高校の全国合唱コンクールで数々の賞を獲得し、「優勝請負⼈」とまで呼ばれた伝説の⾳楽教師・原⽥貴理⼦(鈴⽊京⾹)。本作は、かつての教え子たちが、すでに退職し、消息不明となっている“キリコ”の足取りをたどっていく中で、音楽のすばらしさや、周囲の人々との温かい絆を再確認していく物語です。

鈴木京香さん
俳優
(すずき きょうか)1968年5⽉31⽇⽣まれ、宮城県出⾝。⾼校時代にスカウトされてモデル活動をはじめ、森⽥芳光監督作『愛と平成の⾊男』(89)で⼥優デビュー。NHK連続テレビ⼩説『君の名は』(91)ではヒロイン役に抜擢され、お茶の間の注⽬を集める。以降も映画やTVドラマなどで活躍を続け、『119』(94)で⽇本アカデミー賞優秀助演⼥優賞、『⾎と⾻』(04)では⽇本アカデミー賞最優秀主演⼥優賞に輝いた。その後も『清須会議』(13)、『おかあさんの⽊』(15)、『グランメゾン・パリ』(24)、『栄光のバックホーム』(25)など多数の注⽬作品に出演。
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ニット¥594,000・スカート¥913,000・ブーツ¥422,400/参考商品/すべて予定価格(ブルネロ クチネリ ジャパン)、イヤーカフ[右耳]¥78,100・[左耳]¥151,800(Hirotaka 表参道ヒルズ)、その他/スタイリスト私物

「キリコは、私の憧れのキャラクターなんです」

──今回演じられたキリコは、“関西弁の音楽教師”という、少しクセのある役柄ですが、まずはこの作品に惹かれた、いちばんの理由を教えてください。

「“原田貴理子”というキャラクターが、面白いと思ったからです。あとは生徒役の皆さんと一緒に、ひとつの音楽をつくるという物語にも興味をもちました。演じるにあたり、ピアノや指揮といった少しハードルの高い課題もいっぱいあったのですが、それでもやってみたいなと。キリコになることができて、本当によかったと思います」

──“面白い”とは、たとえば具体的にどういったところでしょうか?

「キリコは個性的すぎて、初対面だと引かれちゃうような人との接し方をする人。関西弁で声も大きそうで、でも付き合っていくうちに、彼女の内面の温かさとか飾り気のなさが自然に伝わって、生徒たちとの絆も生まれていく。そういう人物像が面白かったですね」

──確かに、京香さんのイメージとは、ギャップのある役柄でした。

「自分の知人に、似た人がいて。初めて会ったときから『京香ちゃん!』って呼びかけてくれて、とても人との距離が近いんです。お友達に紹介すると、だいたい最初は『あの人少し変わってるわね』ってなるのですが、でも、だんだん彼女の素敵さに気づくんですよ。私も、彼女のそういう天真爛漫さ、大胆さに憧れていて。ああいうふうに、大人になっても素直に自分の感情を表しながら、人と付き合えたらいいなと思っているんです。だから脚本を読んだ瞬間に彼女のことが思い出されて、すぐにイメージができあがってしまいました」

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キリコになることができて、本当によかったなと思います(京香さん)

──そのお友達を参考に、役づくりをされたんですね。

「はい。作中で前髪を短く切っているのも、まさに彼女がこういう感じなんです。ファッションも、ヴィンテージの着物を和洋折衷にアレンジしたり、さまざまな時代の洋服を混ぜこぜに着てみたりしている方で。だから今回の作品では、どうしてもヴィンテージっぽいムードの衣装を着たくて、スタイリストさんにお願いしました。タイトスカートなどは、なかなかイメージ通りのものが見つからなかったので、生地を探してつくっていただいたんです」

──キリコは、どこかに京香さんとの共通点や、似たところがあるのかなと思っていたのですが、実はそうではなく……?

「“キリコに憧れている”感じですね。本当に、いつもこんなふうに素直にいられたらいいなと思います。うれしいときも怒っているときも、感情を隠さないじゃないですか。この年齢になると、気持ちをそのまま全部出せるなんて、なかなかできないけれど、こんなふうに生きることができたら。しかも、昔の生徒たちが自分のことを一生懸命探してくれる。教師としても人としても、幸せではないでしょうか」

「指揮は5か月猛特訓。下手なりに、でも楽しく演じられました」

──すごく愛情深くて、いい先生ですよね。ただ今回、関西弁を操るだけでなく、足が不自由だったり、ピアノを弾いたり、指揮をしたりと、実際に演じるのは、かなり難しそうでした。いちばん苦労したのは、どこになりますか?

「それは確実に、ピアノと指揮です」

──そうなんですね!

「関西弁に関しては、イントネーションを間違うかもしれないという思いもありましたが、それよりも、キリコの生徒に対しての勢いや情熱が削がれることのほうが嫌だったので、間違ってもいいと思っていたんです。もちろん、ある程度の準備や練習はしましたし、本来は間違えてはいけません。でも関西弁といっても、彼女の具体的な出身地ははっきりしていませんし、私としては、彼女のダイナミックな人との付き合い方や表現の仕方として関西弁が合っているから、とにかくそちらを大事にしようと。

その割り切りはすぐにできたので、言葉に関してはあまり不安はなかったのですが、ピアノと指揮はもう……。ピアノは、これまでも弾きながら演じたことはありましたが、やっぱり難しかったです。さらに指揮に関しては初めてで、とても興味があったものの、特に困難を極めました。でも本当に長い期間、じっくりと(ピアノと指揮の)先生に教えていただいたので、下手なりに、周りにご迷惑をおかけしながらも、でも楽しくやれるところまでできたのは、とてもありがたかったですね」。

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下手なりに、周りにご迷惑をおかけしながらも、でも楽しくやれるところまでできたのは、とてもありがたかった(京香さん)

──ピアノや指揮の練習は、どのくらいの期間をかけたんですか?

「ピアノは撮影する10か月前から始めて、指揮は5か月前くらいでしょうか。私が不安で仕方なくて、とりあえず指揮とはどういうものなのか、というところから入ったんです。先生には、本当に本当に、お世話になりました。実際にやってみると、指揮というものは、性格がしっかりしていて、リーダーシップがあり、自分の音楽に自信がないとできないなと。指揮者って本当に、とてもかっこいい!と、改めて思いました」

──確かに、合唱団のみんなを引っ張って、持ち上げる力が必要ですね。

「指揮者によって歌の質が上がるということが、最初はあまりピンときていなかったのですが、本当にそうだろうなと。知らない世界を知った感じですね」


Vol.2では、京香さんにとっての音楽や芸術とは何か。意外な幼少期のエピソードをはじめ、アートに対する熱い思いを語っていただきます!

『キリコのタクト〜YELL〜』10⽉2⽇(⾦)より新宿ピカデリーほか全国ロードショー

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原作:「キリコのタクト〜YELL〜」
監督・脚本・原作:雑賀俊朗
キャスト:鈴⽊京⾹ 藤原⼤祐 井頭愛海 ⽥辺桃⼦ ⻄垣 匠 榊原郁恵 ⼩⻄博之 ⼤島さと⼦ 四⽅堂 亘 ⼩泉今⽇⼦ 宅⿇ 伸 名取裕⼦
配給:KeyHolder Pictures
公式サイト / 公式X
(C)映画「キリコのタクト〜YELL〜」製作委員会

問い合わせ先

  • ブルネロ クチネリ ジャパン TEL:03-5276-8300
  • Hirotaka 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830
PHOTO :
三宮幹史(TRIVAL.)
STYLIST :
藤井享子
WRITING :
湯口かおり
EDIT :
福本絵里香(Precious.jp)