フォーマルにもカジュアルにも着こなせるウールコート。寒い季節に大活躍するアウターです。一方で、ウール素材は毛玉ができやすかったり、洗濯不可の場合が多かったりと扱いに注意が必要な素材でもあります。

そこで今回は、ウールコートを長く着るためのお手入れ方法やシーズンオフの保管時に注意すべき点を、宅配クリーニングサービス「リネット」の“お洗濯アンバサダー“近藤高史さんに教えていただきました。

ウールコートの大敵は「毛玉」と「型崩れ」。日ごろの着方もポイント

日ごろのケアを怠ると、毛玉や汚れ、型崩れでくたびれた印象になってしまいます

「ウールコートが劣化した」と感じる原因は「毛玉」と「型崩れ」にあると近藤さんは言います。ウールコートを長持ちさせるためには、このふたつの原因をつくらないこと。日ごろの着用後のケアが特に重要です。

また、着方を工夫することで気になる汚れを防げることもあります。例えば、コートの襟元に皮脂汚れが直接付くのを防ぐため、マフラーやタートルネックを着用するのもひとつの手。さ

らに、近藤さんによるとウール素材は水分に弱いため、防水スプレーをかけておくのもおすすめだそう。雨や雪などが染み込むのを防ぐと同時に汚れも付きづらくなり、一石二鳥の効果が期待できます。ただし、必ずウールにも対応しているか確認してから使用しましょう。

毎日の着用後にしてほしいお手入れ3ステップ!

■1:コートの肩幅に合ったハンガーにかける

左:肩幅に合っていない薄いハンガー、右:肩幅に合った厚めのハンガー。肩から袖の形が大きく異なります

型崩れする原因は「着用後にかけるハンガーが合っていない」ことが挙げられると近藤さん。着用後にかけるハンガーは、ハンガーの幅とコートの肩幅が合い、厚みのあるものを選ぶと型崩れしにくくなります。

また、ポケットに物を入れたままにしておくのも型崩れの原因。定期入れなど毎日使うものはついつい入れっぱなしにしてしまいがちですが、コートをハンガーにかけるときはポケットの中をすべて出すようにしましょう。

ポケットに物を入れっぱなしにするのはNG。型崩れの原因に

■2:必ずブラッシングする

ウールコートの毛玉は、着用中の摩擦により毛が絡むことで発生します。近藤さんによると、特に腕や脇など、着用中の摩擦により毛玉ができやすいそう。着用後は必ずブラッシングするように心がけましょう。ブラッシングで絡まった繊維をほぐすと、毛玉の発生を防げます。

また、ウールコートは見た目以上にホコリを吸っています。近藤さんによると、ブラッシングにはホコリを取り払う役割もあるそう。

※ブラッシングの手順については後述します。

■3:乾燥させてからクローゼットにしまい、紫外線を避ける

ブラッシングしたら、風通しのいいところで乾燥させてから、クローゼットにしまいます。乾燥させずにすぐにしまうと、カビやニオイの原因に繋がることも。冬でも意外と汗をかいているので、必ずクローゼットに入れる前に風通しのいいところで陰干ししてください。

また、「翌日も使うから」とクローゼットにはしまわずにお部屋のコート掛けにかける場合も、注意が必要。日光の入る窓際や蛍光灯の下はなるべく避けましょう。

「クローゼットではなくお部屋の中でコートをかける場合は、直射日光の当たる窓際や蛍光灯の下はなるべく避けてください。蛍光灯の下であっても、長時間置いておくと紫外線で変色する場合があります」(近藤さん)

【 まとめ/毎日の着用後にしてほしいお手入れ3ステップ 】
1:コートの肩幅に合ったハンガーにかける
2:必ずブラッシングする
3:乾燥させてからクローゼットにしまい、紫外線を避ける

正しいブラッシングの方法

■1:天然素材のやわらかい毛のブラシを用意

ブラシは天然素材のやわらかい毛の物がおすすめ

ブラシは「毛玉取りブラシ」「カシミヤ用ブラシ」など、目的や素材に合わせて使い分けるといいそう。日々のお手入れにはやわらかい毛のものがベター。まかでも、天然素材のブラシがおすすめです。

「ブラシには天然素材(動物の毛)と合繊製があります。合繊製は安価で手に入るのがメリットですが、静電気を起こしやすく毛玉の原因につながるので、なるべく天然素材を使うことをおすすめします」(近藤さん)

■2:ブラシは力を入れすぎず、優しくかける

毛の硬さの次にブラッシングで気をつけたいのは、ブラッシングの強さ。強くブラッシングしすぎるとブラシがウールの繊維を巻き取ってしまい、逆にウール生地を傷めてしまうそう。必ず優しくブラッシングしましょう。

■3:毛の流れに沿って上から下へブラシをかける

ブラシは上から下へ優しくかける

ブラシをかける方向は「上から下」。こうすることで、毛並みが整います。

「ブラシをかける順序に決まりはありませんが、袖→襟→前身頃→後身頃→ポケット部分など、順序をルーチン化しておくと、何度も同じ場所をブラッシングしなくて済み、時短につながりますよ」(近藤さん)

【 まとめ/正しいブラッシングの方法】
1:天然素材のやわらかい毛のブラシを用意
2:ブラシは力を入れすぎず、優しくかける
3:毛の流れに沿って上から下へブラシをかける

シーズンが終わったらクリーニングへ

シーズンが終わった際はクリーニングに出してケアをしましょう。

「見た目は汚れていなくても、見えないホコリや花粉などが繊維に付着しているため、そのまましまうと虫食いなどの原因にもなります」(近藤さん)

また、近藤さんによれば、汚れを長い間そのままにしておくと、落ちづらくなるそう。シーズン中でも、自身で汚れやニオイが気になったときは、クリーニングに出すのがおすすめです。クリーニングに出す際は、気になる汚れやシミがあれば、お店の方にどんなときについたものかを詳しく伝えましょう。汚れの種類を知ることで、お店の方も対応がしやすくなります。

自宅で洗濯できるコートもありますが、生地の扱いには注意が必要だと近藤さんは話します。

「家庭用の洗濯機で洗濯すると、洗濯機の中でねじれてしまい、生地を傷めたり、型崩れしたりする原因となります。また、手洗いでも生地そのものが縮んでしまう可能性があるので注意しましょう」(近藤さん)

コートの洗濯表示に「水洗いNG」や「ドライクリーニング」のマークがついている場合は家庭用の洗濯機では洗濯できないので、必ずクリーニング店に依頼しましょう。

コートの内側の洗濯表示を確認。写真の場合は、自宅での洗濯はできないのでクリーニングへ出します

次シーズンまでの保管方法で注意すべき4つのポイント

■1:クリーニングから戻ったコートは袋から出す

クリーニングから戻ってきたコートは、ホコリなどの汚れから服を守るために、ビニールがかぶせてあります。しかし、そのまま保管するとビニールの中で湿気がたまり、その水分がカビや変色の原因になります。そのため、保管するときには、必ず袋からコートを出しましょう。

■2:必ずクローゼットにしまう

蛍光灯や日光などの紫外線に当たった状態が続くと、コートが変色してしまう可能性が高まります。必ずクローゼットにしまいましょう。近藤さんによると、このとき、衣類同士を離して置くことも大切だそう。衣類同士の間に隙間ができることで、空気の流れが良くなります。

クローゼットにしまう時は、他の衣類との間に十分なスペースができるように

■3:週に一度クローゼットの換気を行う

衣類を長期間保管したときに、カビが生えたり嫌なニオイがしたりするのは、換気が正しく行われていないことが原因。クローゼットの中は週に1回程度換気し、空気を入れ替えましょう。クローゼットに湿気取りなどを設置するのもおすすめです。

それでも保管していたコートがカビ臭く感じる場合は、すでにクローゼット内にカビの菌がいる可能性があるそう。クローゼット内の掃除や換気をし、コートを含めすべての衣類を洗濯・クリーニングし直しましょう。

■4:異なる種類の防虫剤を併用しない

長期間コートをしまうときに、虫食いが発生しないよう使う防虫剤。近藤さんいわく、この防虫剤も注意が必要だそう。

「種類の違う防虫剤を使うとお互いの作用が働き、薬剤が溶けて洋服にシミがついてしまったり、変色したりという可能性があります。防虫剤を使用するときは、異なる種類のものを併用せず、1種類の製品のみを使ってください」(近藤)

また、防虫剤は使用量が少なすぎても多すぎても十分な効果が得られません。防虫剤に記載されている使用量を守って使いましょう。

【 まとめ/日々のお手入れ方法 】
1:クリーニングから戻ったコートは袋から出す
2:必ずクローゼットにしまう
3:週に一度クローゼットの換気を行う
4:異なる種類の防虫剤を併用しない


丁寧にお手入れをすれば、大切なウールコートへの愛着もより一層増しますね。長いおつきあいを楽しむためにも、ぜひ今回のお手入れ法を取り入れてみてください。

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WRITING :
田代祐子
EDIT :
廣瀬 翼(東京通信社)