英国で古着屋にいくと、よくこんなものを売るなと思うような、継ぎはぎだらけのツイードジャケットに必ず出くわす。ツイードやコーデュロイのジャケットのひじに二重のパッチが施されていたりする。愛すべき、愛すべき英国の習慣である。いや、英国だけではない。かつては日本もそうだったのだ。今や家庭のリペア機能はすっかり衰えてしまったが、そこは大都市東京、腕のいい各種リペアショップがそろっている。いい服、いい靴を手に入れ、壊れたら直して永く愛用する。モノもそして人生もかくありたい。

継ぎはぎ大歓迎

写真の靴とアウターは修理サンプル。撮影協力/ブリティッシュ・イクイップメント・トレーディング

上質な服をクリーニングするなら『レジュイール』がお勧め!

蓄積された服の汚れからコーヒーのシミなど、フッ素系のドライクリーニングや丸洗いで細部の汚れまでを取り除く。クリーニング後の徹底したプレス仕上げによって、ジャケットやパンツが本来の姿によみがえる。

■南麻布『レジュイール』
住所:東京都港区南麻布1-5-18 FRビル
TEL:03-5730-7973
営業時間:9:00~18:00
http://www.rejouir.co.jp/

靴を直すなら『ユニオンワークス 青山』が定番

キラー通り沿いにショップを構え、早12年を迎える。日本における本格靴修理の嚆矢となる、最高の修理技術で臨むリペアショップ。同店代表を務める中川一康氏をはじめ、靴を心底愛するスタッフが対応する。

■外苑前『ユニオンワークス 青山』
住所:東京都渋谷区神宮前3-38-11 パズル青山1F
TEL:03-5414-1014
営業時間:12:00~20:00
http://www.union-works.co.jp/

編集部が自信を持って推薦する洋服のお直し『サルト銀座』

スーツやジャケットのそで丈直しからデザイン変更まで、あらゆる服の直しに対応するリフォームの名店。トレンドの服にも詳しいショップスタッフが店頭に立つほか、工房には熟練の職人たちがていねいに服を修理。

サイズ直しにとどまらず、デザイン自体を変更してしまう、攻めのお直しも「サルト」では人気。着古したコートの襟を張り替えたり、トレンドのシルエットやディテールでアレンジしたり……。生地の劣化や時代の変遷によって着られなくなった洋服は、このように現代的なアイディアを注ぎ込むことによって鮮やかによみがえる。そしてより長く愛用することが可能なのだ。

「サルト」だけに限らず、男たちにとってひいきのリフォームサロンを持つことは、スーツを、そしてお洒落を楽しむ上でとても大切なことだ。

■サルト銀座
住所:東京都中央区銀座2-6-16 第二吉田ビル2・3F
TEL:03-3567-0016
営業時間:11:00~19:30

洋服のお直しはここまでできる!
『サルト銀座』で実際にお直しをしてみた

①トレンチコートの襟をヘアカーフに替えてみた!

長年着込み続け、もはや襟がすり切れてきた英国製のトレンチコートは、襟を交換すればより長く着られる。正統派な英国紳士ならコーデュロイなどを使うところ、あえてインパクトのあるヘアカーフにチェンジ! 実にモダンな印象のコートに生まれ変わらせた。さらに値は張るが、クロコダイルやミンクファーなどを張ってもきっと面白いだろう。襟が凜々しく立つように、台襟までヘア
カーフに張り替えるのがポイント。見た目の風格も驚くほどに違うのだ。お直し価格の目安¥26,250

②無地のシャツをクレリックシャツにしてみた!

これは定番のリフォームだが、劣化しがちなドレスシャツの襟とそでをオックスフォード生地に交換。クレリックシャツとして楽しむことに。もともとのシャツの質感に合わせた硬さにしてくれる点もうれしい。ベースがカジュアルなシャンブレー生地のシャツだったので、ラウンドカラーとシングルカフスにリフォームしている。お直し価格の目安¥12,600

③スラックスパンツをジョッパーズパンツにお直ししてみた!

はかなくなったスラックスは、カジュアル仕様にリメイク!ワタリは限界まで広げ、逆にすそは16㎝幅程度までつめ、シルエットを調整。太ももにスエード製のパッチを取り付ければ、ジャケットにも合うジョッパーズパンツが完成!目立ちすぎない焦げ茶のスエードパッチにしたので、意外にも上品な雰囲気に仕上がっている。お直し価格の目安¥14,700

④ネイビージャケットをカントリー風ブレザーにお直ししてみた!

定番のネイビージャケットをカントリーテイストに。ひじにはスエード製のパッチを付け、ボタンはクルミのボタン。裏地には私物のシルクスカーフに張り替えて、遊び心たっぷりの一着に仕上げた。裏地を張り替えた際、ブランドネームを元の位置に戻している点に、細やかな気配りが感じられる。お直し価格の目安、ボタン交換¥1,050、裏地交換¥21,000、パッチ¥4,200

⑤ネクタイをリボンベルトにしてみた!

実はネクタイの長さや幅もリフォーム可能。しかし今回は、思い切ってデザイン自体を変更、まるでフレッド・アステアのように洒脱なリボンベルトを製作した! ネクタイのシルクだけでは強度に心配があるので、ハリのある芯地を採用。シルクネクタイ1本につき、ちょうど1本のベルトが製作可能。シンプルな着こなしのアクセントにちょうどいいのだ。お直し価格の目安¥8,400

いかがだろうか、この特集を参考に、ぜひお直しの奥深き魅力を味わっていただきたい!

この記事の執筆者
TEXT :
林 信朗 服飾評論家
BY :
MEN'S Precious2016年春号『東京ジェントルマン50の極意』より
『MEN'S CLUB』『Gentry』『DORSO』など、数々のファッション誌の編集長を歴任し、フリーの服飾評論家に。ダンディズムを地で行くセンスと、博覧強記ぶりは業界でも随一。
クレジット :
撮影/唐澤光也(パイルドライバー/静物)、篠原宏明(取材)