全身淡ベージュに! もうこの沼から抜け出せない」

ベージュ_1

淡ベージュのワードローブが9割を占めるクローゼットは、私の最もお気に入りの場所。この色に沼落ちしたのは、どんな色ともなじむように計算し尽くされた「エルメス」のベージュを体感したことから。

以来、オートミールに近い淡ベージュを目にすると、ブランドやトレンドに関係なく、手に入れてしまうように。集めた一点一点のベージュを重ねながら、毎朝コーディネートを考えるのが楽しくて仕方ない!

デザイナーOの場合:「靴箱にズラリと並んだハンサムな男靴は、すべて私のコレクション! でも、家族は迷惑そう…」

靴_1

30代前半に携わったメンズ誌時代は、ひたすら伊達男スナップをチェック。そこで開眼したのが、男靴! 当時レディスのサイズが手に入りやすかった「トリッカーズ」や「チャーチ」の靴を購入しては、味のある足元を目指してジムやスーパー、犬の散歩にも履いていました。

程よく経年変化した靴が並んだ姿を眺めていると、「まだまだ」と言われているようで。夫はそんな私の独りよがりの妄想に、呆れ顔です。

ディレクターKの場合:「大人のTシャツは新鮮さとディテールが命! ハイブランドからプチプラまで毎シーズン見逃さない」

決して収集癖はないのですが、襟ぐりが絶妙に詰まったTシャツを、自己満足的に長年追い求めています。もちろんこだわりの条件はほかにもあるのですが、最愛アイテムだけに、年齢を重ねても常にフレッシュな状態をキープしたい。

お気に入りのブランドも毎年同じものがあるとは限らないので、これと思ったものは大人買い必至。いつしか、私の箪笥の一段はすべて白Tシャツで埋め尽くされるように…。

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ILLUSTRATION :
齊藤木綿子
EDIT&WRITING :
兼信実加子、喜多容子(Precious)