「鎮守」ってなんと読む?「ちんしゅ」ではないですよ!

明日、12月19日は、江戸時代の名奉行・大岡忠相(おおおかただすけ)の忌日です。人情味あふれる「大岡裁き」の逸話は、戯曲やドラマの題材としても長く愛されていますね。エンタテイメントとして脚色されたものもあるようですが、大岡忠相は確かに名奉行と名高い人で、8代将軍・徳川吉宗の治世で町奉行から大名へと異例の出世をし、1751(宝暦元)年の12月19日、75歳で死去しています。大岡忠相は治安を守るために活躍した人ですので、本日は「守」という字の入った日本語クイズをお送りします。

【問題1】「越前守」ってなんと読む?

大岡忠相の官職名「越前守」の正しい読み方をお答えください。

ヒント:時代劇などではよく「大岡越前守忠相」という呼称が使われています。

<使用例>

「あちらにおわすは、大岡越前守忠相公にあらせられます」

かな7文字です。
かな7文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 越前守(えちぜんのかみ) です。

「守」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読みかた)に「かみ」がございます。
「守」の表外読み(常用漢字表に掲載されない読み方)に「かみ」がございます。

「越前守(えちぜんのかみ)」「能登(のとのかみ)」など、「○○守(○○のかみ)」という官職名は、7世紀ごろに成立した国司の職名で、当時は領地の地名と関連がありました。それがときを経て、江戸時代には領地とは関係ない、身分の表示的なものになっていたようです。「○○守(○○のかみ)」という読み方は、「羽柴筑前守秀吉(はしばちくぜんのかみひでよし)」など、ほかの歴史上の人物の関連でもよく登場しますので、大人の知識として覚えておきましょう。

では、二問目にまいります。

【問題2】「鎮守」ってなんと読む?

「鎮守」という日本語の正しい読み方をお答えください。

ヒント:「国・村・城・寺院など、一定の地域や造営物を守護するために祭られた神」などを意味する言葉です。

<使用例>

「実家は田舎だったから、子どものころは、地域が華やぐ鎮守さまのお祭りが楽しみだったわ」

かな4文字です。
かな4文字です。

…さて、正解は?

※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。

正解は↓に‼
正解は↓に‼

正解は… 鎮守(ちんじゅ) です。

例文のように「鎮守(ちんじゅ)さま」と、愛称的に呼ばれることもございます。

「鎮守(ちんじゅ)」は「鎮める(しず)める+守る」という構成の言葉で、一定の対象を霊的に守護する神を意味します。また、古くは「鎮守府」など「兵士を駐在させて、そのほかを鎮め守ること」という意味でも使われます。歴史的に定着している読み方で、「ちんしゅ」とは読みません。

***

本日は、12月19日、江戸時代の名奉行・大岡忠相の忌日にちなんで、「守」という字の入った日本語から、

・越前守(えちぜんのかみ)

・鎮守(ちんじゅ)

の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。

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Precious.jp編集部 
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参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
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小出 真朱