人生の後半戦を見据えて──40代からの決断と「キャリアの舵取り」
かの有名な中国の思想家・孔子は『論語』にて「四十にして惑はず」と述べたそうですが…、いやいや現代の40代は「不惑」どころか、迷うことばかり。そんな迷える私たちに、ひと筋の光を与えてくれる先輩たちの言葉には、これからを生きるヒントがぎゅっと詰まっています。
輝く先輩女性たちに、無我夢中で走り抜けてきた一周目が一段落した今、これから先の二周目、三周目はどんな未来を描きたいか?根掘り、葉掘り、お話しをお聞きしました。
今回は、サントリーホールディングス 執行役員 未来事業開発部担当の吉雄敬子(よしお けいこ)さんにお話しをうかがいました。
「40代がいちばん大変。でも、大変なことこそ楽しい。大変さと楽しさが、同じくらい鮮やかに蘇ります」──サントリーホールディングス 執行役員 未来事業開発部担当 吉雄敬子さん
「やってみなはれ」。失敗を恐れず挑み続ける精神は、サントリーの哲学だ。新卒で入社後は法務部へ配属。29歳でマーケティング部門へ異動後は『なっちゃん』や『金麦』などヒット商品を手掛けた。
「ヒットしたからその商品は目立つわけで、裏には想像を絶する数の失敗があります。まさに “やってみなはれ” です」
最初の転機は37歳、課長昇進のとき。
「内示を受けたのは育休明け直後。子どもが1歳になる前です。さすがに無理ですと伝えましたが、上司が協力する、なんとかなる、と。実際、上司も同僚も、チーム全員でサポートをしてくださいました。当時マーケティング部門での女性課長は少なく、私たち世代をロールモデルにという社の思いもあったと思います」
翌年に立ち上げた新ジャンル『金麦』が大ヒット。仕事をきちんとしたうえで、子どもに何かあれば全力でサポートする。そんなムードがさらに加速した。
「子育てとマネジメントの両立は大変だといわれますが、小さな子どもと違って相手は言葉が通じる大人です。しっかりと対話して、任せるところは任せる。マネジメントの役割は決断です。並行する仕事をパズルのように組み合わせながら要所要所で決断をする。時間を有効に使い、効率的に仕事を回すよう工夫しました」
44歳で部長に。この頃に小学校受験も経験。あまりに怒涛の日々で、当時のことはよく覚えていない…、と笑う。52歳でサントリー事業会社初の女性社長に。
「今思うと、やっぱり40代がいちばん大変だったと思います。子育ても管理職もこのままでいいのかと、ふっと不安になることもありました。でも、過ぎ去ってみれば大変さと楽しさが同じくらい蘇るんです。大変だからこそ楽しいんです。子育ても一段落ついて、できること・できないことが明確になる50代はもっと楽しいですよ。定年を見据えて、会社に恩返ししたい気持ちも強くなった今、100年後も続くビジネスを開拓中。スタートアップのおもしろさを体感しています」
〈吉雄敬子さんのHistory〉
22歳 :慶應義塾大学法学部卒業後、サントリーに入社
法務部を経て、食品、飲料のマーケティングに従事
『なっちゃん』などのヒット商品を手掛ける
37歳 :育休明け直後、ビール事業部ブランド戦略部課長に就任
38歳 :『金麦』が大ヒット
44歳 :サントリー食品インターナショナル食品事業本部ブランド戦略部部長に
45歳 :サントリー ビールブランド戦略部長に
52歳 :サントリーワインインターナショナルで事業会社初の女性社長に
55歳 :サントリー常務執行役員ワイン事業部本部長に就任
57歳 :サントリーホールディングス執行役員未来事業開発部担当
直感で一問一答!
◉好きな言葉は?「ニーバーの祈り。変えられないものを受け入れる静けさと変えられるものを変える勇気を願う祈りの言葉」
◉生まれ変わったら何になりたい?「スタートアップとして若いときに自分で事業を立ち上げたい」
◉動物に例えると?「馬。前へ駆けるから」
◉最近観たおすすめの舞台は?「スーパー歌舞伎『もののけ姫』。40代後半、子どもが中学生になったのを機に、友達と歌舞伎鑑賞を開始、今も継続中。仕事でも育児でもないもうひとつの活動を始めてよかった」
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- PHOTO :
- 篠原宏明
- EDIT&WRITING :
- 田中美保、木村 晶(Precious)

















