「ブルガリ」というメゾンを初めて知ったきっかけは、“ブルガリ・ブルガリ”だった──Precious世代なら、そんな人も多いのではないでしょうか? ベゼルに刻印されたロゴがこの上なくアイコニックなこの名品ウォッチが、誕生50周年を迎えた今年、その原点に回帰したイエローゴールドと柔和な表情のピンクゴールドのニューモデルを携え、新たな伝説を刻み始めました。

新たな“ブルガリ・ブルガリ”が体現する「Time is Gold」

「LVMH ウォッチ ウィーク 2024」の開催にあたり「ブルガリ」がウォッチメイキングのテーマとして掲げたのは「Time is Gold」。タイムレスであることを追求するなかで、恒久的なエレガンスを具現化し、ノーブルでミステリアス、そしてレジェンダリーである存在に「ゴールド」以上のものはないという思いが、そこには込められています。

今回は3つのコレクションが発表されましたが、「Time is Gold」をもっとも体現していると私が感じたのは、“ブルガリ・ブルガリ”です。

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ピンクゴールドモデルのダイヤルはシルバーマットオパーリン。ストラップの色味とも上品に調和し、穏やかな高級感が漂う。
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“ブルガリ・ブルガリ”の原点となるイエローゴールドケースは、ブラックのダイヤル&ストラップの組み合わせで強いリッチインパクトを放つ。

誕生は1975 年。創業者一族であり、当時「ブルガリ」の経営トップだったジャンニ・ブルガリ氏が思い描いたタイムピースが、伝説的デザイナー、ジェラルド・ジェンタの手によって形となった“ブルガリ・ブルガリ”。

「BVLGARI BVLGARI」の文字が刻まれたイエローゴールドのベゼル、その前代未聞の大胆なデザインはウォッチ&ジュエリー界に衝撃を与え、世界的に称賛を浴び、メゾンの存在をより広く知らしめるきっかけになりました。ベゼルのデザインの着想源は、皇帝の彫像がその力と権威を讃えた文字の刻印で囲まれている古代ローマのコイン。そしてケースはローマの寺院にある荘厳な円柱にインスパイアされたもの。

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1975年に誕生したオリジナルモデル。「BULGARI」でなく「BVLGARI」と表記するスペルは、ローマのトラヤヌス記念柱の土台に刻まれた碑文が着想源。

メゾンに息づくローマンスピリットと、イタリアの芸術と豊かな建築遺産に対する深い情熱を宿すこのタイムピースは、その後、80年代の華やかなムードと呼応し、「アイコン中のアイコン」と呼ばれる存在となったのです。

メゾンのDNAを完璧に具現化した、ゴールドケースの4モデル

近年は主に、大ぶりのサイズやマニッシュなデザインのモデルを展開していた“ブルガリ・ブルガリ”ですが、今回登場した新作は、いずれもオリジナルモデルの雰囲気を色濃く継承。半世紀という歳月を経てもなお褪せることのないモダニティとエレガンスは、「ブルガリ」のウォッチメイキングそのものを体現しているかのよう。

サイズは26mm径と38mm径、ケースはイエローゴールドとピンクゴールドのそれぞれ2バリエーション、全部で4モデルで展開されています。

■1:フェミニンな26mm径はクオーツムーブメント搭載

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「ブルガリ・ブルガリ」各¥1,265,000 ●ケース:左/イエローゴールド・右/ピンクゴールド ●ケース径:26mm ●ストラップ:アリゲーター ●ムーブメント:クオーツ ※2024年3月発売予定 

■2:自動巻きムーブメントを宿すジェンダーニュートラルな38mm径

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「ブルガリ・ブルガリ」各¥2,035,000 ●ケース:左/イエローゴールド・右/ピンクゴールド ●ケース径:38mm ●ストラップ:アリゲーター ●ムーブメント:自動巻き ※2024年3月発売予定 

“ブルガリ・ブルガリ”の生みの親であるジャンニ・ブルガリ氏は、このように述懐しています。

「“ブルガリ・ブルガリ”の成功の秘密は、親しみやすくて見やすい世界中のブルガリ ブランドのアンバサダーのような存在になったことでした。私の遺産は“ブルガリ・ブルガリ”をつくることだけでした。適切なタイミングで適切なことをしました。そしてそれは永遠にブルガリのもとに残るでしょう」

その言葉どおりとなった名品は次の50年、100年もメゾンの象徴として生き、進化を続けるに違いありません。

※掲載商品の価格は、すべて税込みです。

問い合わせ先

ブルガリ ジャパン

TEL:03-6362-0100

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この記事の執筆者
東京都出身。大学在学中から雑誌『JJ』などで執筆活動を開始。女性向け本格時計のムックに携わったことから、機械式時計に開眼。『Precious』などの女性誌において、本格時計の魅力を啓蒙した第一人者として知られる。SIHHとバーゼルワールドの取材歴は、女性ジャーナリストとしては屈指のキャリアの持ち主。好きなもの:海、ハワイ(特にハワイ島)、伊豆(特に下田)、桑田佳佑様、白い花、シャンパン、純米大吟醸酒、炊きたてのご飯、たまご、“芽乃舎”の野菜だし、“エルメス”のバッグと“シャネル”の靴、グレーのパーカー、温泉、スパ、素敵旅館、村上春樹、宇野千代先生、神社、日本の陶器(特に唐津焼)、朝ドラ、ドラミちゃん、長文のインタビュー原稿