「御抱え」ってなんと読む?「おだきえ」ではありません!
明日、12月27日は『寒天発祥の日』です。これは、現在の暦で12月末ごろ、京都・伏見の御駕籠町(おかごちょう)で寒天の原料となるところてんが、初めて島津藩に献上されたという記録が資料から推察できる、ということで、同地区を拠点とする団体が、「24(ふし)+3(み)=27」の語呂合わせで12月27日を記念日としたものです。
寒天の原料は紅藻類(テングサ、オゴノリ)ですが、煮溶かして固めるとプルプルとした食感になるのは、原料の繊維質が、100倍以上もの水分を抱えることができるためです。
ということで、本日は「抱」という字の入った日本語クイズをお送りします。
【問題1】「御抱え」ってなんと読む?
「御抱え」という日本語の正しい読み方をお答えください。
ヒント:「人を雇って専属にしておくこと。また、その雇われた人」という意味です。
<使用例>
「あれだけ優秀な人を御抱えにしたいというなら、相当な交渉材が必要じゃない?」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 御抱え(おかか-え) です。
「抱(かか)える」は常用漢字の読み方ですが、動詞で見るとすんなり読めても、「御抱え」と名詞形だと読み方が思い浮かびにくい、ということもあるようです。「御抱え」と書いて「おかかえ」。正解できましたか?
では、二問目にまいりましょう。
【問題2】「抱く(○○く)」・・・なんと読む?
「抱く」という日本語の読み方として正しくなるよう、「○○く」の○に、それぞれ、かな1文字ずつ当てはめて完成させてください。
ヒント:「腕で抱(かか)える」「心に思う」「囲む。包(つつ)む」などの意味をもつ言葉です。
<使用例>
「私の故郷は、山に抱かれた(○○-かれた)奥深い場所にあるのです」
…さて、正解は?
※「?」画像をスクロールすると、正解が出てまいります。
正解は… 抱く(いだ-く) です。
「抱く」という表記だけ見て「だ-く」という読み方に捉われてしまった、という方もいらしたかと思います。「抱(いだ)く」は「抱(だ)く」よりもかしこまった、文語的なイメージの言葉で、ふたつの言葉の意味そのものは同じです。ルビがふってあるなど特別な指定がない場合は、まず「抱(だ)く」と読むでしょう。
ですが、たとえば「夢を抱く」と書いてあった場合などは「だく」より「いだく」と読んだほうが、趣のある美しい表現になりますね。実は「抱く」という表記は、読み方の主体的なセレクトが可能なケースが多く、読み手の語彙力やセンスにゆだねられる部分もある、ということです。新年にお年賀のメッセージを読み下す機会などに向けて、お留め置きくださいね。
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本日は、12月27日『寒天発祥の日』にちなんで、「抱」という字の入った日本語から、
・御抱え(おかか-え)
・抱く(いだ-く)
の読み方、言葉の背景についておさらいいたしました。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- BY :
- 参考資料:『日本大百科全書(ニッポニカ)』『精選版日本国語大辞典』『デジタル大辞泉』(小学館)/日本記念日協会ホームページ/『漢字ペディア』(日本漢字能力検定協会)
- ILLUSTRATION :
- 小出 真朱

















