人が何かに向かって突き進む原動力となる情熱を芸術性で包み込んだイタリア車には、誰もが共感できる魅力が備わっています。なかでも1910年の創業時から多くの人に愛されてきたのが、アルファロメオ。その歴史はカーレースにはじまり、これまでにつくられた市販車の多くにスポーツカーの精神が宿っています。
非日常への扉を開く魅惑の味は、“クアドリフォリオ”のサブネームが付くモデルで堪能するのがおすすめ。ブランドの個性をより濃厚に感じられる高性能モデル「ステルヴィオ クアドリフォリオ」なら、旅にも行ける大容量で実用性も抜群です。
セレブリティと映画に愛されたアルファロメオ
アルファロメオは冒頭で記したとおり、創業時からカーレースへの取り組みで知られたスポーツカーブランドでした。設計を担う技術者は独創的なアイデアを具現化し、その天才的なセンスは芸術的な美しさとしてデザインにも現れたのです。
たとえば上の写真の車両は、第二次世界大戦前から製造され、戦後に改良を受けて生まれ変わった「6C 2500」というモデル。イタリアのコモ湖畔の町、チェルノッヴィオで開催される自動車品評会「コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステ」で賞を獲得し、世界一優美なクルマとして賞賛されました。「6C 2500」を愛したオーナーには、アルゼンチンのペロン大統領とその妻エビータ、モナコのレーニエ3世、女優のリタ・ヘイワースなど、そうそうたる名が知られています。
アルファロメオは1960~70年代の映画でもその姿を見かけます。美しい曲線美が特徴の「ジュリエッタ・スパイダー」は、『気狂いピエロ』でジャン=ポール・ベルモンドとアンナ・カリーナが死への逃避行に使い、『ジャッカルの日』ではクールな暗殺者が車内に武器を隠して乗り、やがて貴族の未亡人との出会いにつながります。そして『卒業』。社会に出て家庭をもつ夢とその先にある苦難を緻密な演技でみせたダスティン・ホフマン演じるベンジャミンの相棒は、真っ赤な「スパイダー」でした。
ペダルを踏むと聞こえてくる背徳のささやき
アルファロメオがセレブリティに愛され、映像文化の世界でも存在感を発揮したのは、スピードを楽しむ人々の情熱を体現した個性と、イタリアの芸術性が放つエレガンスにあることは間違いありません。そのDNAが今も受け継がれていることは、高性能SUV「ステルヴィオ クアドリフォリオ」に乗るとよくわかります。
パワーアップに伴いセットされた太いタイヤを覆うボディはグラマラスで、魅惑的。そのボディには、四つ葉のクローバー(=クアドリフォリオ)のマークが描かれています。これは高性能モデルの証として100年以上前から踏襲されてきた、伝統の、幸運の証。アルファロメオには、そんなロマンティックな一面もあるんです。
インテリアも高性能モデルにふさわしく、3D仕上げのカーボンファイバーを随所にあしらっています。そして前席には、イタリアのカーレース用品ブランド“スパルコ”のカーボンバケットシートが。バケット、つまりバケツ型のデザインで体をすっぽりと包み込まれるだけで、気分はレーシングドライバー。サーキットを走るほど本気ではなくても、車両と一体になった感覚はとても快適で、「運転ってこんなに楽しいんだ!」ということが実感できる、特別な空間です。
室内のカーボンファイバーだけでなく、外装にもアルミ素材を多用した車体は通常モデルよりも軽く、乾いた排気音が印象的なエンジンの威力で、目の覚めるような加速をみせてくれます。さらに走行モードをスポーティなセッティングに切り替えると音はさらに野太く、大きくなり、法定速度を守っているのにイケないコトをしているような気分に……。
この背徳感こそ「ステルヴィオ クアドリフォリオ」最大の魅力であり、アルファロメオの美味の核心。ビジネスの場で大きなプレッシャーにさらされることもあるキャリア女性にとって、アクセルペダルを踏むほどに聞こえてくる背徳のささやきは、リフレッシュを促す魔法の合図です。
旅にも行ける広い荷室を備え、実用性も文句なしのプレミアムSUVが織りなす、見たことのない景色や人との出会い。ひょっとしたら、その先には映画のようなドラマティックな人生が待っているかもしれません。
【ALFA ROMEO STELVIO QUADRIFOGLIO】
ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,700×1,955×1,680mm
乗車定員:5名
車両本体価格:¥14,000,000
問い合わせ先
- TEXT :
- 櫻井 香さん ライフスタイルエディター