【目次】
- 「お時間をいただきありがとうございます」の意味と敬語の成り立ち
- 「お時間をいただきありがとうございます」は上司・取引先に使える?
- 「お時間をいただきありがとうございました」の使い分け
- 面談・打ち合わせの前後に使えるお礼メールの例文8選
- 「お時間をいただきありがとうございます」の丁寧な言い換え表現
- 「お時間をいただきありがとうございます」を英語で伝えるには?
【「お時間をいただきありがとうございます」の意味と敬語の成り立ち】
■意味
「お時間をいただきありがとうございます」は、相手が自分のために時間を割いてくれたことに対し、感謝の気持ちを伝える丁寧な表現です。
ここでいう「時間」とは、相手が自分のために費やしてくれる時間のこと。忙しいなかで予定を調整してもらったり、話を聞いてもらったりしたことへの感謝が込められています。
相手に時間を割いてもらうことが決まった段階でも、実際に時間を取ってもらった場面でも使えます。ビジネスシーンでは、面談や打ち合わせの機会を設けてもらったとき、相談に応じてもらったときなどに使われる定型フレーズですね。
■敬語の成り立ちは?
敬語表現の中心となるのは、「いただく」と「ございます」です。「いただく」は「もらう」の謙譲語。もともとは「頭の上に載せる」という意味の言葉で、目上の人から物を受け取る際に、高くささげて受けたことから、謙譲の意味をもつようになりました。「お時間」の「お」は、相手の時間に対して敬意を添える接頭語です。
そして「ありがとうございます」は、感謝を表す「ありがたい」の連用形「ありがたく」がウ音便で「ありがとう」となり、丁寧語の「ございます」を伴った表現です。
つまり、「お時間をいただきありがとうございます」は、相手の時間を尊重しながら、自分がその時間をもらうことを謙虚に表現し、感謝を伝える言葉なのです。
【「お時間をいただきありがとうございます」は上司・取引先に使える?】
■上司や取引先に使える?
「お時間をいただきありがとうございます」は、上司や取引先など、目上の人にも使える適切な敬語表現です。「いただく」は「もらう」の謙譲語ですから、自分の行為をへりくだって表現することで、相手への敬意を示すことができます。また、「ありがとうございます」は丁寧語を用いた表現です。そのため、上司や先輩、取引先の担当者はもちろん、役職の高い相手にも使えます。対面での会話にも、メールなどの文章にも適したフレーズです。
■使う際に気を付けたいことは?
「お時間をいただきありがとうございます」は、相手が自分のために時間を割いてくれることが前提となる表現です。そのため、まだ面談や打ち合わせの了承を得ていない段階では、使うタイミングに注意が必要です。これから時間を取ってもらいたい場合は、「お時間をいただけますでしょうか」「お時間を頂戴できますと幸いです」など、依頼の表現を使うのが自然です。
また、短いやり取りのたびに繰り返すと、形式的な印象になることもあります。相手が時間を調整してくれたとき、面談が始まるとき、打ち合わせを終えたときなど、感謝を伝えたい場面で使うとよいでしょう。
【「お時間をいただきありがとうございました」の使い分け】
■「ありがとうございます」と「ありがとうございました」はどう使い分ける?
「お時間をいただきありがとうございます」は、面談や打ち合わせの冒頭などで、その機会への感謝を伝える際に使えます。終了時に、その場でお礼を述べる場合にも使えるため、「これからのことにだけ使う表現」と覚える必要はありません。
一方、「お時間をいただきありがとうございました」は、終了した面談や打ち合わせへのお礼を伝える際に使いやすい表現です。終了後のお礼メールでは、「本日は」「昨日は」などを添えると、何に対する感謝なのかが明確になります。
【面談・打ち合わせの前後に使えるお礼メールの例文8選】
■面談の日程を調整してもらったとき
・「このたびはお忙しいなか、お時間をいただきありがとうございます。当日はどうぞよろしくお願いいたします」
■取引先との打ち合わせを終えたあと
「本日はお時間をいただき、誠にありがとうございました。ご説明いただいた内容を踏まえ、改めてご提案をお送りいたします」
■上司に時間を取ってもらったあと
・「本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございました。いただいたアドバイスを参考に、今後の進め方を検討いたします」
■初めて会う相手との面談が決まったとき
・「このたびは面談の機会を設けていただき、ありがとうございます。直接お話を伺えることを楽しみにしております」
■オンラインでの打ち合わせを終えたあと
「本日はオンラインでのお打ち合わせにお時間をいただき、ありがとうございました。共有していただいた資料を確認のうえ、追ってご連絡いたします」
■採用面接のお礼を伝えるとき
・「本日は面接のお時間をいただき、誠にありがとうございました。業務内容について詳しくお話を伺い、貴社で働きたいという思いが一層強くなりました」
■急な依頼にも対応してもらったとき
・「急なお願いにもかかわらず、お時間をいただきありがとうございました。迅速にご対応いただき、大変助かりました」
■複数人が参加した会議のあと
「みなさま、本日はみなさまに貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。本日いただいたご意見を整理し、次回の会議までに資料を修正いたします」
【「お時間をいただきありがとうございます」の丁寧な言い換え表現】
■「お時間をくださり、ありがとうございます」
「くださる」は「くれる」の尊敬語で、相手の行為に敬意を示す表現です。「お時間をいただきありがとうございます」とほぼ同じ意味で使えますが、相手が時間を割いてくれたことに焦点が当たり、自然で柔らかな印象を与える表現です。上司や取引先へのメールにも適した、使いやすい言い換え表現です。
■「お時間を頂戴し、ありがとうございます」
「頂戴する」は「もらう」の謙譲語で、「いただく」と同様に、目上の人にも使える表現です。「お時間を頂戴し、誠にありがとうございます」とすれば、より改まった印象になります。取引先や役職の高い相手へのメールにも適しています。
■「貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます」
相手が忙しいなか、自分のために時間を確保してくれたことへの感謝を強調する表現です。重要な商談や面談など、特に丁寧にお礼を伝えたい場面に向いています。
■「お時間をいただき恐縮です」
「恐縮です」は、相手の厚意に対してありがたく思う気持ちや、申し訳なく思う気持ちを表す言葉です。時間を割いてもらうことへの感謝と恐縮する気持ちを、控えめに伝えられます。
■「面談の機会を設けていただき、ありがとうございます」
相手が面談や打ち合わせの機会をつくってくれたことに焦点を当てた表現です。日程調整をしてもらったときや、面談の機会を用意してもらったときなどに使いやすい言い回しです。
■「ご多忙の折、お時間を賜り、誠にありがとうございます」
「賜る(たまわる)」は「もらう」の謙譲語で、非常に改まった表現です。重要な取引先や役職の高い相手などに、格式を重んじた文章でお礼を述べる際に適しています。日常的な社内メールでは、やや堅苦しい印象になることもあります。
■「お話を伺う機会をいただき、ありがとうございます」
相手から話を聞く機会を設けてもらったことへの感謝を伝える表現です。インタビューや面談、専門家への相談など、相手の話を聞くことが主な目的となる場面に適しています。
【「お時間をいただきありがとうございます」を英語で伝えるには?】
■Thank you for your time.
「お時間をいただきありがとうございます」に相当する、簡潔な英語表現です。面談や打ち合わせの終了時、メールでのお礼など、幅広い場面で使えます。簡潔ながら丁寧で、ビジネスシーンにも適しています。
■Thank you for taking the time to meet with me.
「私と会うために時間を割いてくださり、ありがとうございます」という意味です。面談や商談、採用面接など、実際に会う機会を設けてもらった際のお礼に適しています。オンラインでの面談にも使えます。
■Thank you for making time for me.
「私のために時間をつくってくださり、ありがとうございます」という意味です。忙しい相手が予定を調整してくれたことへの感謝を伝える際に使いやすい表現です。
■I appreciate you taking the time to speak with me.
「お話しする時間を取っていただき、感謝しています」という意味です。感謝の気持ちを丁寧に伝える表現で、ビジネスシーンでも自然に使えます。電話やオンラインでの打ち合わせ後にも適しています。
■Thank you for taking time out of your busy schedule.
「お忙しいなか、お時間を割いていただきありがとうございます」という意味です。相手が忙しいなか、わざわざ時間を割いてくれたことへの感謝を強調する表現です。ビジネスメールでも使えますが、相手の忙しさを特に意識してお礼を伝えたい場面に向いています。
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「お時間をいただきありがとうございます」は、ビジネスシーンでよく使われる定型フレーズですが、改めて考えてみると、なかなか奥の深い言葉です。というのも、時間は誰にとっても1日24時間。お金や物とは違って、使った時間を取り戻すことはできません。相手が自分のために割いてくれた時間は、その人の人生の一部でもあるのですね。そう考えると、「お時間をいただきありがとうございます」という何気ないひと言にも、少し重みが増すのではないでしょうか。
- TEXT :
- Precious.jp編集部
- 参考資料:『日本国語大辞典』(小学館) /『デジタル大辞泉』(小学館) /文化庁「敬語の指針」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/keigo_tosin.pdf?utm_source=chatgpt.com) /文化庁「敬語おもしろ相談室」(https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/keigo/index.html) :

















