2017年9月公開のアメリカ映画『アメイジング・ジャーニー 神の小屋より』でハリウッドデビューを果たした女優・すみれさん。「映画オタク」を自称する彼女が、2018年に引き続き、2019年もWOWOW放送の「アカデミー賞授賞式」でレッドカーペット・レポーターを務めます。
そこで、渡米前に今年の意気込みなどについて、お話を伺ってきました!
——昨年初めてレポーターとして「アカデミー賞授賞式」を体験されましたが、いかがでしたか?
会場は熱気がものすごかったです。私自身映画オタクなんです。ちょっとミーハーかもしれませんが、ゴシップもスターも大好き(笑)。何より自分自身がさまざまなシーンで活躍できる女優を目指していることもあってすごく興奮しました。
取材できるエリアはファンの方々も俳優さんたちの近くへ寄れるので、憧れの俳優さんたちが目の前を通ると大騒ぎです。俳優さんだけでなく、スタッフさんやパブリシストさん、ご家族の方々もいらっしゃるので、広くはない通路に人がぎっしり。まるでイベントのときの渋谷のスクランブル交差点や満員電車のようなイメージでした(笑)。
——今年はどのようなレポートを目指していますか?
とにかく去年やったことは全部変えたいです(笑)。去年は仕事が終わった後、ひとり反省会をしました。「ここがダメだった」「この人をこうやってキャッチすればよかった」とか反省だらけだったんです。
会場入りをして初めてわかったんですが、熱気で本当に何も聞こえないんですよ。WOWOWの中継なので日本のスタジオとも繋がっているんですが、ジョン・カビラさんの声が入ってこないんです。コンサートで電話するような感じですね。言葉もスタジオとのコミュニケーションは日本語で、レッドカーペットでは英語で話すので、その切り替えも必要でした。自分自身が興奮していることもあって、その切り替えも難しかったですね。
——反省点を踏まえ、今年特に注意していることは何ですか?
昨年よりもアグレッシブにスターをつかまえることです。でも、レッドカーペットでのインタビューは、俳優の皆さんにとっても勝負の時。限られた時間のなかで、どのテレビ局に自分を映してもらうかを考えています。
一番注目されている俳優さんたちは米国メディアが中心となるので、なかなかキャッチするのは難しい。レッドカーペットに最初に登場してくる俳優さんたちは、初めてノミネートされた方や新人さんたちですが、その方々も意外と厳しいんです。新人だからこそパブリシストさんたちが「守らなきゃ」となるので。昨年は『君の名前で僕を呼んで』『レディ・バード』で注目された新人のティモシー・シャラメさんを捕まえたかったんですが、できませんでした。
ただわかったことは、意外にもベテラン俳優の方が余裕をもってインタビューに応じてくださるということ。ウーピー・ゴールドバーグさんがインタビューに応じてくださいました。
昨年『シェイプ・オブ・ウォーター』で助演女優賞にノミネートされたオクタヴィア・スペンサーさんにインタビューできたのは、『アメージング・ジャーニー 神の小屋より』で共演したことが大きかったですね。実は、オクタヴィアさんに「アカデミー賞に行くんですが、インタビューさせてください」と事前にショートメールでお願いしたんです。すると、「もちろん!」と言ってくださった。オクタヴィアさんは私にとってアメリカのマミーみたいな方なんですよ(笑)。
今回の目標はズバリ!レディー・ガガさんへのインタビュー
——すみれさんが今年どうしてもコメントを取りたいのが、レディー・ガガさんだとか?
そのためならなんでもします! ジョン・カビラさんは「ガガさんの前で歌えば」と言ってくれました(笑)。歌ってレディー・ガガさんを呼ぶか倒れるか。とにかく絶対ゲットしたいです。私は昨年の映画では『アリー / スター誕生』が一番好きでした。女性にとっては共感できることが多く、相手役のブラッドリー・クーパーさんはかっこいいしロマンチックな映画だし。なぜブラッドリーが監督賞にノミネートされていないのか! それだけは怒っているんですけど!
今年ノミネートされている方々は皆さんすごい方ばかりです。私は『ドゥ・ザ・ライト・シング』などで知られるスパイク・リー監督が大好きなんですが、今までノミネートされていなかったのが信じられないくらい。今回の映画『ブラック・クランズマン』は監督賞ほか6部門にノミネートされている、かっこよくてすごく面白い映画です。
助演男優賞にノミネートされているアダム・ドライバーさんも注目すべき俳優。また、個人的にサム・ロックウェルさんは大好きな俳優。昨年『スリー・ビルボード』で助演男優賞を獲得していますが、今年もまた同じ賞にノミネートされているのがうれしいです。
『グリーンブック』で助演男優賞にノミネートされているマハーシャラ・アリさんはピアノに初挑戦しながら素晴らしい演奏を聴かせてくれました。大御所のグレン・クローズさんは7回目のノミネートにして初めて主演女優賞を受賞するかも、と言われています。ただの熱狂しているファンの気分を抑えて頑張りたいと思います(笑)。
——アカデミー賞授賞式は記者もカメラマンも参加する人は皆正装がルールです。すみれさんご自身、今年はどんな衣装を予定されているのですか?
昨年に引き続きドレスはTAE ASHIDAです。ジュエリーは昨年はブルガリで今年はFRED。私は日本人として日本のブランドで参加したいと考えてはいるんです。衣装はノミネートされている方々と被らないようにするとか、ブランドも意外と限られています。豪華な女優さんたちに嫌われたくないので出過ぎず(笑)、でも少しは目立つように。私のファッションにも注目していただけたらうれしいです。
——すみれさん自身、日本では2017年に公開された『アメージング・ジャーニー 神の小屋より』でハリウッド映画デビューされました。キリスト教の三位一体の神である聖霊を演じられました。難しかったでしょう?
難しかったですね。ただ、私はクリスチャンというわけではありませんが、クリスチャンに育てられてアメリカの学校はカトリック系なので、基本的な知識はありました。精神面ではクリスチャンベースです。
でも、演じるにあたって理解できたかといえば、原作がなかったらできなかったと思います。台本だけだと頭の中は「?」しかありませんでした。本を読んで、私が演じる「サラユー」は、「母なる自然」というか、仏教や神道のイメージが入っているキャラクターにも感じたんです。「サラユー」は、ただの風という意味なんですけど、風みたいに透き通ったり見えなくなったり不思議な話し方をする。自分の中で妖精のようなイメージで演じました。
でも、正直、オーディションでは絶対受からないなと思っていました。こんな難しい話できるわけないって。撮影現場に着いたとき、私が一番最後に決まったキャスティングだったので、「サラユーが来た!」ってみなさんが大喜びで歓迎してくださったのもステキな思い出です。
——ハリウッドデビューされて人生は変わりましたか?
すべて変わりました。今後は歌や踊りも含めてやってみたいです。クラシックバレエは12年、ほかにもいろいろなダンスのレッスンを受けてきました。歌も小さなころから習い、ピアノやギター、フルートなどたくさんの楽器も習ってきたんです。今はボクシングも習っているのでそのうちアクション映画にも出てみたいですね。
ただ、自分が一番好きなジャンルはロマンスなので、そういう映画にも出てみたいです。日本やハリウッドに限らず、どこの国の映画でも出演できたらいいなと思っています。
——最後に恒例の質問です。すみれさんが最近購入されたプレシャスなモノはなんでしょう?
ちょうど最近買ったもので、コーチのお財布です。二つ折りのお財布なんですが、革なので自分で型をつけたり、チャームとかもつけられカスタマイズできるんですよ。バッグもすごく可愛くてレトロっぽくて気に入っています。バッグはこれです(と下記の画像を見せてくれる)。このタグにスタンプみたいに名前を型押しできます。私は、S、ヤシの木、そして松原のMを入れました。遊びができるのですごく楽しくて、とても気に入っています!
スタジオゲスト:川村元気、町山智浩
レッドカーペット・レポーター:すみれ、尾崎英二郎
- TEXT :
- 坂口さゆりさん ライター